【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞Fear, and Loathing in Las Vegas、「さすがサタニック。でっかいライブハウスでした」

圧倒的多幸感で鮮やかにSATAN STAGEを彩ったのがFear, and Loathing in Las Vegas。ハイテンションなSEをバックに飛び跳ねながら登場するぐらい高まっていた彼らは、「Acceleration」から凄まじい勢いを見せつける。

◆ライブ写真

So（Vo, Prog）がメロディアスな歌で引っ張れば、Minami（Vo, Key）が当代一のシャウトで切り込んでいき、Taiki（G）もステージのいちばん端まで動き回りながらギターをかき鳴らす。ラストには土木工事的な重低音で襲いかかっていき、他では味わえない異空間を生み出していくのだ。



SoとMinamiの掛け合いで、促すまでもなくフロアが暴動気味の様相となった「Rave-up Tonight」に入ってもそのスピード感は緩めない。みんなで北斗百烈拳よろしく正拳突きを連射して、おかしいぐらいに高まるボルテージ。Minamiが客席へ飛び込み、ようやく自由なライブが帰ってきたんだと感じさせるシーンも印象的だった。

ここで「ライブハウスっぽい景色で最高です！」とSoが感触を語りつつ、「感謝するのも大事やけど、感謝する暇があったら（この環境を）使い尽くせ！」と強くアジテートしていく。たしかに使い切ってこそライブを取り戻した意味があり、これからに繋がるに違いない。


そんなSoの言葉でより着火されたオーディエンスへ対して、もっとイケるだろうとMinamiが挑発して叩き込んだのが「Let Me Hear」。芳醇で強靭なサウンドを響かせていき、Taikiの掛け声から突如として会場全体がダンスフロアへと移り変わっていく様も痛快。そこからヘヴィにも踏み込んでいき、彼らならではの多面性にやられてしまう。



空間を切り裂くようなTaikiとTetsuya（B）のフレーズから、キレの良いラップとシャウトが抜群な「Thunderclap」の押し寄せ方も強烈。何かを考える暇なんてない。Soのハイトーンボーカルに寄り添うTetsuyaのコーラスも光っていた。そして、彼らのポテンシャルを知らしめた曲でもある「LLLD」へ。Minamiのしなやかなフロウで大きくフロアを揺らし、思わずSoが顔芸を披露してしまうほどの開放感に満たされていく。


ここで9月22日に日本武道館で2回目のワンマンを開催することをSoが伝えた後、「言うこと言ったから、あとはめちゃくちゃにやってやる」と振り切りまくったダンスチューン「Party Boys」を鳴らす流れもまた良かった。アレンジはもちろん、細かい振り付け、おもいきりエフェクトをかけた中盤に位置するSoのボーカルパートなど、フックの作り方が見事な曲であり、会場が倍々ゲームのように盛り上がっていく。それはステージにも伝染し、曲中にSoが叫んでも、興奮しまくってる証拠だろう、もう何を言ってるのか完全にわからないぐらいだ。


締めくくりには「Massive Core」でその狂騒具合をさらに加速。Minamiはステージを駆け回り、客席へ突っ込んで叫びまくり、Tomonori（Dr）も力の限り強いショットを繰り出していき、とにかくオーディエンスも沸きっぱなし。「さすが、サタニック。でっかいライブハウスでした」とSoが思わず口にするほどの熱狂がとても気持ちよかった。

取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎半田安政、鈴木公平