【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞Dizzy Sunfist、「好きなことを誇りに、うちらなりのメロディックパンクをまっすぐにやっていくから」

「この3人での初めての＜SATANIC CARNIVAL＞！　かかってこい！」というあやぺた（Vo, G）の叫びでスタートしたのは、昨年4月に新ベーシスト・メイ子（B, Cho）が加入して新体制となった、Dizzy Sunfist。

◆ライブ写真

「思いっきりやったれ」（あやぺた）という声を待たずして、観客の熱量も突き上げる腕も高く、1曲目の「Someday」から3人の奏でる爆音と歓声とシンガロングとが絡み合っていく最高のはじまりだ。これぞDizzy Sunfistという熱い幕開けとともに、あやぺたは「日本一のライブハウスへようこそ」とさらにフロアの温度をあげていく。


そして、さらにサウンドのスピードをあげて「No Answer」、軽やかに大合唱を巻き起こすパワーポップチューン「Andy」と息つく間もなく連投。新体制となって1年と少々と決して長くないが、この間日本を縦断するロングツアーを行なってあやぺた、moAi（Dr, Cho）、メイ子のグルーヴをバキバキに鍛え上げてきた。あやぺたの産休があったり、メンバーの脱退、そしていつ明けるともわからないコロナ禍に突入したりと（Dizzy Sunfistに限った話ではないが）活動がままならいない時間を経験したからこそ、3人のモチベーションは高かった。その思いがサウンドを強固にしている。




「サタニックに帰ってくることができました。昔のDizzy Sunfistが良かったって言ってるやつ、見返してやるからかかってこい」と、あやぺたは威勢よく声を上げつつ、「諦めてしまう夜も何度もあった。でも諦めんでよかった。うちらの武器はパンクロックしかないんよ。うちらができるパンクロック、やっていいですか？」と、まさにいまのバンドが放つ最高にストロングで最高にキャッチーな最新EP『PUNK ROCK PRINCESS』から「Punk Rock Princess」を高らかに響かせた。

続いた日本語詞による直球でエモーショナルな「そばにいてよ」は、これからのライブでも会場をひとつにする曲になりそうだ。「Punk Rock Princess」も「そばにいてよ」もまだリリースから間もないが、すでにそれぞれがライブのキラーチューンとなっているのも頼もしい。そして「Life Is A Suspense」、「So Beautiful」や、観客が楽しそうに腕を伸ばしハンドクラップで盛り上げる「Tonight,Tonight,Tonight」というライブのテッパン曲たちを、また輝かせている。


Dizzy Sunfistは翌6月18日より、最新作『PUNK ROCK PRINCESS』を引っさげたツアー＜PUNK ROCK PRINCESS TOUR 2023-24＞を渋谷クラブクアトロからキックオフする。「明日、ツアー初日があります。（＜SATANIC CARNIVAL＞2日目のトリを飾る）Hi-STANDARDの真裏です。明日サタニックのチケットがないという人、クアトロに来い！」とあやぺたは言う。さらに、“大阪生まれ、ハイスタ育ち”を掲げるDizzy Sunfistにとって、Hi-STANDARDもPIZZA OF DEATHも大好きで一生の憧れだと語り、「でも憧れで終わったらだめ。好きなことを誇りに、うちらなりのメロディックパンクをまっすぐにやっていくから。みんなに誇れるバンドに、もっともっとなってやる！」と熱く宣言した。

そこからつながった曲は「The Dream In Not Dead」。夢は死なへん！というあやぺたのコールから、大きなシンガロングやハンドクラップを巻き起こしていくバンドの姿は、この数年間のさまざまな出来事を乗り越えたタフさと、明るさと、ポジティヴなパワーで眩しいほどだ。ラストの「SHOOTING STAR」まで、Dizzy Sunfist節たるグッドメロディと迸るエネルギーと笑顔とで駆け抜けた。明日からはじまるツアーへの期待感、ワクワク感を最高潮に持っていくステージだ。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎鈴木公平