【速レポ】モンパチフェス＜WWW!!23＞、青春全開ティーンエイジャーの音でステージ開幕「こんな大きなステージに立たせていただき、ほんとうれしいです」

11月とは思えない真夏を思わせる太陽の下、海からの心地いい風に吹かれながら、＜MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!!23＞第1日目のKAGIYADE-FUU ACTを務めたのは、ともにバンドコンテストの全国大会進出が認められ、地元の大先輩バンドが主催するフェスティバルで演奏するというチャンスを掴んだ真志喜中学校軽音楽部と、普天間高校の軽音楽部に所属するLOUD SPEAKERの2組だ。

◆ライブ写真

中学生ながら、高校生のバンドコンテスト「スニーカーエイジ」の沖縄地区大会でグランプリに輝いた真志喜中学校軽音楽部は、47人いる部員の選抜メンバー18人が曲ごとに入れ替わりながら3曲を披露した。





3曲すべてがカバーというところが微笑ましいが、「こんにちは。真志喜中学軽音楽部、1曲目はこの曲です！」と声を上げ、メンバー全員が手拍子しながら演奏になだれこんだKANA-BOONの「ないものねだり」をはじめ、大人数ならではと言えるアレンジとともに繰り広げる躍動感に満ちた華やかなステージングは、なかなかの見応えだ。その「ないものねだり」は、ボーカルを担当する女子2人とハーモニーを加える男女2人のボーカル・アンサンブルが聴きどころ。



緊張していたのか（いや、緊張して当然だろう）、序盤こそ演奏は堅かったが、「コール＆レスポンス行きます！」と前述の4人が歌声を重ねると、演奏にグルーブが生まれ、観客が手を振り始める。



「タオルを一緒に回して、一緒に盛り上がって欲しいです！」と繋げたKANA-BOONの「フルドライブ」はリズム隊のタイトな演奏と歪みをきかせたギタープレイでガッツをアピール。ワウを踏んだダイナミックなギターソロに客席から歓声が上がる。




12月6日、東京ドームシティーホールで開催される前掲バンドコンテストの全国大会に出場する意気込みを語ってから、最後に総勢12人で演奏したVaundyの「怪獣の花唄」でも再びボーカルアンサンブルで観客を魅了する。熱演をやり遂げたメンバー達に観客は惜しみない拍手喝采を贈った。


そんな真志喜中学校軽音楽部に続いたLOUD SPEAKERは、黒川源心（Vo, G）、謝名律良（B, Cho）、竹川幸花（Dr, Cho）からなる3人組ロックバンド。高校生バンドを応援する「TEENS ROCK IN OKINAWA」でグランプリに輝き、全国大会に進出を果たした。

「こんな大きなステージに立たせていただき、ほんとうれしいです。ありがとうございます！」（黒川）

大舞台に立つ歓びを素直に言葉にしながら、3人は「省エネモード」「癖」「夏の実験」というオリジナルナンバー3曲を披露。日々の憂鬱を歌った「省エネモード」から、ファルセットも交える黒川のハスキーな歌声、サビで竹川が加えるハーモニー、そしてグリッサンドに印象的なパッセージを加え、ソロと言ってもいいメロディアスなフレーズを閃かせる謝名のダイナミックなベースプレイと彼らならではと言える魅力を印象づけていく。

2曲目の「癖」ではファンキーなリズムとラップっぽいリズミカルなボーカルで、単にギターロックの一言に収まりきらない個性もアピール。

「11月なのに暑すぎる」（黒川）
「でも、お陰で海がこんなにきれいです」（竹川）
「もっと暑くしていきます！　ラスト1曲」（黒川）


ラストナンバーに選んだ「夏の実験」は、「これから長いつきあいになる曲」という黒川の言葉から想像するにLOUD SPEAKERの代表曲のようだ。それがロックバラードというところが興味深い。

絶妙に休符を入れ、3人が演奏に加えるキメも聴きどころ。右手を挫いてしまい、この日の朝までギターが弾けなかったという黒川がチョーキングから渾身のソロを披露。最後、テンポアップしながら演奏の熱をぐっと上げ、熱演を締めくくった3人に観客が再び拍手喝采を贈ったことは言うまでもない。

2組が精一杯表現した熱さと爽やかさは露払いにぴったりだった。さあ、楽しい1日なりそうだ！

文◎山口智男
写真◎maki nagamine