【インタビュー前編】Maki、3rdミニアルバム『Toy box』は信念を貫いた意欲作「やさしさみたいなところがけっこう出てる」

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2015年結成の名古屋発3ピースロックバンド・Makiが、CDとしては、EP『creep』以来、約2年ぶりとなる3rdミニアルバム『Toy box』を10月4日にリリースした。

その『Toy box』にはこの2年間、精力的なライブ活動のかたわら、意欲的に作り続けていた曲の数々から選んだ全8曲が収録されている。性急な2ビートの疾走感がMakiらしい「風」「pulse」に加え、今回はリフ押しの「No.11」、テンポを落として、重厚に迫る「揺れる」、そして壮大なスケールが圧倒的な「world’s end」といった、さらなる新境地にもアプローチ。同時に全曲の作詞・作曲を手掛ける山本響(Vo, B)は生々しい気持ちを包み隠さず、ストレートな言葉遣いで曝け出しているが、コロナ禍を含め、『creep』前後におけるバンドを取り囲む状況の変化と照らし合わせると、2年間、山本と佳大(G, Cho)、まっち(Dr, Cho)の3人がどんな気持ちでバンドをやって来たのかと思いを馳せずにいられなくなってしまう。久々に再会したメンバー達は、あっけらかんと溌剌とした調子で、前向きに新作の曲作りや、歌詞に表れた感情の正体について語ってくれた。それはもう、こちらが拍子抜けしてしまうほどに。つまり、それはそれだけの自信作ができたということなのだろう。

◆Maki 動画 / 画像

『creep』をMaki第2章の始まりとかつて語ったメンバー達は、今現在、第2章の半ばにいると言ったが、それは控えめすぎるんじゃないか。少なくとも第3章の扉は見えてきた気もするが、焦る必要はない。これからもじっくりと彼らの歩みを追っていきたい。インタビューの前編では、主に歌詞にまつわる話を訊いた。

   ◆   ◆   ◆

■アイデアがあるなら曲にしようかって完成させて
■今回の『Toy box』になりました


──2021年に『creep』をリリースしたタイミングでお話を聞かせてもらった時に「Makiの第2章の始まり」とおっしゃっていました。その後、ライブにリリースと精力的に活動を続け、2年経ちましたが、章立てで言ったら、今現在、Makiはどんな位置にいると考えていますか?

山本:え~(と考え)、2.5くらい?

まっち:そうだね。2章の途中。

山本:2章と3章の真ん中ぐらいですね。

佳大:うん。

山本:まだ3章ではないというところから逆算すると、それくらいなのかな。『creep』でやろうとしていたことを、さらに詰めた感じの作品を今回作ったというイメージがあるので、それもあって2.5ぐらいなのかな。刻みすぎですかね?(笑)

──いえいえ、そんなことはないです。なるほど。では、今回の『Toy box』リリースまでの活動を少し振り返らせてください。2022年の6月から「boys&girls」「kid」「Landmark」「Lucky」と、ほぼ3ヶ月おきにシングルを配信リリースしてきました。「Landmark」と「Lucky」の間だけ4ヶ月空いているのですが、シングルを立て続けに配信でリリースしたのは、どんな意図があったのでしょうか?

佳大:意図は特になかったよね。

山本:そうだね。最初は3曲だけの予定だったんですよ。そしたら、めっちゃ明るくていい曲ができたから、これもリリースしちゃおうって、「Lucky」もリリースすることにしたんです。



まっち:何か意図と言えるものがあったとしたら、僕ら、まだサブスクに曲を載せてなかったから、最初の3曲は配信だけでリリースして、どんな反応があるのか探りつつっていうのはありました。

──探ってみていかがでしたか?

山本:割かし良かったと思います。サブスクを悪者にしていたわけじゃないですけど、やっぱりとっつきにくい印象があったんですよ。でも、やらないよりかは、やってみてから考えてみようかって挑戦してみたら、そんなに悪いものでもないなっていう印象がありました。できた曲をすぐにリリースできるという便利さで言ったら素晴らしいものだと思いますし、サブスクはサブスクでやれることがいろいろあるんだなってことを知った上で、今回はもう1回、CDを出そうという流れなんですよ。

▲L to R:まっち(Dr, Cho)、山本響(Vo, B)、佳大(G, Cho)

まっち:結局は、こちらの使い方だよね。

──予定にはなかったけど、明るい曲ができたから「Lucky」もリリースすることにしたということは、リリースするしないにかかわらず、曲作りはずっと続けていたということですよね?

山本:そうです。

まっち:曲を作ろうって作ったと言うよりは、響君が「曲ができた」ってサビを持ってきて、アイデアがあるなら曲にしようかって完成させて。曲ができたんだから、リリースは決まってないけど、レコーディングしようって1曲ずつ去年ぐらいからレコーディングしていったんです。その結果、レコーディングした曲がけっこう溜まってきたからアルバムをリリースしようかってなって、いい感じの曲の組み合わせを選んで、今回の『Toy box』になりました。

◆インタビュー【2】へ
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