【ライヴレポート】LUNA SEA、全国アリーナツアー『STYLE』再現公演で「ここから先の未来をみんなとともに刻んでいく」

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2023年5月29日の緊急ライヴ<LUNA SEA Back in 鹿鳴館>で告知され、大きな注目を集めた<LUNA SEA DUAL ARENA TOUR 2023>が、真新しいKアリーナ横浜を舞台に幕を開けた。4thアルバム『MOTHER』のツアー<MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>を再現した初日を経て、2日目に甦るのは、5thアルバム『STYLE』のツアー<UN ENDING STYLE>だ。

◆LUNA SEA 画像

1996年7月から始まったこのツアー<UN ENDING STYLE>のファイナルは、12月23日の横浜スタジアムライヴ<真冬の野外>。初の野外スタジアムワンマンであると同時に、LUNA SEAが“1年間の活動休止”を宣言したライヴである。つまり『STYLE』という作品は、彼らが一時活動休止に至るほど、文字通りLUNA SEAの“スタイル”を作り上げてしまった金字塔なのだ。それから27年の時を越え、奇しくも横浜スタジアムに近いKアリーナ横浜で繰り広げられたライヴには、LUNA SEAの歴史と現在、そして確かな未来があった。


暗転した会場に微かにレコードのノイズが響く。初日よりもシックな装いの5人がゆっくりと姿を現し、クラシックコンサートのような厳かな空気の中、RYUICHIの歌を合図に『STYLE』の1曲目である「WITH LOVE」が始まった。

“音楽のために造られた”と掲げるKアリーナの音響設備もあってか、厚みと迫力を伴いつつも、優しく包み込まれるようなグルーヴに驚かされる。2022年の手術と療養期間から復活を遂げたRYUICHIの歌声が艶やかで、危機を乗り越えた彼の声と存在感により、なおいっそう楽曲に“今”の5人の血が通っているように思う。単なる“再現”では終わらないだろうという予感が早くも確信に変わった。


情熱的なラヴソングから一転、SUGIZOが鋭いリフを掻き鳴らし、花火の特効とともに「G.」へなだれ込む。「お前ら、会いたかったぜ! 我がメンバーたちよ、飛ばしていくぞ!」と、RYUICHIが当時を彷彿させる言葉で会場が湧かせ、アルバムを象徴するシングル曲「END OF SORROW」へ。真矢のタイトなリズムに乗せてSUGIZOのロングトーンが響き渡り、ぐいぐいビートを牽引するJのベースとINORANの軽やかなサウンドが絡み合う。これぞLUNA SEA、というスタイルを惜しげもなく見せつけた。

ラヴソングの“静”から、アグレッシヴなロックナンバーで“動”に切り替えるだけでなく、さらに“深”いところに誘うのがLUNA SEA。Jのベースが蠱惑的にウネる「LUV U」、触れたら火傷しそうなほどヒリついたサウンドの「SLAVE」と、どんどんディープな世界に惹き込まれていく。“人が心の牙で争う夢を見た”と迫り来る世紀末への警鐘を込めた「1999」が、サウンドの鮮烈さも相まって、現代への警鐘として刺さったのは皮肉な話だ。昔も今も、LUNA SEAは音楽を通して我々に問いかけ、心を衝き動かしてくる。


「1999」から、真矢とINORANが目配せして「RA-SE-N」に繋ぐと、さらに濃密な時間が訪れた。舞うようにギターを掻き鳴らすSUGIZOに対して、Jが淡々とベースを刻み、中央ではRYUICHIが全身を使って歌い上げる。渦巻く闇から光に転じる展開に息を呑み、テンションがピークに達する間奏では、SUGIZOと向かい合ったRYUICHIがギターの音色に本能的なフェイクを重ねていく。5人5様の底知れない表現力と生々しいグルーヴに圧倒され、ただ立ち尽くすしかできなかった。

経験値を詰んで進化したメンバーと過去のスタイルの邂逅、そして融合。その刺激をたっぷり堪能したライヴの中で、特に強く実感したのは、「RA-SE-N」の混沌に続く「SELVES」だった。引き算のアレンジで生まれる透明な浮遊感と、RYUICHIのメロディにINORANがウィスパーボイスを重ねるという新しい要素で、原曲よりもグッと成熟している。50代だからこその色香と言うべきか、どこまでも心地よい音に酔いしれた。


20分の休憩を挟み、初日同様、真矢のドラムソロがスタートするか…と思いきや、真矢に続いてJも登場。Jが1996年の<UN ENDING STYLE>で披露していたリズムセッション「BACK LINE BEAST」のフレーズを弾き始めると、大きな歓声が上がった。横浜スタジアムや東京ドームをライヴハウスに変えてきた熱いセッションが、Kアリーナの一体感を高めていく。「J!」コールと「真矢!」コールが巻き起こる会場を、「飛ばしていくぞー!」とJが煽り、そのまま「Déjàvu」で後半戦に突入した。

当時から近年までライヴを盛り上げ続けてきた「DESIRE」「TIME IS DEAD」を畳みかけ、激しいステージングを展開。時代を越えるキラーチューン「ROSIER」では、SUGIZOとINORANが背中合わせで笑い合ったり、お馴染みJのマイク投げに歓声が沸いたり、熱狂が加速していった。


「約30年の時を経て甦ったこのツアー。俺たちは当時、客? ファン? いや、メンバーであるみんなとともに、インディーズからムーブメントを起こしてきました。俺たちは、もちろん過去に足跡、歴史、思い出がたくさんあるけど…ここから先の未来を、今日ここにいるみんなとともに刻んでいくから」──RYUICHI

力強い宣言とともに「飛ばしていけるか!?」とRYUICHIがシャウトし、真矢の獰猛なビートで「HURT」へ。背景に映るマグマの映像に負けないほど、灼熱としか表現できないグルーヴが会場を席巻する。すべてを燃やし尽くさんとするRYUICHIの絶唱、その気迫とせめぎ合うリズム隊、正確なINORANのストロークとギターソロに速弾きフレーズを盛り込むSUGIZOの対比も美しい。もはや“再現”などではなく、2023年のLUNA SEAに漲るエネルギーを存分に浴び、余韻と残響の中で本編の幕が降りた。


大きな拍手で迎えられたアンコールでは、11月29日リリースのセルフカバーアルバム『STYLE』のジャケット画像がLEDヴィジョンに映し出される。ジャケットを指差して誇らしげな表情を見せるメンバーの様子から、レコーディングの充実感が伝わってきた。

「レコーディングをするとさ、約30年前に作った曲たちがめちゃめちゃ新しいんだよ。すっげえアルバムが2枚できたし、このツアーもスタートしたので。もう一度、俺たちにしか作れない世界、俺たちにしか見えない景色を作りに行こうぜ!」──RYUICHI

ミラーボールの光に包まれた「IN SILENCE」のあとは、メンバー紹介の時間。真矢が「おまえら、本当に最高だぞ! ここから幸せいっぱいのツアーにしたいと思います」と告げ、「こんな瞬間、二度と来ないと思ってました。だけど、年末までみんなで楽しめるね。盛り上がって行こうぜ!」とJ。RYUICHIへの耳打ちスタイルを貫いたINORANに続き、SUGIZOは「一緒に狂気のLUNA SEAを進化させていきましょう。最高に…(オフマイクで)愛してるぜ!」と叫んだ。SUGIZOに「不死鳥・RYUICHI!」と呼ばれたRYUICHIは、「自分たちの見たいもの、やりたいことを掲げてきたけど、みんなと共にまだまだやれそうだよね」と不敵に語る。手術以降、むしろ積極的にライヴを重ねて新しい歌声を磨いてきた彼には、まさしく不死鳥という言葉が相応しい。

さらに、初日と同様にここからは写真撮影が解禁。オーディエンスが張り切ってスマホを構える中、ピースフルなムードでスタートした「PRECIOUS...」では、センターにJ、RYUICHI、SUGIZOが並び、INORANはドラム台で真矢と絡むというシーンも。そこから「WISH」で恒例の銀テープが舞い、目映い光景を作り上げた。


そして、5人全員が白い衣装で登場したダブルアンコール。ラストに残されていた1曲は、『STYLE』の核とも言える名バラード「FOREVER & EVER」だ。INORANのアルペジオに導かれて曲が始まると、LEDヴィジョンに映し出されたのは<真冬の野外>でのライヴ映像だった。リアルタイムの映像とシンクロするような演出で、切なく美しい楽曲を介して過去と現在が繋がっていく。

まさに“一年間の活動休止”を告げた直後、初めての変革期にあった1996年。終幕やさまざまな危機を乗り越えて5人が並び立っている2023年。メンバーはもちろん、会場にいた全員がそれぞれの感懐を抱いていたに違いない。同時に、全員が“この先”を感じていたはずだ。レジェンドと呼ばれるようになった今なお、まだまだLUNA SEAは未来を探し続ける。「FOREVER & EVER」の美しいメロディとサウンドスケープに決意と愛情を込めて贈り、記念すべき二夜はフィナーレを迎えた。

最後に「喋っちゃおうかな!」とはにかんだINORANが「次は福岡で会おう!」と告げたとおり、<LUNA SEA DUAL ARENA TOUR 2023>は始まったばかり。これまでのアルバム再現企画はコンセプチュアルな一夜限りのライヴが多かったのに対し、ツアーという形態で挑むということは、LUNA SEAは1995~1996年の自分たちそのものに対峙しようとしているのかもしれない。頂点へと駆け上がっていった時代と呼応することで、今の彼らがどんな進化を遂げるのか。新しい扉を開いたLUNA SEAから、ますます目を離せない。

取材・文◎後藤寛子
撮影◎田辺佳子/上溝恭香/清水義史

■<LUNA SEA DUAL ARENA TOUR 2023「UN ENDING STYLE 」>10月8日(日)@Kアリーナ横浜 SETLIST

01. WITH LOVE
02. G.
03. END OF SORROW
04. LUV U
05. SLAVE
06. 1999
07. RA-SE-N
08. SELVES
Drum solo
Bass solo
09. Déjàvu
10. DESIRE
11. TIME IS DEAD
12. ROSIER
13. HURT
encore
14. IN SILENCE
15. PRECIOUS...
16. WISH
17. FOREVER & EVER

■<LUNA SEA DUAL ARENA TOUR 2023>


【神奈川】
10月07日(土) Kアリーナ横浜
 <MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>
 open16:30 / start18:00
10月08日(日) Kアリーナ横浜
 <UN ENDING STYLE>
 open15:30 / start17:00
【福岡】
11月04日(土) マリンメッセ福岡B館
 <MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>
 open17:00 / start18:00
11月05日(日) マリンメッセ福岡B館
 <UN ENDING STYLE>
 open16:00 / start17:00
【宮城】
12月02日(土) ゼビオアリーナ仙台
 <MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>
 open17:00 / start18:00
12月03日(日) ゼビオアリーナ仙台
 <UN ENDING STYLE>
 open16:00 / start17:00
【愛知】
12月16日(土) 日本ガイシホール
 <MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>
 open17:00 / start18:00
12月17日(日) 日本ガイシホール
 <UN ENDING STYLE>
 open16:00 / start17:00
【大阪】
12月30日(土) 大阪城ホール
 <MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE>
 open18:00 / start19:00
12月31日(日) 大阪城ホール
 <UN ENDING STYLE -COUNTDOWN SPECIAL->
 open21:00 / start22:00

▼チケット
・チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/lunasea/
・イープラス: https://eplus.jp/lunasea/
・ローソンチケット: https://l-tike.com/concert/mevent/?mid=465766
・mu-mo TICKET: http://r.y-tickets.jp/lunasea2302

■セルフカバーアルバム『MOTHER』

▲セルフカバーアルバム『MOTHER』ジャケット

2023年11月29日 発売
【初回限定盤 A (ALBUM CD+DVD ※内容未定①)】
【初回限定盤 B (ALBUM CD +Blu-ray ※内容未定①)】
【通常盤 (ALBUM CD)】
▼ALBUM CD ※全形態共通
01 LOVELESS
02 ROSIER
03 FACE TO FACE
04 CIVILIZE
05 GENESIS OF MIND 〜夢の彼方へ〜
06 AURORA
07 IN FUTURE
08 FAKE
09 TRUE BLUE
10 MOTHER

【SLAVE限定盤 PREMIUM BOX A】
・ALBUM CD
・LIVE CD 『THE BEST OF LUNA SEA 2023』 2023.5.27「A Rosy Show」Selection
・DVD 『THE BEST OF LUNA SEA 2023』 2023.5.27「A Rosy Show」Selection
・「MOTHER」オリジナルTシャツ
・『THE BEST OF LUNA SEA 2023』スタッフパス
・BOOK 『THE BEST OF LUNA SEA 20232』 2023.5.27「A Rosy Show」 ライヴ写真集
【SLAVE限定盤 PREMIUM BOX B】
・ALBUM CD
・LIVE CD 『THE BEST OF LUNA SEA 2023』 2023.5.27「A Rosy Show」Selection
・Blu-ray 『THE BEST OF LUNA SEA 2023』 2023.5.27「A Rosy Show」Selection
・「MOTHER」オリジナルTシャツ
・『THE BEST OF LUNA SEA 2023』スタッフパス
・BOOK 『THE BEST OF LUNA SEA 20232』 2023.5.27「A Rosy Show」 ライヴ写真集
※SLAVE限定盤はLUNA SEAファンクラブ『SLAVE』会員限定販売

■セルフカバーアルバム『STYLE』

▲セルフカバーアルバム『STYLE』ジャケット

2023年11月29日 発売
【初回限定盤 A (ALBUM CD+DVD ※内容未定②)】
【初回限定盤 B (ALBUM CD +Blu-ray ※内容未定②)】
【通常盤 (ALBUM CD)】
▼ALBUM CD ※全形態共通
01 WITH LOVE
02 G.
03 HURT
04 RA-SE-N
05 LUV U
06 FOREVER & EVER
07 1999
08 END OF SORROW
09 DESIRE
10 IN SILENCE
11 SELVES

【SLAVE限定盤 PREMIUM BOX A】
・ALBUM CD
・LIVE CD 『THE BEST OF LUNA SEA 2023』 2023.5.28「A Show for You」Selection
・DVD 『THE BEST OF LUNA SEA 2023』2023.5.28「A Show for You」Selection
・「STYLE」オリジナルTシャツ
・『THE BEST OF LUNA SEA 2023』スタッフパス
・BOOK 『THE BEST OF LUNA SEA 20232』 2023.5.28「A Show for You」 ライヴ写真集
【SLAVE限定盤 PREMIUM BOX B】
・ALBUM CD
・LIVE CD 『THE BEST OF LUNA SEA 2023』 2023.5.28「A Show for You」Selection
・Blu-ray 『THE BEST OF LUNA SEA 2023』 2023.5.28「A Show for You」Selection
・「STYLE」オリジナルTシャツ
・『THE BEST OF LUNA SEA 2023』スタッフパス
・BOOK 『THE BEST OF LUNA SEA 20232』 2023.5.28「A Show for You」 ライヴ写真集
※SLAVE限定盤はLUNA SEAファンクラブ『SLAVE』会員限定販売

■「LOVELESS」「G.」先行配信

2023年10月4日(水)配信リリース
・「LOVELESS」ストリーミング・ダウンロード:https://avexlunasea.lnk.to/LOVELESS_st
・「G.」ストリーミング・ダウンロード:https://avexlunasea.lnk.to/G._st

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