【ライブレポート】『マガツノート』初ライブツアー＜荒魂決起會＞、V系バンドと声優陣による“極楽”の激烈バンドサウンド

現在開催中の近未来戦国×ダーク楽曲メディアミックスプロジェクト『マガツノート』のライブハウスツアー＜マガツノート全国巡業二〇二三「荒魂決起會」＞。初日公演の熱狂を受け、7月6日に福岡DRUM Be-1にて『極楽ノ夜』が開催された。

◆ライブ写真

武将達が各陣営の枠を超え、「喜」「怒」「哀」「楽」をテーマにした4バンドを結成してフェスに出演するという、『戦シーズン 弐nd Battle 荒魂大祭』（通称：『戦シーズン2』）と連動したライブハウスツアー＜荒魂決起會＞。全国4カ所を廻るツアーの福岡公演「極楽ノ夜」には、BabyKingdom、RAZOR、零[Hz]の3組と、峯田大夢（政宗役）、馬場惇平（官兵衛役）、神尾晋一郎（織田信長役）の3名が出演。ドレスコードの“有害人類Tシャツ”を着用したオーディエンスを熱いパフォーマンスで魅了した（“有害人類”は『マガツノート』に登場する用語であり、同プロジェクトのファンネーム）。


ゲスト声優陣と各バンドのボーカリストが参加する“幕間キャラトーク”の後、ゆっくり幕が開くと、ステージで待ち構えていたのは、政宗役の峯田大夢。披露したのは、『戦シーズン 弐nd Battle 「荒魂大祭」』チーム楽・益荒鬼-MASRAO-のテーマ曲「漢の宴」だ。


Yuh（G／vistlip）、燿（B／摩天楼オペラ）、ササブチヒロシ（Dr／CREATURE CREATURE）の3人によるサポートバンド「マガツノバックバンド」が高鳴らすアッパーなサウンドを受けながら、峯田は様々な歌声を使い分けつつ、オーディエンスのヘッドバンギングを巻き起こす堂々たるパフォーマンスで、宴の開幕を宣言した。


続いて登場したのはBabyKingdom。初日の大阪公演に引き続いての出演となった彼らは、「ぱらでーしょん☆彡」でライブをスタート。『極楽ノ夜』という言葉にぴったりなポップでハッピーなサウンドを響かせた。咲吾（Vo）が人懐っこいMCで客席を盛り上げつつ、「首領!BURACO」では“海賊”、「威風堂々」では“カウボーイ”と、バンドが掲げている「ミュージックテーマパーク」というコンセプトの通り、多彩なサウンドとキャッチーな振り付けでオーディエンスを巻き込んでいく。



ラストナンバーでは、政宗役の峯田大夢と、官兵衛役の馬場惇平と共に、『戦シーズン 壱st Battle「桜華狂騒」』に提供した「GOLD」を披露。咲吾と峯田が強烈なデスボイスで掛け合えば、馬場も拳を高く掲げてフロアを煽り、パワフルなパフォーマンスでフロアを盛り上げていた。


続くRAZORは、「SAMURAIソードMAN」「GRAVITY EMOTION」でフロアを激しく揺らし、「悪ぃね、ヘッドバンギングの曲しかないみたいだ」と猟牙（Vo）が叫ぶと、「ブルータルモダン」へ突入。超重量級のバンドサウンドに乗せたキャッチーなメロディをフロアに突き刺していく。有害人類の声を激しく求めながら突き進んでいく5人は、「埋葬」ではウォールオブデスを巻き起こす場面も。




フロアの熱を極限まで高め、そのままなだれ込んだラストナンバーでは、織田信長役の神尾晋一郎が登場。邪悪な高笑いを響かせ、織田信長をばっちりと演じる神尾と共に、『マガツノート Season:1』で第六天魔王軍のイメージソングとしてRAZORが書き下ろした「存在証明」を披露した。猟牙が高音、神尾が低音を担当して力強い歌声を響かせつつ、息のあったパフォーマンスを繰り広げた。


「極楽ノ夜」のトリを飾ったのは零[Hz]。「のっけから飛ばしていきたいと思います！」とROY（Vo）が叫び、早くもコラボレーションを披露することに。ステージに呼び込んだ馬場惇平と共に、『マガツノートSeason:1』でMAD FANGに書き下ろした「惡⻤招雷」を、ツインボーカル編成で繰り出す。レイヴィーなシンセ音とヘヴィなバンドサウンドが轟く中、ROYと馬場は肩を組みながらお立ち台に足をかけ、力強く伸びやかに歌い上げていた。



馬場を送り出した後も、力強いパフォーマンスで有害人類を魅了していく5人。極彩色の照明が場内を彩る中、「enigma」のダンサブルなビートでフロアの興奮を煽り、「Mr.SWAGMAN」ではヘヴィなリフで襲いかかる。途中、機材トラブルで中断する場面もあったが、テクニカルなフレーズを織り交ぜつつも、熱いパッションが迸るステージで福岡公演を締め括った。


＜マガツノート全国巡業二〇二三「荒魂決起會」＞は、7月23日には仙台Darwinにて『悲哀ノ夜』、7月27日には渋谷谷WWW Xにて『憤怒ノ夜』が行なわれることになっている。両公演ともに「有害人類Tシャツ」がドレスコードに設けられているが、着用すると当日券が0円になるという施策が行なわれているので、詳しくは『マガツノート』オフィシャルサイトをチェックしていただきたい。

また、8月27日には、同ツアーの千秋楽公演＜荒魂大祭＞が、ヒューリックホール東京で開催される。こちらは『戦シーズン2』の楽曲をはじめ、『マガツノート』の楽曲達を声優陣が歌唱するフェスライブになるとのこと。出演者は、峯田大夢、小笠原仁（秀吉役）、馬場惇平、大河元気（左馬之助役）、美藤大樹（家康役）、岡本和浩（忠勝役）、沢城千春（直政役）、堂島颯人（才蔵役）、神尾晋一郎の9名がアナウンスされている。

文◎山口哲生
写真◎清水ケンシロウ