【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS、明日へ繋がるエネルギー

大人の色気と少年のような快活さを兼ね備えるLOW IQ ICHI。今年は渡邊忍（ASPARAGUS）、安野勇汰（HAWAIIAN6）、山﨑聖之（fam／The Firewood Project／CONFVSE）という手練れのアーティストを引き連れ、LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUSとして登場した。

◆ライブ写真

右手で円を作り、左手の人差し指を立てる01ポーズでお出迎えするフロアに向かって、「やってきました、おじさんが」と戯けつつ、「今日は思いっきり、あ、ば、れ、ろーっ！」と叫ぶ01。この言葉が本当に聞きたかった。待ちに待っていたオーディエンスは当然の如く大歓声を上げ、キラキラとしたグッドメロディーと食らいつくすロックサウンドが共存した「Delusions of Grandeur」との相乗効果も素晴らしく、一気に会場が01色に染め上げられていく。



そして、ビートの効かせ方とメロディーの余韻が絶妙な「Starting Over」へ。ロックのダイナミズムを感じながら幸せに浸れる最高の時間だ。安野が体をしならせながら弾き倒せば、渡邉は軽やかにステップを踏みながら鳴らし、信頼度抜群な山﨑のドラミングも鉄壁。加えて、01の脇を固めるメンバーも本当に楽しそうにプレイしており、観ているこっちも勝手に顔がほころぶほど。

みんなで歓喜のパレードをしているような「Hangover Weekend」が奏でられ、自然と吸い寄せられると、なんと「WHAT’S BORDERLESS?」で向日葵を手にしたTOSHI-LOW(BRAHMAN)が登場。昨年の＜SATANIC CARNIVAL 2022＞にBRAHMANが出演した際、ゲストとして01が参加して「WHAT’S BORDERLESS?」をプレイしたことから今回は逆に、ということだがこれは嬉しいサプライズ。01とTOSHI-LOWによる贅沢すぎるハーモニーは格別だった。


少し間を空け、ここでTOSHI-LOWが、3人ではない3人組を素直に観れるのか、複雑な気持ちを抱えて本当は来るつもりがなかった、と胸の内を語りだす。だが、「現実っちゅうものを目に焼き付けなきゃいけない。いっちゃんもこうやって呼んでくれた。ホントに縁に感謝します」と話し、続けて01の気持ちを代弁するように「だからこそ、バンドは永遠じゃない。オレたちの人生もあなたの人生も永遠じゃない。だから、やりたいこと、やるべきこと、できるだけ早く自分の人生の中でやりきること。その為に今日できることは、今日1日を楽しむこと」とオーディエンスへ向かって呼びかける。素直にこぼされた気持ちは必ずやオーディエンスの心に深く響いたはずだ。

そのままTOSHI-LOWを加えた形で披露された「Snowman」ではフロアから数え切れないほどの両手と歌声が上がり、気持ちをよりひとつにし、4人に戻っての「So Easy」はイントロだけでも満足してしまうぐらい、極上のアンサンブルを見せつける。


最後はみんなが待ち望んでいた「Makin' Magic」で高らかに声を合わせてから、鉄板すぎるキラーチューン「Little Giant」でフィニッシュ。

すぐに切り替えることは誰にとっても難しい。だが、できる限り今にフォーカスを当て、その瞬間を楽しもうとする。それが明日へと繋がるのだ。少なくとも、このステージはとてつもない輝きで包み込み、前へ進む為に必要なエネルギーをもたらしてくれたに違いない。


取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎半田安政