【インタビュー】メイ・スティーブンス、「If We Ever Broke Up」がバイラルヒット。「人の心を癒してくれる音楽を書き続けたい」

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TikTokで人気に火がついて、世界はもちろん、ここ日本でもBillboard JAPAN TikTok Weekly Top 20で1位を獲得し、長くチャートインを記録するメイ・スティーブンスのシングル「If We Ever Broke Up」。2022年末にTikTokに公開したこの曲のデモがバイラルヒットし、イギリスでメジャーデビュー・シングルとしてリリースされたのが2023年2月。そこからさらに全世界へと広がって、日本では芸人・ぼる塾が出演するパロディMVも制作され話題だ。

◆メイ・スティーブンス 動画 / 画像

シンガー・ソングライターとしてデビューする以前は、イギリスのスーパーで働いており、一夜にしてというのが決して大げさではないヒットチューンとなった「If We Ever Broke Up」は、どんなふうに生まれたのか。失恋する未来について、ポップで、ちょっぴり不穏なシンセサウンドがクセになるダンスミュージックに乗せて毒っ気たっぷりに歌うメイ・スティーブンスとは、どんなアーティストなのか。2003年生まれのサンリオが大好き(ハローキティやマイメロディのタトゥーあり)な20歳に話を聞いた。

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■歌詞の内容を重要視
■自分のかわいい赤ん坊ができたような感覚


──シングル「If We Ever Broke Up」は、2022年末にTikTokにシェアしてから、瞬く間にたくさんの人へと広がって、リップシンク動画やダンス動画が生まれたりと人気になっていきました。中毒性の高いサウンドで、またポップで毒っぽい歌詞がキャッチーな曲ですが、ご自分ではどういったところが多くの人の心をとらえたのだと考えていますか。

メイ:多分、まずは思わず体が動いてステップを踏みたくなるようなビートが大きな鍵になったんじゃないかなというのと、あとは歌詞が失恋という、たくさんの人が経験するような普遍的なテーマを扱っているので。言語を超えてたくさんの人が共感できるものだったんじゃないかなと思う。あとはシンセのサウンドかな。あの頭のシンセのフレーズの感じが、この曲だってすぐにわかるフックになったのがよかったのかなって。



──曲作りの段階で、何か狙いはあったんですか。

メイ:曲を書いている段階では、自分ではこの曲がヒットするかどうかっていうのは全然わからなかったんです。じつは書いた後に半年くらい寝かせてた曲で。後々になって聴き返してみたら、「これ、結構面白いかも」って思って。それで父親にも聴かせてみたんです。そしたら、父がニヤリと笑ったんです(笑)。よほどいい曲でないと父はそんな表情をしないから。これは絶対、いいかもって。父もこれはヒットするかもよっていってくれたし、父の意見は信用してるので、まずTikTokに出してみようってなって。

──それくらいお父さんの意見が大きかったり、信用しているっていうのは、お父さんからの音楽的な影響が大きかったからですか。

メイ:そうですね。お父さんももちろんすごく音楽が大好きで、いろんな話をしたり音楽について教えてもらったりもするんですけど、母親の家系が音楽をやっている人が多いんです。母方の祖母はオペラ歌手だったから、小さい頃からよく祖父母がクラシックのコンサートやミュージカルに連れていってくれて。でもそういうクラシカルなものに限らず、いろんなジャンルを聴いて育ってきていますね。クラシックもそうだし、メタルやパンク、トランスとかのダンスミュージックも、ジャズやR&Bもっていう感じで、とにかくたくさんの音楽を聴いて、影響を受けているのかなって自分では思っていて。

──そういう話を聞くと、これからもいろんな曲が出てきそうで楽しみです。「If We Ever Broke Up」は、どんな部分を肝にして作っていった曲だったんですか。

メイ:歌詞の内容を重要視していて。どんなテーマで曲を書こうかとなった時に、かつての別れた彼氏とのやりとりを曲にすることで、自分の中にずっと残っていたわだかまりや消化できない感情をすっきりさせたいという思いもあって。Aメロ、Bメロ、サビという中で自分の経験をいかにしてひとつの曲に仕立てていくかが挑戦だったし、面白いところでもあって。今回は、サウンド的にも新たなジャンルをやってみたいっていうのもあったから。サウンド面でも歌詞の面でも自分がこれまでやってなかったことに挑戦できたし、自分のかわいい赤ん坊ができたような感覚です。

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