【速レポ】<京都大作戦2023>ACIDMAN、「この素晴らしいフェス、ずっと続けているのは本当にすごい」

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SE「最後の国」が流れると、会場には観客が掲げるタオルがはためく、これから登場するACIDMANのタオルはもちろん<京都大作戦>のタオルの他に、昨年5年ぶりに出身地である埼玉県で開催したACIDMAN主催フェス<SAI>のタオルも多く目につく(同イベントには10-FEETも出演)。バンドTシャツやタオルなどを見ると様々なバンドのファンが集まっていることを感じるが、同時に各地からここ京都に足を運んでいるんだなというのもわかる。

◆<京都大作戦2023> 画像

SEの時点で観客の熱量が高かったが、それは今回がACIDMANにとって過去の<京都大作戦>出演歴の中でもリベンジとなるステージだからだろう。その訳を、ライブ後半で大木伸夫(Vo, G)はMCで語った。

「昨年僕はコロナになってしまって、大事な<京都大作戦>に大穴を開けてしまいまして。代わりにROTTENGRAFFTYが僕たちの穴を埋めてくれました。改めて、ROTTENGRAFFTY本当にありがとうございます。そしてそんな迷惑をかけたにもかかわらず、“今年リベンジだ”って言って誘ってくれた10-FEET、本当にありがとうございます」──大木伸夫

観客が大きな歓声で迎えたステージは、浦山一悟(Dr)の「ワン、ツー、スリー、フォー!」の掛け声から、佐藤雅俊(B)の硬質なベースのフレーズでスタートする「造花が笑う」で幕を開けた。ここから、ACIDMANの曲の中でもスピード感がある、アグレッシヴな曲を間髪入れずに連投していくのだが、そのアンサンブルはグッと引き締まっていて、かつ力のあるものになっている。



現在、発売から20年を経た2ndアルバム『Loop』の再現ツアー <ACIDMAN 2nd ALBUM Loop再現 TOUR “re:Loop”>の真っ最中ということも大きいだろう。続く「アイソトープ」はライブの定番だが、『Loop』収録曲でもあり、この回のツアーに向けてさらに磨きがかけられた。観客のシンガロングも交え、野外という大きな空間に滑らかに伸びていくグルーヴが爽快だ。快晴の空に向かって放たれる歌の気持ち良さに、ドラムを叩く浦山の顔にも笑顔が見える。

さらに佐藤が頭上で手を叩き観客の手拍子を促してスタートしたのは、「夜のために」。ミニマムな単音のギターから、サビで勢い良く轟音がバーストし、観客も大きく跳ね上がる。この勢いも音量もボリュームを上げて、「ある証明」では「それぞれの感情を思い切りぶつけろ!」と大木が叫び、ロングトーンのシャウトでもって観客の叫ぶ思いと一緒に青空に昇華する。分厚いバンド・アンサンブルに、高くコブシを突き上げる瞬間だ。




「僕は宇宙が好きで、宇宙バカなもので宇宙のことをいうといろんな人にくすくす笑われながら、変な人だなとか、宗教みたいとか言われながらも、ずーっと言い続けてきました。この世界にはとんでもない星の数があって、僕らなんて本当に小さいんだけど、その小さなひとつひとつが僕たち自身が宇宙の一部で。僕たちの体が宇宙からできていると考えれば、この日々のしんどさつらさが、小さくなるわけじゃないけど、なんだ宇宙と一緒なんじゃんって少しでもわかってくれたら、もっと世界は豊かになるんじゃないかなって思って。そんな思いで作ったのが『ALMA』という楽曲で」と、大木は次に演奏する「ALMA」について語る。

そして2010年に書かれたこの曲が今年、日本で開催される天文学の国際会議“APRIM2023”のテーマソングに決定したことを告げた。45年間開催してきて初めてテーマソングが設定されたそうだ。「すごくない? 本当にありがたい。世界中の天文学のトップや宇宙マニアたちがこの『ALMA』を聴くんです。やばない? なので夏フェスのこの時間帯にはふさわしくないけど、唯一ACIDMANはバラード枠で呼んでもらってますので、聴いてください」と、大きな拍手がわくなかで、「ALMA」の静謐なイントロを奏でる。5分ほどの曲だが、その時間のなかに壮大な物語が織り込まれた美しく重厚な曲が、この真昼の太陽が丘で編み上げられていくのは、とてもファンタジックだ。


本当は「ALMA」でステージを締めくくろうと考えていたようだが、最後に10-FEETへの感謝を改めて伝えた大木は、言葉では気持ちを伝えきれないので、とギターをかき鳴らす。

「10-FEETとは同期で、同じ3ピースで、いろんな音楽のシーンの移り変わりを一緒に乗り越えてきて、嫌なときもつらいときも笑い合いながら励まし合いながらやってきました。10-FEET、そしてこの素晴らしいフェス、ずっと続けているのは本当にすごいと思います」と語った大木がゆったりと歌い出したのは、10-FEETの「RIVER」。時間も短いのでサビを中心としたショートバージョンではあったが、途中舞台袖からTAKUMAが登場して一緒に歌い、高揚感たっぷりにリベンジとなったステージを締めくくった。



ステージの去り際、浦山はKOUICHIのお面をつけて(これがなかなかにリアルで逆に怖いのだが)、ご本人登場で一緒に写真を撮ったり、クールなだけでなくお茶目なところも見せてくれたライブだった。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎HayachiN/Yukihide"JON..."Takimoto

セットリスト

SE. 最後の国
1. 造花が笑う
2. アイソトープ
3. 夜のために
4. ある証明
5. ALMA
6. RIVER

■10-FEET主催<京都大作戦 2023 〜今年は可能な限り全フェスに参加してくだ祭!〜>

7月1日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月2日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
open9:30 / start11:00 ※20:00終演予定
〒611-0031 京都府宇治市広野町八軒屋谷1
●出演者 ※50音順●
▼7月1日(土)
【源氏ノ舞台】クリープハイプ / Ken Yokoyama / dustbox / 10-FEET / Fear, and Loathing in Las Vegas / 04 Limited Sazabys / ヤバイTシャツ屋さん / ROTTENGRAFFTY
【牛若ノ舞台】ANARCHY / Wienners / かずき山盛り / KUZIRA / 東狂アルゴリズム / バックドロップシンデレラ / FOMARE
▼7月2日(日)
【源氏ノ舞台】ACIDMAN / ORANGE RANGE / go!go!vanillas / coldrain / 10-FEET / Dragon Ash / マキシマム ザ ホルモン / WANIMA
【牛若ノ舞台】a crowd of rebellion / ammo / ENTH / おとぼけビ~バ~ / w.o.d. / NUBO / Hakubi
▼両日開催
【鞍馬ノ間】※7月2日の出場チームはトーナメント結果による
EGOLA / 大阪籠球会 / TEAM-S / TEAM NICK / TEAM Happy FROM SOMECITY OSAKA / TEAM FUKUOKA / TEAM Lucky FROM SOMECITY OSAKA / ちきゅう
※アーティストは都合により変更になる場合がございます。その際、チケット代金の払い戻しは実施されません。
▼チケット ※Sold Out
【通常札】
・1日券 8,800円(税込)
・2日通し券 17,600円(税込)
【童札(わらべふだ)】
・1日券 3,300円(税込)
・2日通し券 6,600円(税込)
※童札は、2023年7月時点で小学生(生年月日が2011年4月2日〜2017年4月1日)の方が申込み可能。必ず大人の方(通常札購入者)と一緒に来場してください。童札のみでの入場はできません。


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