【インタビュー】MOSHIMOが迎えた充実の季節「いいことを言おうとするんじゃなくて、人と向き合って仕事したり音楽を作る」

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■このライブを成功させれば、何年かかっても成功できるというメッセージにもなる

── MOSHIMOで世界平和。ここからは今後の予定を聞いていきます。秋にアルバムが出るんですよね?

一瀬:はい。9月に出すことは発表していて、着々と作ってますので、ぜひお楽しみに。

高島:お願いします。

一瀬:やりたいことをいっぱい詰め込んで、そのあとのツアー(10~12月<REVENGE & CHALLENGE>ツアー)に来てもらって、「MOSHIMOのライブに来て良かったな」と思ってほしいのと、12月26日にZepp Shinjukuでワンマンライブをやるんですけど、もともと2020年にやろうとしていたものが流れちゃって、そのリベンジをします。僕らがこのライブを成功させれば、一回駄目だったとしても何年かかっても成功できるというメッセージにもなると思うので、ぜひ全国いろんなところから来て応援してほしいなと思います。



岩淵:…正直不安です(笑)。Zeppはバンド人生の中では特別なステージじゃないですか。特別な演出も含めて、いつも通りにはないことをやりたいなとは思うんですよ。予算も含めてちゃんと考えて、それを表現できるライブにしたいです。というか、そういうツアーにしたいです。Zeppが終わったらちょっと落ち着いて、また上に上がるように作っていくと思うんですけど、リリース頻度も上げたいし、もうちょっとしっかり考えて丁寧に活動できる期間にしたいなというのがありますね。今やってるツアーも含めて、ライブの本数が増えたことで、前の自分が戻ってきたというか。バタバタしてるけど、生き生きしてるんで。この感覚をちゃんと取り戻して次のツアーに繋げたいです。

高島:最近よく思うんですけど、会場のサイズにかかわらず、一人一人にちゃんと届けないといけないなという気持ちが芽生えてきていて。それはコロナ禍で、お客さんが全然入ってませんでしたという時に、手を抜くとか、テンションが下がるとかは、プロとしてどうなんだ?って考えたことが、きっかけにはなっていると思います。一人一人を楽しませたいし、そのための自分がやれるベストを尽くすだけです。<REVENGE & CHALLENGE>と言ってるだけのことはあるんで、みんなの期待以上のことは絶対しないといけないし、そこは自分に対してチャレンジしてるかなって思いますね。

── チャレンジは自分に対しての意味でもある。楽しみです。次のツアーもサポートベースは岡田典之さんですよね。

一瀬:はい。予定が合うところは基本、岡田さんに出てもらいます。岡田さんは、空想委員会がいろいろ大変な中で、MOSHIMOの活動をすごく楽しんでくださってるので。昨日も朝からテレビ収録があって、そのあとミュージックビデオの撮影があって、「岡田さん、出ます?」って言ったら出てくれて、そのあとラジオの収録があったんですけど、「せっかく一緒にいるから出ますか」「出たい」ということで出てくれました(笑)。

── いい関係ですね。

高島:演奏うんぬんの前に、本当にいい人なんで。普通にしゃべってて楽しい、そのままのテンションでステージに上がってるので。楽しいですね。



── みなさんぜひ、アルバムとツアー、そして年末のZepp Shinjukuをお楽しみに。あと、そうだ、この話もしておきましょう。9月29日の豊洲PITで、<Spitz × VINTAGE ROCK std. presents 「豊洲サンセット 2023」>出演決定!です。これも楽しみじゃないですか。

岩淵:いや、もう楽しみとかいうレベルじゃないです。私、スピッツが好きでバンドを始めたので。4月にお話をいただいた時に、最初にメールが来て、「お、おう」みたいな感じで、3時間ぐらいぼーっとしたあと、3時間後に涙が止まらなくなって、生きててこんなに嬉しいことってあるんだ!って思いました。会社をどうしようかとか、バンド活動をどうしようとか、いっぱい迷ってたんですけど、全部飛びました。いい時も苦しい時も、スピッツの音楽に支えられてきて、今もやることは多いし、体的にしんどいこともあったけど、全部の悩みをふっ飛ばしてくれたんで、スピッツってすごいなと思いました。今までのバンド活動で一番嬉しくて楽しみです。

── 長く活動してきて、今もそういうふうに思えるのが凄いし、MOSHIMOを聴いて同じ気持ちになる人がいることも、素晴らしいと思います。元気をもらったり、与えたり。

岩淵:「少年少女」(EP『恋のディスマッチン』2曲目)も、今の自分だから書けたというのがあるんですね。ずっと活動してきて、独立して会社を作って、いろんなことがあった中で、失敗したなと思うこともあったんですけど、周りが助けてくれたり向き合ってくれたから、今の自分たちがいると思うので。MOSHIMOとして活動を止めずに、ちっちゃい成功を積み重ねて大きなものにしていくのも大事だなと思うし、会社としても恩返しの出来る人間になりたいなというのがあって作ったのが、「少年少女」です。逆に、若手が何か失敗した時も助けてあげられる人になりたいし、一瀬も私も同じ気持ちだと思うんですけど、今の環境があったから素直に書けたかなと思います。その気持ちを忘れずに持って、走り続けようと思います。

── 素晴らしい。


岩淵:いいことを言おうとするんじゃなくて、人と人と向き合って仕事したり、音楽を作ったり、この3年間で自分が感じたことをそのまま書いてます。逆に、意地悪されたことも全部覚えてます。デスノートじゃないけど。

── あはは。そこはチャラにはならない。

岩淵:でも私は、そこは絶対にやり返さない。めんどくさい。相手にしたくない。それがロック精神というか、「おまえの顔は一度も忘れてねーし、やられたことは全部覚えてるぞ」って思うから、歌詞にもするし、MCでも言うけど、それはちゃんとロックバンドとして消化して終わろうかなと思います。

高島:テイラー・スウィフトと一緒だよね。元カレにされた嫌なことを歌詞にしまくるという。日本のテイラー・スウィフト。

岩淵:いやー、それはまだ知名度が足りてないから駄目だ(笑)。でも嬉しいですね、社会と戦うことがあるから。満たされちゃうと書けなくなっちゃうし、別に幸せだからいいじゃんで終わっちゃうけど、「コンニャロー!」と思う時が、生きてるとあるから、「あ、良かった、まだバンドやれるぜ!」って思う。でも、助けてくれた人にはちゃんと恩返しできるように、人として成長して、世の中を回せるイチ人間ではいたいなと思います。

取材・文:宮本英夫

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■リリース情報

配信EP『恋のディスマッチン』
2023/05/31 (Wed) RELEASE
収録曲
1.恋のディスマッチン
2.少年少女
3.CURRY LIFE
4.ね。バイバイ

■ツアー情報

<魂のスピリットスプリットツアー>
2023/06/09 (Fri) 仙台LIVE HOUSE enn 3rd
2023/06/10 (Sat) 金沢 vanvanV4
2023/06/17 (Sat) 広島4.14
2023/06/18 (Sun) 福岡Queblick
2023/06/25 (Sun) 札幌SOUND CRUE
2023/07/12 (Wed) 大阪 心斎橋ANIMA
2023/07/13 (Thu) 名古屋HeartLand
2023/07/17 (Mon) 下北沢SHELTER

<REVENGE & CHALLENGE>
2023/10/14 (Sat) 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGELIVE
2023/10/15 (Sun) 仙台LIVE HOUSE enn 3rd
2023/11/03 (Fri) 福岡BEAT STATIONLIVE
2023/11/04 (Sat) 名古屋ell.SIZE
2023/11/19 (Sun) 大阪 阿倍野ROCKTOWN
2023/11/25 (Sat) 札幌SPiCE
2023/12/26 (Tue) 東京 Zepp Shinjuku

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