【インタビュー前編】ペルピンズ、メジャー1stアルバム『#1』は「たくさんの人にシェアしてほしいという思いを込めました」

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2人組音楽ユニット・ペルピンズが、8月23日にメジャー1stアルバム『#1』(読み:シャープワン)をリリースした。ペルピンズはSNS総フォロワー100万人越え、動画の総再生回数7.5億回越えと、TikTokなどのSNSを中心に人気を博しているユニットだ。ペルーと日本のハーフ・RIOSKEの圧倒的な歌唱力と、フィリピン×日本のハーフ・KAZのロジカルなディレクション能力が掛け合わさることで、魅力を十二分に発信し続けている。

◆ペルピンズ 動画 / 画像

そんな彼らが満を持してリリースする1stアルバムには、どんな思いや狙いが詰まっているのだろうか。本人たちにたっぷり語ってもらった。

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■今年こそアーティストとして知ってもらいたい

──1stアルバムのリリース、おめでとうございます。まずは『#1』をリリースするに至った経緯からお伺いさせてください。

KAZ:僕たちは2021年から活動をスタートさせて、2年間TikTokやYouTubeでカバー動画をアップしてきました。その結果、多くの方に僕たちの歌声を知ってもらえましたが、オリジナル曲を出していなかったこともあって「ペルピンズ=アーティスト」という認知はまだまだ。今年こそアーティストとして知ってもらいたいという気持ちで、今回アルバムをリリースすることになりました。

──「アーティストとして知ってもらおう」と、このタイミングで決意したきっかけが何かあったのでしょうか。

KAZ:SNSでカバー曲を歌うという活動をしていたこともあって、「歌がうまいお兄さんたち」という認識がすごく強かったんです。例えば、イベントの出演オファーをいただくことも多いんですけど、そのほとんどが「カバー曲を聞きたい」というリクエスト。発表はしていないにしてもオリジナル曲はたくさん作っていたんですけど、それが求められていないのが悲しくて。それにプラスして、SNSでの影響力が高まったらオリジナル曲を出すというプランはずっと持っていました。TikTokのフォロワー50万人、YouTubeの登録者30万人を節目と設定していて、それがクリアできた今、「僕らの歌もよければ聴いてください」というアクションを取ることにしました。

──次へ進むステップのためにアルバムをリリースされるのですね。アルバムタイトルの『#1』にも意味や思いがこもっていそうです。

RIOSKE:読み方は「シャープワン」ですが、「#」にはハッシュタグの意味もあって。僕らはSNSから始まったので、1作品目のこのアルバムもたくさんの人にシェアしてほしいという思いを込めました。

──その『#1』のリード曲「Butterfly」は、作曲をKAZさん、作詞はSTYさんとKAZさんが共同制作されています。“自分色の歪な羽で自由な空を羽ばたいてほしい”という思いが込められているとのことですが、なぜそういった楽曲を作ろうと思ったのでしょうか。

▲KAZ

KAZ:ここ最近、「多様性」ってすごく言われるようになりましたよね。その中で一番大切なことって、他人を許すことだけじゃなくて自分を許して認めてあげることだと思っていて。どうしてもパーフェクトな自分を想像しすぎちゃって、本来の自分を愛せない人が多い。だから、他人も愛せない。自分も他人もパーフェクトじゃなきゃいけないって思っている人が本当に増えていると思うんです。でもそれは虚像。そもそも人間って不器用で怠惰なんですよね。その中で小さな夢を持ったり、一部でも自分の好きなところを見つけたり、自分らしく生きるほうがよっぽど重要なはずなんです。だから、責め合うのも、自分を責めるのも止めませんか、と。「歪なことがそもそも美しくて素敵なんだよ」ということを、多様性と言われる今の社会に伝えていきたいと思って作りました。

RIOSKE:今の若い人たちは徐々にそれに気付き始めていますけど、やっぱり窮屈さはありますよね。僕は小学校の頃から日本に住んでいたんですけど、ハーフで周りと見た目が違いましたし、周りと同じ容姿になろうとくせっ毛をどうにか伸ばして過ごしてきたんです。でも、最近やっと「自分はこのままでいいんだ」って自分をアクセプトできるようになって。これで良いんだって気付けたら、やっと楽しくなったんですよ。若いうちからその気付きがあれば、人生もっと楽しくなるはず。この楽曲を通して、みんなにも知ってもらえたら嬉しいですね。

──なるほど。日本のカルチャー的にも、画一化という考え方は特に強いのかもしれませんね。学校なんかはそれが顕著ですし。

KAZ:むしろSNSがある種の学校みたいになっているのかもしれませんよね。映えなきゃいけない、バズらなきゃいけないっていう同調圧力があって、それにみんなが苦しんじゃっているっていう。でも映えてなくても、バズらなくても良くないですか? 僕はコンプレックスってすごく魅力的に感じるし、自分自身もコンプレックスを受け入れてから楽しくなって。人前で自分のコンプレックスを話す時、逆に強みとして話すようになりました。

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