【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞RAZORS EDGE、「俺達はここにガソリンをまくだけ。火をつけるのはおまえらです。よろしく！」

RAZORS EDGEが＜SATANIC CARNIVAL＞に降臨！　いや、降臨だなんて単語は普段使わないんだけれど、27年のキャリアを持つ日本が誇るスラッシュコア・バンドがついに＜SATANIC CARNIVAL＞のステージに立つんだから、何と言えばいい!?　降臨ほどふさわしい言葉はないだろう。

◆ライブ写真

彼らの出演は、幕張メッセに戻ってきた今回の＜SATANIC CARNIVAL＞の話題の1つだったと言ってもいい。バンドがサウンドチェックを始めると、ステージ前に集まったファンが早速歓声を上げた。バンドはもちろん、ファンもやる気満々だ。


「来たぞ幕張！　RAZORS EDGE行くぜ！」KENJI RAZORS（Vo）が声を上げ、バンドはサオの3人――Toshiki（G）、HATAKEN（G）、MISSILE（B）とKENJI RAZORSが掛け合うように歌う「TRAIN TRAIN TRAIN」でスタートダッシュをキメる。そこからバンドがたたみかけたのは、登場SEにロンドンのOiパンクバンド、コックニー・リジェクツの「The Greatest Cockney Rip Off」を使う彼ららしいシンガロングで盛り上げるアンセミックなパンクロックと、KRASH（Dr）のブラストビートがグルーヴをぶっ殺すスラッシュコアが、絶妙に入り混じる新旧の代表曲の数々だ。





「みんな元気してた？　めんどくさいコロナが明けました。ライブハウスは俺達のもんです。おまえらのもんです。素晴らしいフェスに誘ってくれたPIZZA OF DEATHに感謝です」とKENJI RAZORSが言ってから、「PIZZA OF DEATHから最初に出したアルバムの1曲目」と披露した「DO THE SPIN SOUL」、「車に轢かれ、死にそうになってもバンドに戻ってきてくれた」とMISSILEを称え、その彼が大好きな曲という「JUSO CRAZY NIGHT」、今年50歳になるけじめとして（？）、KENJI RAZORSが20年ぶりに富士山に登る決意を込めた「MOUNTAIN MOUNTAIN」──1曲1曲に思いを込めながら、5人が繰り広げる演奏に観客がダイブ、モッシュ・サークルで応えると、その観客の思いに応えるようにKENJI RAZORSが観客のモッシュにダイブ！


わずか15秒しかない曲のMVを作ったことが話題になった「LIFE」は、「今の演奏は11秒。もっと速くできる。9秒ぐらいにできる」（KENJI RAZORS）と2回演奏した。そんなポップさもRAZORS EDGEの魅力の1つだろう。「俺達はここにガソリンをまくだけ。火をつけるのはおまえらです。よろしく！」（KENJI RAZORS）

エンディングに向けて、曲をたたみかけるバンドの勢いは衰えるどころか、逆にどんどん増していく。観客のダイブも止まらない。

「おもしろい年になってます。＜SATANIC CARNIVAL＞に出られたと思ったら、＜FUJI ROCK FESTIVAL＞にも出て、その帰りに富士山にも登るし、50歳の誕生日にワンマンもやるし」（KENJI RAZORS）

結成30周年を目前に控え、バンドは絶好調のようだ。今回の＜SATANIC CARNIVAL＞出演は、それを多くの人に知らしめるという意味でも大きな意義があったに違いない。

「おまえらが大好きな曲！　ぶちあがってくれ！」（KENJI RAZORS）と最後に披露したのは、「MORE SOUL FOR BEAT」。ステージに押し寄せるダイブの波にKENJI RAZORSがダイブ！　観客の頭の上で歌い続けるガッツを見せつけると、最後はそのまま「サンキュー！ありがとう！ありがとう！」と感謝の声を上げたのだった。


取材・文◎山口智男
撮影◎中河原理英