【インタビュー】蒼井翔太、「さぁここからはどんな目的地に行こうか!」

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▪️もっとダイナミックなライブをやっていけたら

──あと、ダンサーの方々も出演されていて、蒼井さんもかなり踊られていますが、ダンスの稽古はどれぐらいするんですか?

蒼井:ダンスはツアーのリハーサルが始まってからしかやらないです。元々ダンスは好きでしたけど、見様見真似でやっていたぐらいで特に習ったことはないのですが、リハーサルが始まってからは、まずこれまでの曲を振り返って、新しい振付があったらそこで覚えて……という感じですね。

──結構パっと覚えられるんですね。

蒼井:僕は新曲は必ず1時間で覚えます。



──1時間で!?

蒼井:10分だけ超えちゃったことはあるんですけど。

──その10分は、たったの10分ですよ。物事を覚えるのは全般的に早いんですか? たとえば歌詞とか。

蒼井:歌詞はなかなか覚えられないんですよねぇ……(苦笑)。あと、自分が昨日何を話していたのかとかも……。

──(笑)。得意不得意がありますからね。ダンスにこういう振りを入れたいというオーダーをされたりとかは?

蒼井:時々します。曲を聴いて、好きなフレーズがあったりすると、勝手にその振りが頭の中に出てきてしまうので、それは入れていただきたいですというのをお伝えして、あとはお願いするという。今回であれば「PSYCHO:LOGY」は、すべて自分がやりたいことを演出させていただきました。

──ダンサーの方々が蒼井さんを囲むシーンがありましたが、あれもご自身で?

蒼井:そうです。

──あのダンスめっちゃかっこよかったです。

蒼井:よかったです! 奇妙だったでしょ?

──だいぶ奇妙でした(笑)。

蒼井:奇妙さを出すのが、僕があの楽曲で一番やりたかったことなんです。ちょっと人間っぽさをなくすというか。

──壊れた人形みたいな雰囲気があって。

蒼井:そうそう! もう人間ではないという。でも、中心で歌っている蒼井翔太のことを、何かしら崇拝しているのか何なのか。観ていて不思議だなと思える空間を作りたかったので、そう言っていただけてよかったです。


──あと、あの曲こそ「この人の喉のチャンネルどうなってるんだろう……」ですよ。

蒼井:不思議ですねぇ……自分でも(笑)。

──(笑)ご自身でもそう思われます?

蒼井:はい。いきなり声楽的なオペラ調の歌い方をするので、声がかすれたらどうしようっていう不安はよぎるんですよ。でも、不思議なもので、本番になると限りなく自分の中から声が出てくるんです。

──湧き出てくるものがあると。ダブルアンコールの「君のとなりで」を歌っていらっしゃるときに感極まる場面もありましたが、それこそまさに感謝という気持ちが心から湧き出てくる中での歌唱だったんでしょうか。

蒼井:「君のとなりで」は、蒼井翔太になって初めて作詞作曲をさせていただいた楽曲でもあり、そのときから今の今までこの歌詞を思い続けて生きているというか。今月で(アーティストデビュー)10周年になるんですけど、自分が初めて作った曲を10年歌い続けることができる、10年前と同じ思いでいさせていただけるというのは、やっぱりすごくありがたいなと思うんですよ。だから「君のとなりで」という楽曲であり、“君のとなりで”という言葉を、この先いつまでも大事にし続けていけたらいいなと思っていて。そのためには試練や壁もあると思うし、それを思うとすごく不安だけれど、それでも毎回壁や不安というものの前に立ったとき、その横で背中を押してくれたのは、変わらずにみんなの存在だったなって。そう思うと、やっぱり感極まってきちゃいますよね。

──曲に入り始めた辺りから、もうかなりきてましたよね。

蒼井:ライブの最後にこういった思いを伝えるバラードを歌っているときって、蒼井翔太以前の、僕個人というか、この世に生を受けた僕自身がそのまま歌っているように見えるんですよね。歌っている瞬間はとにかく必死で、この気持ちを伝えようと思いながら歌っているんですけど、映像を観返してみると、あの瞬間が一番恥ずかしくて。

──素の自分が出ているという。

蒼井:はい。自分でライブを見返すと、ちょっと不安になるんですよ。「頑張れ……!」とか「ちゃんと歌えよ……!」って。きっとこれはどのライブもそうだと思うので、もしまだライブを観ていない方、観ても気付いていなかった方は、そう思いながら観ていただけると、また新しい感じ方があるかもしれないです。

──歌っているときに一瞬涙で詰まりそうになった後、一気に盛り返していたんですよね。お話を聞いていて、泣き崩れそうになっている素の蒼井翔太から、ステージに立っている蒼井翔太が強く出てきたというか。そんなイメージを持ったのですが、実際にあの瞬間は、とにかく泣き崩れたらダメだと思っていたと。

蒼井:伝えなきゃって思ってましたね。自分が今一番伝えたいことをここで伝えなきゃって。しかもそこが一番伝えたかった部分でもあるから、言葉だけでも届けなきゃっていう思いで歌っていました。そうしなければ、何のためにこのツアーをやってきたんだっていうことになりますからね。


──先ほど「奥に孤独が見える」というお話がありましたが、「君のとなりで」は、それこそ孤独なシーンから曲が始まりますよね。最初に作った曲なのもあって、心の奥底にあるものがより色濃く出たところもあったんでしょうか。

蒼井:そうかもしれないですね。なんか……やっぱり感慨深いですよ。「君のとなりで」はデビューミニアルバムの「ブルーバード」に入っていた曲で、すごく先のことを見据えていたわけではないんですけど、どれだけ時が経っても変わることがない思いを書けたことは、自分でも不思議だなと思います。

──ちなみにですけど、ツアー初日として行なわれた約6年振りの地元・福井での凱旋公演は、それこそ素の部分がいつもより出たりしたんですか?

蒼井:逆に地元はよそ行きです(笑)。

──ははは!(笑)

蒼井:そこは絶対に照れ隠しでしょうね(笑)。なんか一番装っていたかも。

──初日の緊張もあったでしょうし。

蒼井:そうですね。そこもあるだろうし、多少緊張している中でも素が出ていたところもあると思いますけど……やっぱり凱旋なのでめちゃくちゃ嬉しいんですよ。自分が成人式をした会場でもあるので、すごく思い出深い場所ですし。でも、めちゃくちゃ照れる。なんか、親戚に年の近い子が何人もいて、正月にみんな集まるんですよ。でも、普段なかなか会わないから小っ恥ずかしいみたいな。だから、正月の親戚なんです、凱旋ライブって。

──なるほど(笑)。

蒼井:だからすごく照れるんですよ。おばあちゃんとかにね、「この子は歌が好きでね、上手なんだよ。みんなの前で歌ってらっしゃいよ」って言われて歌っているみたいな感じ。もうこんな感じで(と言って、肩をすぼめてマイクを両手で握る動きをする)。

──ちょっとモジモジしながら(笑)。

蒼井:そうそう(笑)。でも、やっぱりすごく嬉しかったです。地元って身近ですから。


──ツアーを完走したことで得られたもの、改めて感じたものというと、やはり「感謝」になりますか?

蒼井:感謝は改めて強く思いましたね。その気持ちをとにかく伝えるツアーを終えることができて、さぁここからはどんな目的地に行こうか!みたいな。どんな大海原を航海していこうかというワクワクが出てきました。

──6年振りとなる3rdアルバムの制作も発表されましたが、「変わらず変わる」が座右の銘でもありますし、かなりいろんなことをしてくれそうな感じがしますね。

蒼井:そういうふうにワクワクしていただけると、こちらも作り甲斐があります。アルバムの制作はここから本格的に入るんですけど、もうすでにプロデューサーとこういう楽曲を作りたいというお話はしていて。あと、10周年というのは1つの区切りではありますが、まだまだ進みたいという思いなので、そこまでかしこまらず、「変わらず変わる」ということは変えずに、みなさんに楽しんでいだける最高のアルバムをまた作りたいと思っています。

──蒼井さんってかなりストイックな方だと思うんですが、たとえばご自身が理想としている蒼井翔太という像があって、そこに行こうとしているのか。そもそも蒼井さんがそういう人間なのか。どういう意識の中で蒼井翔太というものを作り上げているんですか?

蒼井:自分がストイックかどうかはわからないですが、なりたい自分というものが常日頃からリアルタイムで進化しているんですよ。でも、それは僕に限らず、みなさんそうだと思うんです、なりたい自分というのがあるというのは。その中で時間が進んでいって、周りが進化していると焦ったりもすると思うし。僕としても、いろんなアーティストさんを見ていて、いい意味で嫉妬もするし、でもそれがパワーにもなる。もちろん言っていただいたように「なりたい自分の理想像」はしっかりあるんです。でも、それが自然と更新されていくからこそ、なりたい自分になりたいという気持ちをずっと持ち続けられるし、ずっと進み続けていけるのかもしれないですね。

──ここからまたさらにパワーアップを続けていく蒼井さんの、これからの活動が楽しみですね。

蒼井:今はニヤニヤが止まらないですよ(笑)。やりたいことがたくさんありすぎて。

──たとえば何がやりたいです?

蒼井:やっぱりもっとライブがしたいですね。観ていただいた方に驚いていただけるようなパフォーマンスとか、ギミックに挑戦していきたいなと思っているんです。そのためには、周りのスタッフのみなさんからの信頼を得ていないといけないんですよね。たくさん話し合って、もっとダイナミックなライブをやっていけたらなと考えてはいます。

──どんどん挑戦していこうと。

蒼井:はい。やっぱり歳をとっていくと難しくなっていくことのほうが多くなってきますから。でも、その上で続けていくこと、進化していくことがエンターテイメントというか、パフォーマーだと思うので。そこで衰退していかないように、周りに置いていかれないように、「年々パワフルになっているよね」って思っていただけるような進化をしていきたいなと思っています。

取材・文◎山口哲生
撮影◎いわなびとん
ヘアメイク◎高橋 忍
スタイリスト◎石山貴文

アクセサリー協力
VERMILLION (問)ヴァンドームヤマダ (TEL)03-3470-4061

ライブBlu-ray「蒼井翔太 LIVE 2023 WONDER lab. Garden」

2023年6月28日(水)発売
KIXM-545 ¥8,800(税抜価格¥8,000)
※初回製造分のみ スペシャルBOX仕様、別冊フォトブック(28P予定)

[収録内容]
蒼井翔太 LIVE 2023 WONDER lab. Garden
2023年2月18日(土) 両国国技館
01.Virginal
02.Stay With Me!!
03.INVERTED
MC
04.ずっと…
05.秘密のクチヅケ
06.UNLIMITED
ダンサーコーナー
07.哀唄
08.HEAVEN!
09.Melodia
MC
10.MURASAKI
11.零
ダンサーコーナー
12.PSYCHO:LOGY
MC
13.BAD END
14.Existence
15.I am
MC
16.Key to My Heart
17.flower
【ENCORE】
18.Harmony
19.give me ♡ me
MC
20.Baby Steady Go!!
【W ENCORE】
21.君のとなりで

〈映像特典〉
SHOUTA AOI LIVE DOCUMENTARY 〜make a Garden〜

予約リンク:https://shouta-aoi.lnk.to/wonderlab_garden_Blu-ray

『蒼井翔太デビュー10周年記念&ライブBu-ray発売記念生配信』

配信日時:2023年6月29日(木)20:00〜
配信URL:https://youtube.com/live/F4K4U0UuyWs

『YouTube live 蒼井翔太バースデー記念生配信』

配信日時:2023年8月11日(金)20:00〜
※配信は誰でも視聴可能
※視聴URLは後日告知予定

配信内でライブBlu-ray『蒼井翔太 LIVE 2023 WONDER lab. Garden』発売記念大抽選会を開催
対象店舗で期間内に購入した方を対象に、商品受け渡し時に「大抽選会応募用シリアルナンバー」が記載された応募用紙をBlu-ray1枚につき1枚配布
詳細:https://www.shouta-aoi.jp/news/?id=1040

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