【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞ROTTENGRAFFTY、「一生の記憶に刻んで帰ってくれ。俺らも無傷でここに立ってない」

「610行進曲」がSEとして流れると同時に、大きな歓声とハンドクラップで歓迎され、SATAN STAGEに登場したROTTENGRAFFTY。すぐさま「4年ぶりサタニック！」とか「オマエらの本性を全部、ぶちまけてくれ！」などN∀OKI（Vo）が次から次へと煽りを喰らわせていく。気合いたっぷりで、力がこもるあまりに声は歪みまくりだ。激情と情熱の塊といっていい。

◆ライブ写真

そしてサポートギター・MASAHIKOのギターフレーズを合図に始まった1曲目は人気ナンバーのひとつ「ハレルヤ」だった。スモークが包み込むステージをスポットライトが激しく照らし回し、スモークをかき乱しながら激しく歌い叫ぶN∀OKIとNOBUYA（Vo）。


MASAHIKOと侑威地（B）はそれぞれオーディエンスを煽るように弦をかきむしり、極悪サウンドを轟かす。HIROSHI（Dr）はバンドサウンドの全てをさらに覚醒させていくように、ヘヴィなリズムを繰り出す。そんなROTTENGRAFFTYの音を全身で浴び、激しいサークルモッシュを決めながらぶつかり合うオーディエンス。最高の光景が広がっていった。

「殺す気で掛かって来い！」

曲のエンディングでは、眼光鋭く決めながらNOBUYAがそう言い放った。そう言われたら、もう、遠慮は無用だ。曲が「秋桜」、さらに「D.A.N.C.E.」へと続く中、オーディエンスは踊り狂うというよりも暴れまくる。ROTTENGRAFFTYも、演奏や歌を決めるだけでなく、精力的なライブで自然に身につけた、激しく動き回るくせにバランスの取れたフォーメーションで視線も奪う。



「幕張メッセでいろんなフェスが開催されますけど、PIZZA OF DEATHが開催するサタニックが俺は一番テンションが上がる。やっぱりサタニックは幕張がいいですよね。そのぶちあがったオマエらの感情を、俺らに見せてくれ」

そう叫びながら突入した「This World」。NOBUYAとN∀OKIはフロアに降り、周りのオーディエンスに支えられながら立ち上がり、歌い叫ぶ。間近でオーディエンスとエネルギーのキャッチボールをすることで、互いのテンションは急激に高まるばかり。「やっぱオマエら、カッコええな！」とNOBUYAも賛辞の言葉をオーディエンスに贈った。


「やっとこさ、幕張に帰って来た。あの頃の野獣のテンションに戻って、一生の記憶に刻んで帰ってくれ。俺らも無傷でここに立ってない。KAZUOMI（G）が現場から離れて、サポートギタリストのMASAHIKOが入ってくれて、かれこれ1年。そう、あきらめへんかったから、ここにいるんやろ。ここから、今からまだまだやっていくから。ROTTENGRAFFTY、よろしくお願いします」──N∀OKI

爆獣暴動のようなライブがのっけから展開されたが、それだけじゃないのがROTTENGRAFFTY。彼らには苦い経験や辛い経験も、これまでのバンドのキャリアには並走している。そうした経験を持つからこそ人に優しくなれるし、愛情豊かにもなる。それが曲となったのが「ハロー、ハロー」でもある。NOBUYAとN∀OKIの歌がオーディエンスを抱きしめるように包み込む。オーディエンスはスマホの光を左右に揺らし、ROTTENGRAFFTYの歌と曲をさらに感動的に彩っていった。


そしてライブ後半は、バンドのキラーチューンの二連発。ROTTENGRAFFTYと共にでっかい声で歌うオーディエンス、その歌声を笑顔で受け止めながら歌にもプレイにもさらに熱が入っていくROTTENGRAFFTY。「金色グラフティー」のエンディングに向かうにつれ、ステージにいる5人も、フロアにいる数万人も輝き狂い続けた。


取材・文◎長谷川幸信
撮影◎半田安政