【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞The BONEZ、「オマエらを自由にさせるのが、We are The BONEZ！」

バンド結成10年目にして初の47都道府県ライブハウスツアーを5月からスタートさせているThe BONEZ。ツアーはまだ序盤戦とはいえ、通常の1ツアー分ぐらいのライブ本数をすでにこなしている彼ら。ライブバンドとしてまさに脂の乗った、仕上がった状態といえるだろう。そのThe BONEZが＜SATANIC CARNIVAL＞SATAN STAGEに登場したのは12時33分のこと。

◆ライブ写真

本番というよりは最終的なサウンドチェックのために出てきて一発音を出したのだが、The BONEZを待ち構えていたオーディエンスはたちまちヒートアップ。コブシも歓声もあがり続け、そんなオーディエンスを嬉しそうに見ながらJESSE（Vo, G）は「幕張！」と笑顔で挨拶。だが、ZAX（Dr）はパワーヒッターぶりをサウンドチェックで発揮したため、なんとスネアのヘッドが破れてしまった。「スネア、破れた！　むっちゃおもろいやーん！」と歓喜の雄たけびを上げるZAXだった。


そんな珍事件の直後、メンバー4人は手を重ね合わせ、声を出して気合いを入れた。今年4月にリリースした最新作『Yours』のオープニングを飾る「Love song」がこの日の1曲目。サウンドチェックですでに気持ちはひとつになっていたから、のっけからすさまじい盛り上がり。The BONEZが今やっているライブハウスツアーのテンションや熱さそのものだ。

続けてThe BONEZはハードコアスピリット満載で「Rusted Car」で激しく攻め立てると、ジャンプを繰り返し、声を張り上げコーラスも歌いまくるオーディエンス。こうした強い一体感もまたライブハウスツアーそのまま。いや、オーディエンスが多いゆえ、エネルギーはとんでもない。


「自由の国へようこそ！　オマエらを自由にさせるのが、We are The BONEZ！」

しなやかで強いリズムをZAXとT$UYO$HI（B）が生み、KOKI（G）がグルーヴィなリフを刻み、JESSEがメッセージを絡ませる。そこにコーラスで心をひとつにしていくオーディエンス。The BONEZの音も曲も、生命力の塊だ。浴びていくうちに身体も心もどんどん元気になる。「Thread & Needle」になったとき、会場のいろんなところで肩車やモッシュ、クラウドサーフなども起こったが、やる側も受け止める側も、みんな、笑顔。もちろんステージ上のThe BONEZも。



「今、俺ら、絶賛ツアー中です。この中にもいるかもしれません。ライブ行ったら、人の足が顔に当たって、メガネ壊れて、アザだらけなって、ライブが嫌いになりそうとか。それでもコイツらはそれがないと死んじまうかもしれないヤツらなんで、どうか、煙たがらないでください。あとオマエらも、サーフィンして足をバタバタしたらこけるだろ。人の波に乗れ。そして気持ちよくなれ。誰かの顔を蹴っちまったら、ひとつ、ゴメンって。そうすりゃ、戦争はなくなるはずだ。俺はコイツら全員、背負ってるからよ」


こうして「New Original」へ入ったときだった。「1枚のチケットで人生を変えたいヤツは分かれてみろ」とJESSEが叫んだ。すると、T$UYO$HIとKOKIは楽器を手にしたまま客席フロアに。そのまま「New Original」の演奏が続く中、JESSEの合図でフロアでは巨大なウォールオブデスが激しくぶつかり合った。戦い合う西軍と東軍のそれぞれの大将が、T$UYO$HIとKOKIといった様相だ。もみくちゃながらも、誰もが幸せそう。こんな戦争ならいつだって大歓迎だ。ポジティブなカオスが渦巻き続けるThe BONEZのステージとなった。



取材・文◎長谷川幸信
撮影◎中河原理英