【ライブレポート】harmoe、世界観を体現した2ndライブツアー<GOOD and EVIL>

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岩田陽葵・小泉萌香による声優ユニットharmoeの<2nd LIVE TOUR「GOOD and EVIL」>。7月30日のWEST公演(大阪国際交流センター 大ホール)を経て、ファイナルとなるEAST公演が、8月12日に神奈川県民ホール 大ホールで行われた。1st ライブからさらにパワーアップし、ミニアルバム『Villans:impress』の世界を描ききったステージの模様をレポートする。

◆ライブ写真

開演時刻になるとオープニングムービーがスクリーンに映し出される。──世界を知りたくて旅を続けているharmoeの2人が、森の中で狐と猫に出会う。「たくさんの物語を知りたいなら、この先にある図書館へ向かうといい」と言われて辿り着いた図書館。2人は物語の世界へと誘われていく──。

紗幕に映し出された緞帳が開くと、ステージ中央の2階部分でharmoeの2人が手を振りながら立っている。「最後まで楽しんでいってね」と伝え、左右の階段からそれぞれ降りていき、ステージ上で再び向かい合い、力強くハイタッチをすると、「エレクトリック・スポットライト・ガールズ」でライブが始まる。harmoeの横では2人のダンサーが、何かの物語を感じさせる衣装で代わる代わる踊っている。曲のリズムに合わせ楽しそうにダンスし、歌っているharmoe。2人のハーモニーもとても美しい。これからいろんな物語が繰り広げられていくのだろうと、想像力を刺激するオープニングナンバー。いつしかこれまで登場したダンサーが勢ぞろいしている。


続く「空想エスケープ」では、その6人のダンサーとともに、クラップをしながらハッピーにパフォーマンスしていったのだが、最後の間奏で様子が一気に変わる。体を貫く重めのビートが響き、ステージの照明もダークになる。それに合わせ2人の表情や歌声が変わり、“ドレスは脱ぎ捨ててさあ!”と言い捨てる。最後の歌詞が“わたしなら大丈夫さ!”から“私は私のものさ”に変わると、いよいよ違う世界線へと突入していく。

肩に付けていたフリルがなくなっているharmoe。続く「Brilliant and bad」では、白い衣装を着た2人と真逆を見ながら、まったく同じダンスをしている黒い衣装のダンサー2人。表と裏を感じさせる緊張感漂う演出で、ステージに釘付けにさせる。「眠れぬ森」では、セリフのように感情を込めて歌っていく。岩田が無邪気な高笑いを響かせたときは、観客から大きな歓声が起こっていたし、妖艶な2人のパフォーマンスには圧倒された。


雷鳴が轟き始まった「VOICE」は、もはやミュージカルで、芝居をしながらライブを構築していく。「人魚姫」をテーマにしたこの曲では、途中、小泉がアースラで、岩田が人魚姫という立ち場になってセリフを掛け合うのだが、アースラの迫力がものすごく、小泉の高笑いも凄みがあった。曲を終えるとマイクスタンドと紗幕が降りてきて、「passport」を歌っていく。紗幕に投映された映像によって、まるで水の中にいるかのような演出だ。2人の超高音ボーカルが優しく響き渡り、ひらひらと踊るダンサーと共に幻想的な世界を作り出す。

曲のラストであぶくの音が大きくなり、紗幕が上がり視界が晴れやかになって始まった「マイペースにマーメイド」では、爽やかでハッピーな気持ちになる。8人のダンサーも、魚のような色とりどりの衣装でharmoeの2人を彩っていく。“手を叩こう”という歌詞で観客のクラップが加わると景色が広がる。会場全体で舞台が作り上げられていくような感覚は、harmoeのライブだからこそ味わえる楽しみだろう。舞台とライブが融合したかのようなパフォーマンスにすっかり取り込まれてしまった。

幕間の映像では、2人が図書館で見つけた本が「GOOD and EVIL」であったことが明かされる。まるで物語の世界に入ったかのように、色んな物語の世界を旅してきた2人。そこでランタンに照らされ浮かんだ2つの影が「自分たちこそが本当のharmoe」だと言う。そして物語の舞台は、アラビアへと移っていく──。


まさに「GOOD and EVIL」な、左右でコンセプトが真逆なアシンメトリーな衣装にチェンジしたharmoe。8人のダンサーとともに「アラビアン・ユートピアン」を熱唱し、間髪入れず「アンチクライアント」へ。重低音の効いたクラブサウンドがフロアに響き渡り、レーザーが飛び交い、スモークが大量に噴射する。そこでクールに踊り、力強いハイキックをぶちかます。とてつもなく難解なこの曲を、カッコよく踊り歌っていくharmoeのパフォーマンスは圧巻だったし、曲終わりには観客からも大きな拍手を送られていた。

ガラッと雰囲気を変え、セットされた鏡の額縁の中で、交互にソロを歌っていった「Unfair Mirror」。「白雪姫」の世界を別の角度から描いた楽曲だが、女王の苦悩や切ない想いを、感情的に表現していく。そこからパッと光が差し、10月11日にリリースされる新曲「Love is a potion」が始まる。「白雪姫」をテーマにした2曲で見せた、裏と表が一瞬でひっくり返っていくカタルシスがドラマチックで、爽快さすら感じる。このブロックの最後は「ブルー・フェアリー」。途中でコミカルな音が入るかわいい曲だが、羽をまとったブルー・フェアリーのようなダンサー2人と一緒にパフォーマンスしていく。ここまでダンサーが衣装チェンジする公演をあまり見たことがないが、harmoeのライブにおいては、彼女たちが世界観を表現していると言っても過言ではないので、その重要性がわかるだろう。


再び映像が流れ、harmoeの2人は影と旅をすることにしたという。なぜなら表と裏は別々には存在しないから──。ダンサーたちが、激しいダンスパフォーマンスで会場を沸かしたあと、harmoeが辿り着いた答えである「私たちは『GOOD and EVIL』 まごうことなき 私が私でしょう」という言葉を提示すると、ミニアルバム『Villans:impress』の最初の楽曲「QUEEN」を新たな衣装でぶちかます。ドスをきかせた歌声で、孤独の中でも己の道を信じて突き進んでいくヴィランズの生き様を歌い切る。“心だけは孤高(Queen)でしょう?”が、凄まじくカッコよく響いてきた。


そこから光に包まれた「Wonder girl」、ジャケットを抜ぎ捨て白い衣装で歌った「きまぐれチクタック」は、ダンサー6人とのパフォーマンスが華やかだった。ダンサー2人と4人で息を合わせて踊った「ふたりピノキオ」、本編ラストの「HAPPY CANDY MARCH」では、ダンサーも全員登場。“いつだってこの2人で いつまでもこの2人で”と笑顔で歌い、大団円で、このライブの物語をハッピーに締めくくった。

アンコールは、イントロの和楽器リフの中毒性がすごい「一寸先は光」からスタート。笑顔で登場したharmoeと8人のダンサーが楽しくパフォーマンスしていく。日本のあとは中華な世界の「harmony to the West」。この曲では、岩田と小泉が頭を突き合わせたり対決の様相で、ダンサーも2つで分かれて歌でバトルしていく。観客も一緒に“ハッ!”と言いながら、その対決を盛り上げていた。


一気に駆け抜けてきた2ndライブ。物語を描いていく2人のライブスタイルから、アンコールでやっとMCに。ここで、昨年の1stライブのときから一緒に旅をしてくれている8人のダンサーを紹介し、感謝の想いを伝えると、観客へは、声出しができる曲が少ないながらもペンライトの色をこまめに変えてくれたり、曲間での歓声、そしてアンコールを求めるharmoeコールが嬉しかったと、こちらも素直な想いを丁寧に伝えていく。


そして最後にもう1曲。「大切な楽曲で、これからも大切に歌っていきたい曲です」と言って2人だけで「セピアの虹」を届ける。この曲にもテーマはあるが、物語の中を旅し続けるharmoeの2人に、そして今回のツアーにもぴったりな楽曲だと思う。雨上がりの空に虹がかかるように、さまざまな色のペンライトが揺れる会場で歌い、物語は感動のフィナーレを迎える。最後はセンターにある扉からステージを後にし「With “i”,harmoe will go look for LOVE」というメッセージを残して、2nd LIVE TOUR「GOOD and EVIL」を終えた。


なお、harmoeは10月11日に5thシングル「Love is a potion」、そして12月20日(水)に今回の2nd LIVE TOURのライブBlu-rayをリリースする。

セットリスト

M1.エレクトリック・スポットライト・ガールズ
M2.空想エスケープ(Remix)
M3.Brilliant and bad
M4.眠れぬ森
M5.VOICE 
M6.passport
M7.マイペースにマーメイド
SKIT 〜GOOD or EVIL〜
M8.アラビアン・ユートピアン
M9.アンチクライアント
M10.Unfair Mirror
M11.Love is a potion
M12.ブルー・フェアリー
SKIT 〜GOOD and EVIL〜
M13.QUEEN
M14.Wonder girl
M15.きまぐれチクタック
M16.ふたりピノキオ
M17.HAPPY CANDY MARCH
ENCORE1.一寸先は光
ENCORE2.harmony to the West
-MC-
ENCORE3.セピアの虹

5thシングル「Love is a potion」

2023年10月11日(水)発売

きゃにめ盤(CD+Blu-ray+アクリルスタンド):SCCG.00146 3,850円(税込)
初回限定盤(CD+BD):PCCG.02281 2,750円(税込)
通常盤(CD only):PCCG.02282 1,980円(税込)

・CD収録曲
1. Love is a potion ※TVアニメ「ポーション頼みで生き延びます!」ED主題歌
  作詞:山本メーコ (Hifumi,inc.) 作曲・編曲:佐高陵平 (Hifumi,inc.)
2. タイトル未定①
3. タイトル未定②
4. Love is a potion (Instrumental)
5. タイトル未定① (Instrumental)
6. タイトル未定② (Instrumental)

・全形態共通封入特典
11月9日(日)開催「harmoe canvas session Ⅴ」チケット優先販売申込券

・きゃにめ盤特典
AR動画付きアクリルスタンド

・初回限定盤特典
フルカラーブックレット
特典Blu-ray Disc
 「Love is a potion」Music Video、Making
 「harmoe canvas session Ⅳ」ライブ映像

・通常盤特典
描きおろしアニメイラストアナザージャケット

『harmoe 2nd LIVE TOUR「GOOD and EVIL」Blu-ray 』

2023年12月20日(水)発売 

きゃにめ版:SCXP.00160 10,500円(税込)
通常版:PCXP. 51018 8,500円(税込)

・本編収録内容
OP映像
M1.エレクトリック・スポットライト・ガールズ
M2.空想エスケープ(Remix)
M3.Brilliant and bad
M4.眠れぬ森
M5.VOICE 
M6.passport
M7.マイペースにマーメイド
SKIT 〜GOOD or EVIL〜
M8.アラビアン・ユートピアン
M9.アンチクライアント
M10.Unfair Mirror
M11.Love is a potion
M12.ブルー・フェアリー
SKIT 〜GOOD and EVIL〜
M13.QUEEN
M14.Wonder girl
M15.きまぐれチクタック
M16.ふたりピノキオ
M17.HAPPY CANDY MARCH
ENCORE1.一寸先は光
ENCORE2.harmony to the West
ENCORE3.セピアの虹

・きゃにめ版限定特典
ライブ音源CD

・きゃにめ版・通常版 特典映像
EAST公演 定点映像
メイキング映像

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