<第2回改造エフェクターコンテスト>結果発表、ヤバい作品がズラリ

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2021年に開催され、全国津々浦々から奇天烈極まりないヤバいブツが大集結したというTC楽器主催<第1回改造エフェクターコンテスト>から、はや2年。2023年に再び狼煙を上げた<第2回改造エフェクターコンテスト>の結果発表の時が来た。

今回、多数の応募からTC楽器スタッフによって選出を受けたエントリー作品は全23のエフェクター。そこから見事協賛各社の部門賞を獲得した11作品が以下の通りである。前回の<第1回改造エフェクターコンテスト>もヤバい作品が軒を連ねたが、今回のエントリーでも実用重視の正統派豪速球モノから、ほぼ意味の分からないもの、にわかには咀嚼できないぶっ飛んだものなど、それはそれは全国エフェクターマニアを地のどん底に叩き落す作品がお目見えすることとなった。

我らがBARKS賞を獲得した可燃ごみ箱さんには、別途インタビューを敢行したので、ぜひともそちらもご覧頂くとして、まずは全受賞11作品を順に紹介していこう。

■グランプリ作品
ましこ作「SPEED STAR」


▲ボリュームペダルを改造し、アクセルペダルへと変貌を遂げました。鍵を回すとヘッドライトが点灯。鍵は取り外し可能なのでさながらスポーツカーのオーナーになった気分が味わえます。

「今回も沢山の方から投票をいただいたWeb一般投票を参考に、最終的にTC楽器スタッフの選考により決定されたグランプリ作品です。今回のテーマは「エフェクターの楽しみ方」でした。ワウペダルかと思った!伴を使って動作ONはまさに車!どの場面で使うの?子供のおもちゃに最適!など様々な声を頂きました。思わず目を奪われるその奇想天外さ、面白さを称える評価が多く、見事グランプリに輝きました」──TC楽器スタッフ



■ギターマガジン賞
きむらかずし作「TONE FUZZ MK3 Si Ge MOD」


▲Tone Bender MK3 の回路を改造し、前段をシリコントランジスタ1個で済ませました(オリジナルはゲルマトランジスタ2個投入)。音に大きな影響がある後段のゲルマトランジスタは外出しして交換可能としました。パッと見、真空管のようなプラスチック瓶に入っています。オリジナルにはない、ゲルマトランジスタの自己バイアススッチも装着。

「トランジスタをシリコンへ交換して利便性を追求しただけでなく、なんとゲルマニウム・トランジスタを換装して音の違いも楽しめるというファズ・フリークも唸る仕様に。アナログの可能性を新たな切り口で提示した1台。色んな種類を付け替えて試してみたい」──ギターマガジン



■BARKS賞
可燃ごみ箱作「Cool Face 」


▲Fuzz Face FFM1のシリコントランジスタをゲルマニウムトランジスタに交換し、さらにトランジスタの温度をデジタル制御できるようにしました。トランジスタを温めるだけでなく冷やすこともできるのが特徴で、温度変化によるサウンドの違いを自由に楽しむことができます。

「真空管はもちろん、様々な素子や電子部品が温度によって特性が変わり、結果サウンドに影響を与えるのは皆の知るところですが、ゲルマニウムトランジスタをピンポイントに攻めまくるというヤバい性癖に、孤高のマニア魂を感じました。真面目なのかブッ飛んでいるのか…温度管理をするエフェクターという奇天烈な作品に敬意を評し、BARKS賞を授けさせてください。」──BARKS



■モリダイラ楽器賞
万年初心者作「モンスター Jr.」


▲購入してからほぼ履かれることなく押し入れの肥やしになっていた子供靴を何とかしたいという思いから製作しました。靴由来のグリップがあるので滑りにくいです。

「子ども靴をエフェクターの筐体(カバー?)にするところがスニーカー好きとして興味を惹かれ選ばせていただきました。ミニペダルが靴にすっぽり収まっているのが良いですね。靴を再利用した靴エフェクターだらけのペダルボードを作ったら面白そうだと思いました。」──モリダイラ楽器



■荒井貿易賞
22incr作「Excited Muff」


▲リングモジュレーターとブースターを内蔵したBig Muffです。

「個人的にBigMuffが好きなのもありますが単純にデザインにやられました。メカメカしい物が好きなもので・・・。見てるだけでわくわくします。」──荒井貿易



■AKIMA&NEOS賞
unaguitar作「みかん絞り器」


▲30年程前、御茶ノ水の楽器店(店名は忘れてしまいました)の店頭で投げ売りされていたキットを組み立てた物です。中身はDan ArmstrongのOrange Squeezerのコピーになります。

「近年、エフェクターもデジタルモノが多く、改造の余地が物理的にも容易で無くなったが、ここにはそれを改造する猛者も多く、この場が技術の張り合いになってしまうのはそれはそれで良いのか?とも思います。そこでこの“みかん絞り器”は単に古いキットの物でネーミングの閃きから外装を変えたぐらいの改造と言えない感じだが、あまりむずかい事はわからなくてもここに応募出来るという、このコンテストにとってとても重要な作品だと思いました。それと同時にこのキットはL型ホーンプラグの裏蓋を外し、シャーシに付けるとかとても良いアイデアもありハッとさせられた。実用性も文句なし。これぞエフェクターの原点という事で選ばせてもらいました。」──アキマツネオ



■スタジオペンタ賞
ATC作「Gaming Wah for Arcade」


▲VOXのワウペダルV847Aを小型アーケードコントローラーの筐体に収めた作品です。本作品はゲーミングデバイス風エフェクターをテーマに作製しました。

「ギターもゲームも動詞で「Play」。本質は近いかも知れません。2人プレイ推奨。」──スタジオペンタ



■バードランド賞
しろーとの不便利屋作「iPhone改マルチエフェクター」


▲iPhoneを使用して作ったマルチエフェクターです。「マルチエフェクターを作ってみたい!」という衝動に駆られ、素人ながらも腕によりをかけて制作しました。

「筐体が「まさかのiPhone登場!?」とまず見た目で惹きつけられつつ実用性のあるマルチエフェクターという点で選考いたしました。」──バードランド



■Solid Bond賞
Robotta作「DoGTaGFuzz(ドッグタグファズ)」


▲オシャレなカフェやBARでインテリアとしてアンプとギターが飾られていてギターが弾ける話をしたら「よかったら弾きます?」って言われる展開無いでしょうか?よく見たらアンプはクリーンのみ お客さんは期待の眼差し…そんな時この『dogtagfuzz』を首から下げあていなたらなんとかなります。

「ネーミングもクール! 使い方もシンプルで、いけてるファズサウンド、いいですね!」──Solid Bond



■キョーリツコーポレーション賞
いきすぎたDIY作「エレハモ専用電池ケース」


▲LEDで光るエレハモ専用電池ケースです。

「改造エフェクターコンテスト史上でもトップクラスの出オチ感! 神々しく輝くマイクマシューズの姿を見た瞬間、ehxの代理店を行う立場としてこのアイテムを選ばない選択肢は無いと確信しました。素晴らしい!輝きによりメリハリの効いたモデルやカラーバリエーションモデルなど、今後の展開にも(個人的に)期待しています!」──キョーリツコーポレーション



■キクタニミュージック賞
地獄の四弦作「Ordinary Bass OverDrive」


▲HAOのRust Rideを改造しました。元々はシンプルなワンノブ(ボリュームのみ)で音も気に入っていましたが、今回のテーマ「エフェクターの楽しみ方」といえばあれこれツマミをいじって音作りするに尽きると思い、たくさんツマミを追加しました。

「ベーシストとして実際に音を出してみたいと思える作品でした。今回のテーマにも合っていると思いましたし」──キクタニミュージック





「前回から2年振りの改造エフェクターコンテスト。今回は「エフェクターの楽しみ方」というコンセプトでしたが、前回以上に予想を超えたユニークな作品がたくさん集まりました。本格的な改造を施した作品や、一目見て驚きの声をあげてしまうような作品などTC楽器に寄り添って頂いたアイディアの作品ばかりで、ハッとさせられた作品も多くありました。一次審査から選考は難航し、一般投票を経ての最終選考審査は白熱しました。

受賞された方々の作品は皆、オリジナリティあるアイディアに富んだ楽しい作品ばかりですが、残念ながらここでご紹介できなかった作品もそれぞれがエフェクター愛に満ち溢れている素晴らしい作品ばかりでした。ご応募頂きました皆様にこの場を借りて改めてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。また次回改造エフェクターコンテストでお会いしましょう!」──TC楽器

TC楽器

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TEL:03-5386-4577
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◆<第2回改造エフェクターコンテスト>BARKS賞は、温度管理でサウンド激変の奇怪マシーン
◆改造エフェクターコンテスト・オフィシャルサイト
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