【インタビュー】マイケル・ボルトン、新作『Spark Of Light』リリース。全人類に向けポジティブを提唱

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孤高のベテランシンガー、マイケル・ボルトンが、前作アルバム『One World One Love』から14年という月日を経て、ニューアルバム『Spark Of Light』をリリースする(日本では7月14日よりデジタル配信)。コロナ渦で人類が体験をした経験を、マイケル・ボルトンはポジティブな方向へと変換。揺るぎないものとなった心意気が、歌詞となり、メロディとなり、美しい歌声とともにアルバムに託されて全世界へ披露される。

◆「Beautiful World」MV

今作ではジャスティン・ジェッソなど若手から、往年のベテラン・シンガーや音楽プロデューサーをフィーチャリングに交えながら、作詞、作曲、プロデュースをすべてマイケル・ボルトン自身が担当。前向きなメッセージが詰まった、やり切った感のある、これまで以上に最高な1枚に仕上がったのではないだろうか。

   ◆   ◆   ◆

◾️パンデミックを通じて生まれたポシティヴなエネルギー

──約14年ぶりとなる新作『Spark Of Light』のリリースおめでとうございます。今のお気持ちをお聞かせください。

マイケル・ボルトン:パンデミック最中にスタジオに戻り曲を制作をして、素晴らしいアルバムをリリースすることができた。ツアーも始まり、良い時間を過ごせているよ。アルバム『Spark Of Light』にかけた情熱とメッセージは、ものすごくポジティブなものだ。どのような内容のアルバムを人々に届けようかと考えた時、すべて人々の身に起きた大きな問題にスポットの光を当て、人類がよりより良い方向へ向かえることができるよう。それに対して、責任を持ち制作をした。世界はこの数年のパンデミック時期を経て、よりポジティブなエネルギーを持ち合わせ次へ向かう準備をしている。

──すべての曲をコロナ渦の中で制作したのですか?

マイケル・ボルトン:新たに全曲制作をした。今回は詞のライティング、曲のプロデュース、レコーディング、そしてツアーまで自分で舵を取り行っている。制作に関してはフレッシュで新しいフレイバーを感じるプロデューサーやシンガーを招いて、制作中はとても忙しかったけれど、実にエキサイティングで充実した日々を送ることができた。自分自身の表現をできる限り盛り込んだ内容にすることができたし、これが私のユニバースなんだよ。


──フィーチャリングアーティストはどのような基準で選んでいったのですか?

マイケル・ボルトン:フィーチャリングアーティストたちのほとんどが、私のマネージャーであるクリスティーナが紹介をしてくれたんだ。彼女は仕事柄、音楽産業の中でも顔が広く、何が今起きているのかを把握しているから、それをいつも私に教えてくれるんだ。歌詞を書くならばこの人がいい、曲をプロデュースするならこの人がいいという具合にね。おかげさまで私は素晴らしいコンディションのアーティストに出会うことができて、良い時間を費やすことができた。レコーディングを経て、今はみな良い友達になったよ。歌詞を書くにしても、曲をプロデュースするにしても、素晴らしい才能を持った人たちと一緒に仕事をして何かを制作するということは、自分自身が1人の人間として進化する過程において、宝のように素晴らしく感謝するべきことだと感じている。皆のその気持ちが、このプロジェクトをひとつのチームとして成功へと導いたとも言えるね。

──若い世代と一緒に仕事をすることで感じることはありますか?

マイケル・ボルトン:若い世代と仕事をするのが好きだ。詞を書く人たちには、彼らの好きな方向のことを書いてもらった。中には一緒に座って歌詞を考えたり、曲を考えたりした人たちもいたよ。誰かがアイデアを出すとタイトルを考え、そしてひとつのグループに対してどのような方向で行くか4~5つのキーワードを与え、そして種を蒔く。社会にいる人々の感情をどのように持っていくかを考えることは重要で、各々の曲に良い目標があればリーチすることができる。だから若いシンガーソングライターたちは、そのプロセスを大切にしているよね。そしてお互い心地よい状況でできるように。

──前向きに心を開いて対応したのですね。

マイケル・ボルトン:そうだよ。彼らは僕や、僕のプロダクションに関して、テクノロジーを駆使して臨んでくれた。テクノロジーが詞を書くのにも、コーラスなどのレコーディングをするにも、曲を制作するプロセスをさらに向上させてくれたことは確かだ。ともかくチームでプロセスを踏んで制作することができたし、一緒に仕事をしていて、彼らが私の価値を重んじてくれたことや、柔軟性を感じることができた。とても感謝しているし、ひょっとしたらこの50年間この仕事をしてきて感謝の気持ちを一番強く感じたかもしれない。


──思い出深いエピソードがあれば教えてください。

マイケル・ボルトン :たくさんあって、どの瞬間も思い出深いよ。体験したことをすべて楽しんだと思う。その日に経験したことを胸に、家に戻ってから頭の中にあるメロディに乗せて歌ったり、ビートに合わせ詞をタップしたりと、制作過程においてはそんな感じでクリエイティブを待っていた感じだから、すべてが思い出深い。だけど最初はなかなかタフな始まり方だったんだよ。何故なら僕と仕事をするのが初めてだった人もいたしね。だけど最後には笑顔になれた。

──「Beautiful World」が、6月にシングルでリリースされましたが、この曲はどのような内容ですか?

マイケル・ボルトン:コロナ渦で、私たちは1日1日がわからない日々を過ごしてきた。良いニュースも悪いニュースもテレビで知り、これまで以上に日々の生活がより良くなるように願ってきた。私たちの生活はこれまでのように戻りつつあるけれど、その一方でサザンカリフォルニアの税が値上がりするなど、私たちは常にプレッシャーとともに生きているんだ。我々はコロナを通じてこれまでになかった人類の経験をした。その人生の経験をどう素晴らしいものにしていくか。この曲の歌詞をジャスティン・ジャスと一緒に書いていた時、彼とは人々の生活が快方に向かっていることを感じながら詞を書いたんだ。



──コロナ渦で人と会えない状況の中でどのように制作をしていったのですか。

マイケル・ボルトン:私自身はできる限りスタジオに足を運び、そして ZOOMで話をしながら歌詞を考えていったんだ。テクノロジーが安心と確信を与えてくれ、我々の未来を助けてくれた。そして私はマインドセットを、ネガティブなエナジーをポシティブなエナジーへと変えることに成功した。そのことはコロナ禍を経て、これから私の人生の中でやり続けていきたいことでもあるんだ。

──これからの人生を。

マイケル・ボルトン:ポシティブなマインドで過ごしていきたいということだよね。それが人生を通じて私がやり遂げたいことだ。


──コロナがあなたにポジティブなエナジーを与えたということですね。

マイケル・ボルトン:とても妙な道なんだけどね。ネガティブな出来事から影響を受けたことがポシティブへと変わった。それを感じさせてくれたヒーローは、毎日リスクにさらされながら最前線で活動していた医療関係者たち。彼らは人間の誇りであり、人間は素晴らしい存在だということを証明してくれた。私はその歴史の裏側を歌詞に託したんだよ。

──なぜ、このアルバムのタイトルを『Spark Of Light』(光の輝き)にしたのですか?

マイケル・ボルトン:人生を変えることに対して、少しでも明かりを灯していけたらという願いから。

──現在、70歳とお聞きしています。どのようにその美声を保っているのですか。

マイケル・ボルトン:私は何年も前にイタリアのテノール歌手、ルチアーノ・パヴァロッティを招いて彼の故郷であるイタリアのモデアでともにステージに立ったことがあるんだ(1995)。その時は我々は「Vesti la giubba」、「Nessun Dorma」を歌ったのだけど、その時に歌というものをどのように歌うかを彼から学んだんだ。その教えを真剣に捉え、今も実践しているんだ。シンガーとして歌い続けること、大好きなツアーをし続けるには、彼の教えは非常に重要で、私のキャリアの中でも後になって大いに必要になっている。パヴァロッティはイタリアン方式で、どのように歌い続けることができるかを教えてくれたんだよ。

──なるほど。ずっとその歌声を聴いていたいです。最後に日本のファンへメッセージを頂けますでしょうか。

マイケル・ボルトン:新しいアルバムに興味を持ってくれて、私に注目をしてくれてありがとう。曲を聴いてもらい、そして日本へ行けることを心から望んでいるよ。このアルバムのプロモーションはこの先数ヶ月は続く予定だから、来年の初頭から始まるツアーで行けたら良いね。

──ちなみに日本は好きですか? ぜひツアーで来て欲しいです。

マイケル・ボルトン:大好きだよ。ほとんどを東京で過ごすことが多いけど、いつも楽しい時間を過ごさせてもらっている。だからまた日本でパフォーマンスがしたいね!

取材・文◎吉岡加奈

アルバム商品情報br>

アーティスト:マイケル・ボルトン(Michael Bolton)
アルバムタイトル:スパーク・オブ・ライト(Spark of Light)
配信リンク:https://avex.lnk.to/MB0714SOL

収録曲
1. Spark of Light
2. Running Out of Ways
3. Eyes on You
4. Beautiful World(Feat Justin Jesso)
5. Whatever She Wants
6. Just the Beginning
7. Safe
8. Home
9. We Could Be Something
10. Out of the Ashes

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