【ライヴレポート】MUCC、ツアー<「Timeless」~志恩・球体~>東京公演はミヤの誕生日「全力で祝おうかー!!」

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MUCCが7月26日、東京・Zepp Shinjukuにて<MUCC 25th Anniversary TOUR「Timeless」~志恩・球体~>を行なった。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆MUCC 画像

結成25周年を記念して、過去に発表したアルバムを軸にするツアーを2022年から開催しているMUCC。この日は、2008年に発表した8thアルバム『志恩』と2009年に発表した9thアルバム『球体』を中心にしたツアーのひとつ。またライヴタイトルでは一切触れていないものの、7月26日はギターのミヤの44回目の誕生日でもある。


そのミヤがセレクトした開場BGMと、ミヤの誕生日を祝う気持ちで、開演前からすでに熱さも充満するソールドアウトとなったZepp Shinjuku。SE「球体Instrumental」が響くとハンドクラップも起こり、ステージは照明で赤く染まっていった。まず登場したのはサポートの吉田トオル(Key)とAllen(Dr)。そしてストロボライトも点滅し始めたステージに現われるYUKKE(B)とミヤ(G)。一気に高まる興奮と緊張感。SEが「99」のシーケンスフレーズへと切り替わり、一人、照明を浴びながらミヤがギターフレーズを奏でていった。泣きと哀愁のメロディが夢烏たち(オーディエンス)の気持ちを惹き込んでいく。

だがその直後のこと。逹瑯(Vo)がステージに登場し、大きく足を広げたと思えば、衝動の塊のような咆哮をとどろかせた。同時に何本ものスモークが激しく上がり、バンドサウンドは業火のごとく夢烏を襲う。身体も脳も叩き起こされ、荒れ狂う海原のように極悪なうねりをフロアに作り上げていった夢烏たち。

『志恩』と『球体』の世界観を現在のMUCCが再構築した曲が、1曲目となった新曲「99」だ。歪んだ声や突き抜けるメロディを駆使した逹瑯のボーカル、メロディックデスの旨味もたっぷり吸った攻撃的リフやリズム。そこに煽情的なフレーズも入り込む。この25年間で培ったMUCCの圧倒的実力は、ライヴに次ぐライヴでさらに研ぎ澄まされ、熱量も説得力もハンパじゃない。




「オイ、新宿! 俺の誕生日だ、暴れてけよ!!」──ミヤ

本日の主役自らが夢烏たちを荒っぽく歓迎。逹瑯も「全力で祝おうかー!!」とシャウトのように叫びながら、曲は「咆哮」へ。ラウドで激情たっぷりの音が暴れ狂う。

なにしろ、『志恩』と『球体』は、AVENGED SEVENFOLDやBULLET FOR MY VALENTINEらとのカップリングツアー<Taste of Chaos 2008>など、MUCCが精力的な海外ツアーを行なっている最中にリリースや制作されたアルバムでもある。エレクトロやメタルテイストも強めで、ハジけていく曲や尖ったナンバーも多い。つまりライヴで威力を発揮する曲たちだ。そうしたナンバーを次々とたたみ掛け、熱を注ぎ込み続けるMUCC。歓声も掛け声も思いっきりあげながらモッシュでぶつかり合う夢烏たち。熱狂と狂騒の渦がMUCCを激しく彩り続けていく。


「新宿区歌舞伎町でここだけが唯一、治安がいい場所。思う存分、はっちゃけて、暴れていってくれ」──逹瑯

ライヴの様相は激しさを増すばかりながら、MUCCを愛する夢烏たちしかここにはいないから、治安は確かにいい。一切の遠慮なく強烈なプレイや邪悪な歌いっぷりで圧倒しながら、楽しさマックスの笑顔もこぼすメンバーたち。夢烏たちの身も心も激しく突き動かしながらライヴは展開していった。


しかし中盤には、もちろん『志恩』からの「小さな窓」や、『球体』からの「讃美歌」など、想いの溢れる言葉や音で、心をつかんで魅了する場面も。それぞれの楽曲を生み出して、すでに10数年もの時が経った。その間にバンドとして、メンバー個人として経験した出来事の中には、当然、悲しさや寂しさを伴なうこともあったはず。そうしたことが意識せずとも曲にフィードバックされ、メロウな曲や歌から自然に滲み出る様々な想い。生まれたとき以上に膨らみと包容力のある曲になって、夢烏たちの心を丁寧に包み込んでいった。

だが、ミヤの呪術的なフレーズを合図に「志恩」へ突入すると、ライヴは再び急展開。照明で不気味な陰影も浮かべた表情で、メンバーは邪悪な音を叩きつけていく。「空と糸」では「起きてるのか、新宿! コロナでなまってんじゃねーぞ!!」とリフを弾きながらミヤはさらに焚きつける。鋭利で凶暴なMUCCサウンドが夢烏たちを激化させ続けた。しかし、そんなもんでは本日の主役は満足しない。


「今日のために、わりと緩めの会場選んだつもりだ。やれるヤツは、やれ!!」──ミヤ

そうして始まった「フライト」では、夢烏たちの肩車がいくつも出現し、曲のキメと同時に、ミヤの誕生日を祝うクラッカーのテープのごとく跳び、そのままクラウドサーフも。こんな祝福をされたら、やっぱり黙っちゃいないのがミヤ。「フライト」の勢いのまま「1曲追加します!」と、『極彩』からの「謡声」をブチ込んだ。イントロ直後に慌てふためく吉田トオルの姿に、全く予定になかった曲だったことが伺える。こうしたお祝い返しなどもありながらライヴはエンディングへと向かっていった。


アンコールでは、一人、ミヤが感謝しながらステージに登場。

「44歳になりました。ありがとうございます。18~19歳で上京して、すぐ歌舞伎町でバイトを始めたんですよ…」──ミヤ

カラオケ屋でお客さん勧誘のバイトをしながら曲を作っていた話や、バイト時代の様々なおもしろい出来事も暴露。「俺の第二の故郷は、ここなんで」と、お笑いトークライヴと化すミヤ@Zepp Shinjukuである。YUKKEと逹瑯も加わって、歌舞伎町にまつわる話が止まらない。トリオ ザ MUCCの独演会となっていく。

また話は、グッズのひとつ“パイ扇”のことに。LEDで鮮やかに光る扇子だ。「みんな、点けてみて。せぇ~の!」とYUKKEの言葉を合図に光らせると、吉田トオルが「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」をピアノで弾き始め、LEDスクリーンには“HAPPY Birthday TO MIYA”の文字やキャンドルのCGが。夢烏たちが歌いながら祝う中、ステージには巨大な誕生日ケーキも登場。さらに、MUCCのFC旅行<ムックランド>シリーズのキャラ“チャッピー・ラビット”(ミヤがデザイン)も駆けつけて、生みの親を祝福。にぎやかで愛に溢れるお誕生日会となった。



約20分のトークライヴの後は、フライングVを持つチャッピーラビットも交えて「蘭鋳」を全員でかき鳴らす。曲の中盤、座ってからの一斉ジャンプの合図を出すのは、もちろん主役のミヤだ。

「MUCC最初の44歳、一緒に遊ぼうぜ! 歌舞伎町、全員、死刑!!」──ミヤ

全身全霊で楽しむMUCCと夢烏たち。そして25年前のバイト中、この第二の故郷で見た人間ドラマから作った「娼婦」も披露。いろいろな曲展開が入ってくるあたり、当時からの音楽的貪欲ぶりが現われている。この日のラストを締めくくるのは、未来に向けた願いも込めた「WORLD」だ。メンバーがハーモニーを歌いながら曲に入っていくと、夢烏たちも歌声を響かせていく。MUCCの演奏と夢烏らの歌はひとつになって、さらに夢烏たちは愛も込めて手を掲げ続ける。互いに笑顔を見せながら感動のエンディングを迎えた。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎冨田味我

■<MUCC 25th Anniversary TOUR「Timeless」~志恩・球体~>2023年7月26日(水)@Zepp Shinjuku セットリスト

01. 99
02. 咆哮
03. アゲハ
04. 梟の揺り篭
05. オズ
06. レミング
07. ファズ
08. アンジャベル
09. カナリア
10. 浮遊
11. 燈映
12. 小さな窓
13. 讃美歌
14. 志恩
15. 空と糸
16. 塗り潰すなら臙脂
17. シヴァ
18. フライト
19. 謡声
20. hanabi
21. リブラ
encore
en1. 蘭鋳
en2. 娼婦
en3. WORLD

会場限定シングル「99」

<MUCC 25th Anniversary TOUR 「Timeless」〜志恩・球体〜>会場限定発売
¥2,500(税込)
▼収録曲
01. 99
02. 99(Original Karaoke)
03. <MUCC 25th Anniversary TOUR「Timeless」~鵬翼・極彩~>-Official Bootleg-(2023.04.16 水戸ライトハウス)
図南の鵬翼〜輝く世界〜サル〜遮断〜赤線〜最終列車〜昔子供だった人達へ〜鳶〜語り部の詩〜雨のオーケストラ〜こもれび〜謡声〜モンスター〜ココロノナイマチ


■<MUCC 25th Anniversary TOUR 「Timeless」〜志恩・球体〜>

▼2023年
6月09日(金) LINE CUBE SHIBUYA
6月24日(土) 三郷市文化会館
6月30日(金) メルパルクホール大阪
7月21日(金) 高崎芸術劇場スタジオシアター
7月26日(水) Zepp Shinjuku
8月01日(火) 浅草花劇場
8月02日(水) 浅草花劇場
8月21日(月) 水戸市民会館

■<NIGHTMARE × MUCCツーマンツアー『悪夢69』>

▼2023年
8月17日(木) Zepp Nagoya
open17:30 / start18:30
8月18日(金) Zepp Osaka Bayside
open17:30 / start18:30
8月24日(木) Zepp Haneda(TOKYO)
open17:30 / start18:30
出演:NIGHTMARE / MUCC
▼チケット
・Tシャツ付チケット:前売15,000円 (税込) ※入場時ドリンク代別途必要
・通常チケット:前売 10,000円(税込) ※入場時ドリンク代別途必要

■<Allen birthday presents KIRITO vs MUCC>

9月4日(月) Zepp DiverCity(TOKYO)
open17:30 / start18:30
出演:KIRITO / MUCC

■<MUCC 25th Anniversary TOUR 「Timeless」〜カルマ・シャングリラ〜>

▼2023年
10月01日(日) 仙台 GIGS
10月04日(水) 渋谷 CLUB QUATTRO
10月07日(土) 松山W studio RED
10月09日(月・祝) 広島 CLUB QUATTRO
10月14日(土) 長野 CLUB JUNK BOX
10月15日(日) 金沢EIGHT HALL
10月21日(土) 札幌PENNY LANE 24
10月22日(日) 札幌PENNY LANE 24
10月24日(火) 青森Quarter
10月28日(土) 福岡BEAT STATION
10月29日(日) 福岡BEAT STATION
11月04日(土) 名古屋ボトムライン
11月05日(日) 名古屋ボトムライン
11月11日(土) なんばHatch

■<MUCC 25th Anniversary TOUR Grand Final Bring the End to「Timeless」&「WORLD」>

▼2023年
12月28日(木) 東京国際フォーラム ホールA
open17:00 / start18:00
▼チケット
●福野家席/岩上家席/矢口家席:15,000円(税込)
※福野家席=下手側、岩上家席=中央、矢口家席=上手側 (1F前方より10列目まで)
※特典付き
特典(1) 岩上家席:ペットボトルキャップ、矢口家席:ギターピック、福野家席:ベースピック
特典(2) ラミネートパス
特典(3) 物販優先レーン使用可能権
●夢烏席(通常指定席):7,800円(税込)
●御祝席(※1F後方または2F後方席):5,569円(税込)
※営利目的の転売禁止、未就学児入場不可
一般発売日:2023年11月26日(日)


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