【インタビュー前編】ベリーグッドマン、10周年記念ベストアルバムは最強ラインナップ「喜んでもらえたら嬉しい」

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■「アイカタ」が出てなかったら、「夢物語」まで来てない

──MOCAさんにとって、今回の『GOOD GOOD GOOD』はどんなベストアルバムになってますか。

MOCA:10周年の時に甲子園が決まったから出せた1枚で、それがあるから説得力が増したというか、甲子園があって良かったなと思います。(曲を)出しすぎて麻痺してるんで、嬉しさみたいなものは特にないんですけど、「喜んでもらえたら嬉しいな」という感じです。

Rover:さっきの話もそうですけど、いろんなことを思い出させてくれる1枚になったと思います。今思えば恥ずかしいこともあるし、打算的に取り組んでた時期もあっただろうし、でもそれが僕らの人生だし、何も嘘はついてない。だから、甲子園に立ってから新しい景色が見えるんじゃないか?と思ってたんですけど、そういうわけでもないんかなと。いつだって新しい景色はイメージ出来るんじゃないかなと思えましたね。甲子園に立った後は、たぶん充実しちゃってると思うんで、そこが実は一番の危険ポイントで、充実すると駄目だと思うんですよ。僕たちはどこまでもハングリーで行かないと、人を応援する立場ではなくなりますよね。

──それで言うと、5周年の時の大阪城ホールはどうだったんですか。達成感と、ハングリー感とのバランスとかは。

Rover:大阪城ホールは、燃え尽きましたね。あれで一回死にました。まだ生き返ってないかもしれない、あの時の僕らは。だけどそれは、芸術的な考えで言うと、僕は正解なんじゃないかなと思うんですね。「創造と破壊」と言いますか、そこからまた新しいものを創造し続けた時に、この10周年のベスト盤が出たし、これを崩しつつさらに新しいものを建設していくべきだと思います。

──みなさんそれぞれ、ベリグとの出会いや思い出の曲があると思うんですけど、個人的には「Hello」が入ってるのが嬉しいですね。この曲が入った『SING SING SING 6』の時のインタビューを読み返していたら、Roverさんがその前の『SING SING SING 5』で燃え尽きて、歌うことが見つからなかった時に、MOCAさんが「Hello」を持ってきて、それが次への突破口になったと。当時の言葉を引用すると、「狙って作った曲ではなく、にじみ出て来た曲だから」って。

Rover:そうですね。僕のヴァースで“君と歌いたい歌がある”って、あれはたぶんMOCAに歌ってるんですよね。MOCAが出して来た曲に対して、“君と歌いたい歌がある、君と奏でたい夢がある”って。あれはそうかもしれない。「アイカタ」もそうです。同じような流れでMOCAが出して来たんで。

MOCA:その前の「Dreamer」を作った時に「(応援歌は)これ以上やったらヤバイかも」というのが感覚的にあったので。かといって「ライトスタンド」「ライオン」みたいな曲はもうやったし、「俺らがもしワンチャン行くきっかけがあるならラブソングちゃうかな」って、メンバーには言ってたんですよ。応援ソングでみんなに知ってもらって、一番の代表曲になるのはラブソングじゃない?みたいな感覚があって、今でもあるんですけど、その時に「アイカタ」という絶妙なものが作れて、寿命が延びたなという感じです。



──「アイカタ」は、大きな転機の一つでしたね。間違いなく。

MOCA:(野球の)打順ぐらい大事なんですよね、出すものって。あそこで「アイカタ」が出てなかったら、「夢物語」まで来てないというか、「アイカタ」の感覚がもっと強く乗って、ヴァースが変わって来るとか、あるんで。前に出したものがめっちゃ関係してくるんで。



──Roverさんが壁に当たるとMOCAさんがそれを突破する曲を持って来る。いい関係です。

Rover:MOCAってそういうところがあるんですよ。

MOCA:天才なんでね。

Rover:いや、ほんまにそう思いますよ。

──考え込んだり、感情の起伏が激しいRoverさんと、ある意味冷静に、ズバッと真ん中を突いてくるMOCAさん。

Rover:僕にとって音楽は、ほんまに好きで好きでたまらないことだったのに、今までやったうちの何曲かは、仕事でやっちゃってたんですね。今はそこからもう一個抜けたいなという気持ちがありますね。歩けば歌が出てくる男になっていきたいです。歩くメロディーメイカーと言われてた時期もあったんで。

MOCA:言ってたやん、自分で。

Rover:名は体を表すで、それを表現していきたいですね。とりあえず曲が出て来なかったら「歩いてくるわ」って、帰ってきたら出て来たみたいな。

MOCA:今やったら、“うんこメーカー”やからな。生み出す時にトイレに行く。

Rover:気張って、気張り終わったらメロディも出てくる(笑)。曲が出てくる時って、僕がいつも思い出すのはトイザらスなんですけど、ちっちゃい頃おかんと一緒に行って、「何か一個買ってあげる」と言われて探してる時、めっちゃ尿意を感じるんですよ。テンション上がってるんでしょうね。これも欲しい、あれも欲しい、でもとにかくトイレ行きたいみたいな、あの感じに似てるんですよ。曲が出てくる時って。多分みなさんそうだと思うんですけど、あれってテンションじゃないですか。

──生理現象に近いんですかね。

Rover:かもしれない。そこに何かがあるんです。「今出て来そう、でも忘れるかもしれん、出て来た」みたいな感じです。一番自分がほしいものが手に入るという時の興奮と一緒なんで。今はもういろんなものを手に入れちゃって、ほしいものがなくなったのか、僕の消化器官の問題なのか(笑)。でもその感覚は忘れないでいたいです。

取材・文◎宮本英夫

10周年記念ベスト『GOOD GOOD GOOD』

2023年8月9日(水)リリース

【豪華盤】(BOX仕様・CD+M-CARD+ブックレット+グッズ)CRZP-56/¥10,000(税抜価格:¥9,091)
※クラウン徳間ミュージックショップのみ


【初回限定盤】(2CD+M-CARD+ブックレット)CRCP-40661/62/¥5,500(税抜価格:¥5,000)


【Special price盤】(CD)CRCP-40663 定価:¥1,650(税抜価格:¥1,500)



CD全形態共通
01. 夢物語
02. おかん~yet~
03. Hello
04. 必ず何かの天才
05. 花束
06. それ以外の人生なんてありえないや
07. これからもよろしくな
08. オドリバ★ジャポニカ
09. Dreamer
10. マスターピース
11. ライトスタンド
12. ライオン(2018New Ver.)
13. 雑草
14. ハイライト
15. アイカタ

CD DISC 2 ※初回限定盤のみ
1. チョベリグ
2. Nice Bokeh
3. いいね
4. She's my beautiful girl
5. 明日

M-CARD ※豪華盤・初回限定盤のみ
ベリーグッドマンが10周年を振り返る
ベリグによるべりふぁむの為のバラエティ番組「ザ・ベリグテン」
豪華盤の内容は初回限定盤のものに+α

ブックレット ※豪華盤・初回限定盤のみ
BERRY GOODMAN 10th Anniversary Special Booklet

<ベリーグッドマン結成10周年 × 阪神甲子園球場100周年記念事業 ベリーグッドマン ~甲子園 LIVE 2023~>

2023年11月18日(土)兵庫・阪神甲子園球場
OPEN 15:00 / START 17:00
特設サイト:https://berrygoodman.com/pages/sugoikamoshiren

<ベリーグッドマン結成10周年 × 阪神甲子園球場100周年記念事業 ベリーグッドマン 47都道府県 “ピース” TOUR2023 ~ Road to 甲子園 ~>

特設サイト:https://berrygoodman.com/pages/roadtokoshien47


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