【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞coldrain、「死ぬまでこういう音楽を愛していこうぜ！」

5月25日から28日にかけて、約4年ぶりになるアジアツアーを敢行したばかりのcoldrain。筆者は5月26日のタイ・バンコク公演（with Paledusk、ANNALYNN）に足を運んだが、バンドの一挙手一投足に熱いリアクションを送る現地ファンの盛り上がりに感銘を受けた。もちろんどの国でやろうとも、coldrainは攻撃の手綱を緩めることはない。世界標準のラウドロックをブチかますだけだ。

◆ライブ写真

開口一番に「激しい音楽は好きですか？　今日は仲間しかいねえぞ、サタニック！」とMasato（Vo）は挨拶。パンク、ハードコア、ラウドロックをメインにしたフェス、つまり＜SATANIC CARNIVAL＞が自分たちのホームであることを前提に、ライブはエンジン全開で飛ばしまくる。「The Revelation」でショウの火蓋を切ると、観客も即座にヘドバンで応戦。スクリーンには英語詞が流れ、楽曲に感情移入できる演出も効果的でサビでは大合唱が広がった。やはり観客を味方に付けた彼らは鬼に金棒状態と言っていいだろう。



「今から30秒後の未来が見える。幕張メッセに丸が見える。回れ、サタニック！」と焚きつけ、「F.T.T.T」をプレイ。すると、会場のあちこちでサークルモッシュの輪が出来上がるカオスな盛り上がりを記録。しかもY.K.C（G）のギターソロではモッシュの輪はさらに加速していった。これはラウドの楽園だなと思っていたら、「PARADISE（Kill The Silence）」に繋ぐ流れには思わずニヤリ。ピンクやイエローの色鮮やかなライティング、近未来的なスクリーンも相まり、楽曲の高揚感を視覚方面からもサポート。それも手伝い、ひときわ大きなシンガロングが巻き起こっていた。

「やっと幕張で会えましたね、サタニック。楽しいフェスだけど、タイムテーブルを見たら35分……全部のフェスに言えるけど、ラウドを35分でやらせるな（笑）。短い。でも俺らにも短い曲が1曲ある」と告げ、58秒のショートチューン「Vena」が炸裂。ラウドのエキスを凝縮した攻め攻めのナンバーを放ち、緩急豊かな「FIRE IN THE SKY」へと繋ぐと、まだまだこれでは足りないとばかりにMasatoはウォールオブデスを要求。そこに「Cut Me」を差し込み、幕張メッセに巨大な円を作り上げ、観客は自由奔放に体をぶつけ合っていた。



「マジで楽しいな。15年以上バンドをやってきました。このラインナップで呼ばれなかったら、バンドをやめてもいいと思うくらい。死ぬまでこういう音楽を愛していこうぜ！」という前振りの後に「CALLING」をプレイ。15年間、音楽をバンドを信じて歩み続けたcoldrainのプライドを音に結実させた説得力は半端ではない。


「俺らは変わらず、お前たちを待っている。またどこかで交わろうぜ！」と言い残し、「Final Destination」を披露。不動のラスト曲と言えなくもないが、coldrainのルーツと言える洋楽ラウド／ニューメタルの普遍性を集結した曲調に、途轍もないカタルシスを感じずにはいられなかった。

取材・文◎荒金良介
撮影◎岸田哲平