「待たせたな!」スカイピース、横浜アリーナで1万2千人と7周年をお祝い

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スカイピースが7月15日、神奈川・横浜アリーナでワンマンライブ<SkyPeace Live at YOKOHAMA ARENA -Get Back The Dreams->を開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けする。

◆7月15日(土)横浜公演 画像

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7月15日、スカイピースが自身最大規模の公演となる<SkyPeace Live at YOKOHAMA ARENA -Get Back The Dreams->を神奈川・横浜アリーナにて開催。かねてよりアーティスト活動における目標として掲げていた “単独横浜アリーナ公演”という夢をついに叶え、同会場を約1万2千人の笑顔で満たした。

チャンネル登録者数471万人超のYouTuberとして活躍する彼らは、これまでもさまざまな目標を掲げてきたが、アーティスト活動においては、“横浜アリーナ”などと具体的な会場の目標を掲げたことはなかった。動画や取材のたびに、同会場への思い入れを語るなか、2020年に発表した3rdアルバム『青青ソラシドリーム』タイミングで開催が決定したものの、コロナ禍に入っており、延期・中止を余儀なくされたのだった。

オープニングの映像は、そんな2020年の世の状況を表すモノクロの世界。「色のない世界にとり残された僕たちに今何ができるのか」「立ち止まってはいけない」「自分を信じることを忘れてはいけない」「自分の野心にもう一度火を灯せ」と等身大のメッセージを放つ。彼らも3年かけて困難と戦い、ライブの開催、フルキャパ、歓声……ひとつずつ取り戻し、日本武道館公演や全国ツアーなどで思いを届け、立ち上がってきた。地球を表す球体をつかむふたりの映像とともに、だんだんと色彩を帯びる。そして、「夢を取り戻せ」と高らかに掲げた。

彼らの登場に客席はもちろん大いに沸いていたが、いつもと様子が違う。歌がはじまらないのである。「ここの会場にいる全員に聞きたい。緊張していますか?」とテオくんが口火を切った。スカイピースのふたりは、この夢のステージにとても「緊張している」というが、ライブとはアーティストのみならず、全員で作り上げるものだからと、「この会場にいる全員で緊張しよう」そして「その緊張を全部忘れるくらい楽しいライブを作り上げよう!」というのだ。

そして「横アリ始めるぞー!」「待たせたなー!」とこぶしをあげるふたり。すかさず「いよいよこの場所で、この曲を歌えるときが来ました」と☆イニ☆が伝え、横浜アリーナで歌うことをイメージして作られた「青青ソラシドリーム」が3年越しに同会場に鳴り響き、総勢12名のダンサーとともに盛り上げていく。また、彼らの基本理念でもある、ライブを楽しむためのトリセツ「100年後も忘れないライブを」へと続き、「SkyPeaceのテーマソング」「青春スプラッシュ」とスペイシーなステージにレーザービームが飛び交う中、4曲続けて放った。


「横浜アリーナ! エグいね!」とテオくんに、「横アリ、おめでとう!」という声が会場から聞こえてくる。☆イニ☆は、2020年に一度同会場での公演が中止となり、2021年テオくんの誕生日に横浜アリーナを借りて、サプライズを実施したときのことを話し始める。そのときは無観客で、こうして「お客さんが入ると全然違う!」と力を込める。声出しありのライブのありがたみについてもしみじみと語るテオくん。「証明」では《Jump, Jump, Jump(ハイ!)》と客席の合いの手で盛り上がり、ノンストップで「雨が降るから虹が出る」「荒野行動あるある」と続く。ここまでボルテージをあげてきたのが一転。「脳SIGNAL」「これがぼくのきもち」でクールダウン。作詞作曲を自ら手がけるふたりだが、歌詞先行の作り方は珍しく、そういう曲はより気持ちの入った曲になるというテオくん。「理想の自分になるのは難しいけれど、人生最高の瞬間が待っていると信じてスカイピースも活動しているし、みんなもそうやって生きてほしいから一生懸命歌います」と「笑顔」へ。さらにアコースティックギターがあたたかく響く「無計画の旅」ではふたりでピースを重ね合わせるエモーショナルな瞬間も観られた。

「7年前の7月15日は期待を胸に20時に1本目の動画をあげ、その瞬間からここまで来ました! まさかあのとき、横アリのステージに立てるなんて思わなかった」と☆イニ☆。ここでも、おめでとうの声が客席からあがる。「僕たちは何者でもない人間だった。でも、自分たちががんばっている姿を観てくれたり、自分たちのライブとか動画を見て、元気になったり、世界が変わったと言ってくれるんですけど、当然だけど、自分たちでは世の中が変えられるとは思っていなくて。でも、この中から世界を変えてくれる人が出てくると思う」とテオくんが伝えると、客席から「はあ〜い」とかわいらしい声が聞こえてきて、スカイピースのふたりと会場が笑顔になった。こんな角度からもライブがお客さんと作り上げられていくものだと実感する。

☆イニ☆は、ソニー・ミュージックからメジャーデビューのオファーがあった際、自分たちでいいんだろうかと悩んだと話しはじめ、全く自信のなかった僕らもこうやって横浜アリーナのステージに立っていると伝え、炎上などを繰り返す中でも、自分たちも支えてくれているファンのために作ったという新曲「Re:START」を披露した。ふたりのリハーサル風景の映像に働く人たちや部活をがんばる人たちのシーンで、新たな門出を迎えたスカイピースだけでない、それぞれの物語が伝えられ、朝日の映像が余韻を残す。

暗転すると、ステージ裏側の実況中継がカットインしてきた。慌ただしく、衣装チェンジするふたり。何やらトラブルが起きている風で時間がかかっている。「いけますかー?」と急かすスタッフ。映像が途絶えたかと思うと、実際のステージへとシフトした。ラグジュアリーな赤のセットアップにチェンジしたふたりがステージに登場すると、低音も響くバンドサウンドで臨場感たっぷりと赤いレーザービームでバチバチに「Sexy Dance FLOOR」がスタートした。この曲はダークサイドのスカイピースという新たな魅力を打ち出し、ショート動画でもバズった曲だが、パワフルなボーカルもダンサーとの絡みも、もう板に付いている。

「声」では客席がどんどん開放感にあふれていくのがわかったが、続いて、メジャーデビューアルバム『にゅ〜べいび〜』よりパンキッシュな曲「Rock Party」がすごかった。曲に入る前に、「Oi Oi Oi Oi」とコールアンドレスポンスをうながす☆イニ☆。曲に入るころには客席はすっかり温まり、ステージ端から端まで全力でもりあげるふたり。「Oi Oi Oi Oi」とどんどん熱を帯びていく。テオくんは最後倒れ込み、「最高!」「長年待った甲斐があった。エグかったいまの!」とテンションがあがりまくる。彼らにはお客さんを巻き込む天性のものがあるなと感じたが、彼ら自身もその手応えに「夏フェスもいけるぞ!」と自信をつけたようだった。


残り2曲と伝える中、「5、4、3、2、1」と客席からカウントダウンする声が聞こえてきた。20時を迎えたのだ。7周年の瞬間を1万2千人と迎え、「おめでとう」と「ありがとう」を伝えあう。7周年を迎えた1曲目には、デビュー曲「スタートダッシュ」を披露し、続くパーティチューン「オタパリダンシン」の風船ドロップで華やかに締めようとしたが、ここまでこれたのは、みんなのおかげでもあるし、やっぱり相方がいたからでもあるという。ふたりは、ライブ前にスマホの画面がいっぱいになるほどの長文メッセージをやりとりしたといっていたが、そうした節目に、お互いに感謝している曲を「ありがとうをおまえに」をもう1曲歌いたいと、ふたり向き合って披露した。

アンコールは、「感謝感謝」からスタート。続く「悲しみなんて笑い飛ばせ」では、ふたりは「みんなのところにいくぞー!」とステージから客席通路に降り、ハイタッチもしながらまわると会場は大盛り上がり。さらに、フロア中央あたりに登場したリフター(一人幅)まで辿り着くと、なんと6メートルの高さまであがっていった。会場のみんなと目を合わせたいという思いからこのサプライズを用意し、リハーサルでは怖かったようだが、そんなことは微塵も感じさせない、観客を前にスイッチが入り、☆イニ☆は前のめりで観客からの声援に応え、テオくんはジャンプまでして楽しんでいた。当然会場も熱狂の渦である。

再び、メインステージに戻ると、オープニングで一度やった「青青ソラシドリーム」をもう一度やるのだという。同じ公演で2度の披露は初というが、2度目はファンとのコラボレーションで、事前に集められた笑顔の写真や空の写真を使った映像とともに披露した。ラスト、「オタパリパーティー」では、銀テープ(「夢は叶えた人が正解ではなく夢を追いかけた者が正解だbyテオ」「みんなで横アリ、一緒に横アリ、夢達成!! 諦めない心!!byじん」と印字されていた)舞い、「横アリ、最後全員で締めるぞ!!」とせえので、会場のみんなとジャンプをきめた。




なお、ライブの熱狂はそのままに、終演後の告知でももうひと盛り上がりあった。成功と失敗を繰り返したスカイピースの3rdシーズンが始まること、「チャンネル登録者数500万人突破」「アーティストとしてZOZOマリンスタジアム、ワンマンライブ」という新たな目標が発表され、会場が大いに沸いた。「いけるのかスカイピース!? やれるのかスカイピース!? もう炎上はやめてくれ。ファンのために、自分たちのプライドのために。夢を諦めるな。必ず叶えて見せろ!!スカイピース3rdシーズン開幕!」。

ひとまず新告知としては、9月2日に開催される<第37回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 AUTUMN/WINTER>(さいたまスーパーアリーナ)にメインアーティストとして出演することなどが伝えられ、11月24日にはスカイピースバレーチーム対抗戦(東京・アリーナ立川立飛)、さらに、2024年1月に5thアルバムの発売、1〜2月全国ホールツアーの実施が伝えられた。

今回の横浜アリーナ公演は、一度2020年に中止となり、この3年に積み重ねてきたアーティストとしてのライブの経験や思いがステージに出て、アリーナ規模の会場でも、観客をよく観て、声を聞いているのがわかったし、客席を巻き込んでいく、実に頼もしく熱いライブだった。その夢を叶えた次、YouTuberとアーティストという二刀流で活躍する彼らがスタジアム公演を成功させたならば、それはクリエイターのシーンにおいても、音楽シーンにおいてもメモリアルな出来事となる。この夢の続きこそ、スカイピースの本領発揮というわけだ。


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■<SkyPeace Live at YOKOHAMA ARENA -Get Back The Dreams->2023年7月15日(土)@神奈川・横浜アリーナ セットリスト
1. 青青ソラシドリーム
2. 100年後も忘れないライブを
3. SkyPeaceのテーマソング
4. 青春スプラッシュ
5. 証明
6. 雨が降るから虹が出る
7. 荒野行動あるある
8. 脳SIGNAL
9. これがぼくのきもち
10. 笑顔
11. 無計画の旅
12. Re:START
13. Sexy Dance FLOOR
14. 声
15. Rock Party
16. スタートダッシュ
17. オタパリダンシン
18. ありがとうをおまえに
En1. 感謝感謝
En2. 悲しみなんて笑い飛ばせ
En3. 青青ソラシドリーム
En4. オタパリパーティー

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