【俺の楽器・私の愛機】1370「素晴らしい旅をさせてくれた出戻りベース」

【DINGWALL/SUPER J5(SJJ5)】（東京都　人類は10進法を採用しました　37歳）


オークションサイトで見かけた途端「買わなきゃいけない！」と使命感を感じ、そのまま入札1件で無事落札できたベース。

ファンフレットの見た目から、どうせ色物なんだろうと思い期待せずの音出しで度肝を抜かれました。素晴らしい音色、選択肢が少ないようでいて実は最適なコントロール、効きが素晴らしいEQ(よく効く、というだけでなく、感覚と変化量がぴったり一致)、何分でも鳴り続けるサスティーン。よく見ると木を贅沢に選んで使ってると思われる、さりげない杢目の主張。圧倒的に弾きやすいネックシェイプ、その上ファンフレットは予想に反して全く弾きづらくない。非の打ちどころがないベースって存在するんだ！と感動。

スタジオに持ち込めばバンドアンサンブルの中でもちょうど良く鳴ってくれて、アン直が多い自分でも、試しにエフェクターを使うと素の音とエフェクターの音の良いところが引き出されあったような素晴らしい音にまた感動。こんなに気持ち良く演奏できるベースは他にないと確信。

楽器としての性能だけでなく、細かいところに拘った、徹底したユーザフレンドリーさも魅力的。ブリッジの駒はネジのため高さ調整が容易。ストラップピンはロックピンにもなるもの。電池ボックスはマグネットタイプのため取り外しが容易。～35インチのスケールのため、他のDINGWALLと違い、弦の選択肢の幅が広くて好きな弦を使えるのも良い点。

そこまで気に入っていた本機ですが、ある日思い立って、機材一掃してFenderカスタムショップのJB・PBの2台オンリーへの買い替えをすることに。以来、何年も恋しい想いに囚われたままでしたが、委託販売に出されているのを発見。最初の購入金額プラス30万円と高額でしたが迷わず購入し、再会を果たしました。

このベースをはじめ愛機を売った資金で、ハイエンド系を買っては売り、買っては売りをしました。Fenderマスタービルドやカスタムショップ・ヴィンテージ・FODERA、Sadowsky NYC等、人生で所有することになるとは思わなかった多数のベースとの出会いと別れを経験し、多くのことを学びました。

手放して寂しい期間が長かったですが、おかげで得られた経験も、深まった愛着も、何物にも代え難いものを手に入れられました。





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いやー、この記事を見てディングウォールが俄然欲しくなっちゃった人、爆増えしているだろうなあ。ベーシストじゃない自分でさえ猛烈に欲しくなっちゃったもの。最初の期待値が低かった分、それだけ喜びも大きかったのでしょうけど、基本性能の高さが極上なことは十二分に伝わった。自分の操作と出音がリニアに一致するというのもある種の奇跡ですからね。それにしても一度手放さないと再確認できないこともあるわけで、やはり買い戻したという結末が、最愛の伴侶であったことを物語ります。これまでのベース遍歴のお話を聞いてみたいなあ。（JMN統括編集長 烏丸）



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