【ライブレポート】『マガツノート』初ライブツアー＜荒魂決起會＞初日公演。V系バンドと声優陣が“歓喜”の夜を。

近未来戦国×ダーク楽曲メディアミックスプロジェクト『マガツノート』による初のライブハウスツアー＜マガツノート全国巡業二〇二三「荒魂決起會」＞。その初日公演『歓喜ノ夜』が、6月30日、梅田バナナホールにて開催された。

◆ライブ写真

今回のライブハウスツアー＜荒魂決起會＞は、『戦シーズン 弐nd Battle 荒魂大祭』（通称：『戦シーズン2』）と連動したもの。『戦シーズン2』は、武将達が各陣営の枠を超え、「喜」「怒」「哀」「楽」をテーマにした4バンドを結成してフェスに出演するも、“不本意な幕切れ”で強制終了してしまったというストーリーだったが、そのリベンジとして全国4カ所のライブハウスを廻ることになった、というのが今回のツアーのコンセプトだ。また、2022年3月に始動した『マガツノート』にとって、今回のイベントが初の声出し可能公演にもなった。

初日公演の『歓喜ノ夜』には、BabyKingdom、ZOMBIE、ザアザアのヴィジュアル系バンド3組と、ゲスト声優として、美藤大樹（家康役）、堂島颯人（才蔵役）、峯田大夢（政宗役）、馬場惇平（官兵衛役）の4名が出演。また、転換中に流された幕間キャラトークには、ゲスト声優陣はもちろんのこと、各バンドのボーカリストも参加し、ドレスコードの“有害人類Tシャツ”を着用したオーディエンス達を熱く盛り上げた（“有害人類”は『マガツノート』に登場する用語であり、同プロジェクトのファンネーム）。

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トップバッターを務めたのは、ZOMBIE。「いこうか大阪！　やれるか『マガツノート』！　やれるか有害人類！」と、奏多（Vo）がフロアを煽り、彼らが『マガツノート Season:1』に提供した「ウルトラムシケラボーイ」でライブをスタートさせた。


そこからも、“ゾンビダンス”を繰り広げる「腐り姫」や、ヘッドバンギングを巻き起こした「ハッピーハッピーグロテスク」など、キャッチーさはありながらもヘヴィなサウンドを轟かせ、ノンストップで豪快に突き進んでいく。その勢いを落とすことなく、むしろ加速させながらラストナンバーの「クソったれが」に突入。「溜まってるもん全部吐き出してってくれよ！」と凶暴なサウンドを叩きつけ、「この後も引き続き楽しんで、最高の“歓喜ノ夜”を過ごしてください」と、次にバトンを渡した。


続いて登場したザアザアは、一葵（Vo）が内省的な言葉を紡いだ朗読から、『戦シーズン 壱st Battle「桜華狂騒」』に楽曲提供した「闇と桜」を披露した。感傷的なバンドサウンドを走らせ始めると、ステージに家康役の美藤大樹が登場。ツインボーカル編成で、憂いに満ちたメロディを、切なげな歌声でフロアに届けていた。



また、この日のコンセプトに合わせ、喜びをテーマにした曲をセットリストに入れて欲しいというオーダーがあったもの、自分達にそういう楽曲が1曲もなくて困ったと話す一葵。すると「それなら“性の悦び”でもありですと言われたので、エッチな曲をいっぱい持ってきました」と、ダンサブルな「教えて先生」や、重音を撒き散らす「交尾をしてよ」など、彼ららしいやり方で有害人類を熱狂させていた。


3バンド目はBabyKingdom。煽動的なオープニングSEでメンバー達がステージに姿を現す中、ボーカルの咲吾と共に、政宗役の峯田大夢と、官兵衛役の馬場惇平も登場。トリプルボーカル編成で、『戦シーズン 壱st Battle「桜華狂騒」』に提供した「GOLD」を披露した。3人が代わるがわるメインを務めながらも、ときにハーモニーを響かせたり、デスボイスを織り交ぜたり、力強くユニゾンしたりと、パワフルで激しいパフォーマンスで有害人類を魅了していた。




また、この日はBabyKingdomにとって地元である大阪公演なのもあり、いつも以上にハイテンションでしゃべり倒すMCでも盛り上げつつ、爽快感たっぷりの「ライドンザ・ビーチ」や、スカチューンの「君はヴィーナス」など、この季節に合うポップなアッパーチューンを繰り広げた。


イベントを締め括ったのは、美藤大樹と堂島颯人（才蔵役）の2人による、『戦シーズン 弐nd Battle 「荒魂大祭」』のチーム喜・化楽²のテーマ曲「おねだり！ろまんちっく」。Yuh（G／vistlip）、燿（B／摩天楼オペラ）、ササブチヒロシ（Dr／CREATURE CREATURE）という手練れが集結したサポートバンド「マガツノバックバンド」の演奏を受けながら、キュートでセクシーな楽曲の世界観を増幅させるように、美藤は可愛らしく、堂島は艶やかに、振り付けを交えながら歌を届け、ハッピーな空気がフロアに充満したエンディングとなった。



大盛況で幕を下ろした初日公演『歓喜ノ夜』だが、現在もツアーは継続中。7月23日（日）には仙台Darwinにて『悲哀ノ夜』、7月27日（木）には渋谷WWW Xにて『憤怒ノ夜』が行なわれることになっている。両公演ともに「有害人類Tシャツ」がドレスコードに設けられているが、着用すると当日券が0円になるという施策が行なわれているので、詳しくは『マガツノート』オフィシャルサイトをチェックしていただきたい。

また、同ツアーの千秋楽公演が、8月27日にヒューリックホール東京で開催されることも発表された。こちらは『戦シーズン2』の楽曲をはじめ、『マガツノート』の楽曲達を声優陣が歌唱するフェスライブになるとのこと。出演者は、峯田大夢、小笠原仁（秀吉役）、馬場惇平、大河元気（左馬之助役）、美藤大樹、岡本和浩（忠勝役）、沢城千春（直政役）、堂島颯人、神尾晋一郎（織田信長役）の9名。ライブハウスツアーとはまた違った熱狂を堪能できる1日になりそうだ。

文◎山口哲生
写真◎清水ケンシロウ