【速レポ】モンパチフェス<WWW!!23>、WWW!! Special Session 島袋優 presents -Okinawa moon-に至高の唄心が集結「絶対に沖縄の底力を持ち帰ってほしい」
1990年のデビュー以来、沖縄の心を歌い続けてきたBEGINの島袋優(G, Vo)がホストを務めるわけだから、<What a Wonderful World!! 23>最終日のSpecial Sessionは、レゲエとヒップホップのグッドバイブスで観客の気持ちを煽り立てるようにアゲていった前日のThe BK Soundと仲間達の熱狂のステージとは打って変わって、時間がゆっくりと流れる中、じっくりと歌を聴かせるものになるに違いない。そんなふうに想像しながら、足を運んだマングースSTAGE。
◆ライブ写真
予想通り歌心をたっぷりと堪能させながら、参加メンバーの豪華な顔ぶれと誰もが一度は耳にしたことがある名曲揃いのセットリストは、こちらの想像をはるかに超えたところで、<What a Wonderful World!! 23>の大きな見どころになっていたと思う。
「ハイサイ! まだまだ夏をあきらめていない沖縄です!」という島袋の挨拶から演奏し始めた1曲目は、携帯電話のCMで浦島太郎を演じた俳優の桐谷健太が歌った「海の声」。歌うのは同曲を作曲した島袋。演奏するのは、BEGINの比嘉栄昇(Vo)の息子、比嘉舜太朗(Dr, Vo)がメンバーにいる4人組の沖縄ポップスバンド、HoRookies。三線の音色のイメージが色濃い「海の声」のポップアレンジが新鮮だ。徐々に熱を帯びていく島袋の歌声とHoRookiesの演奏に観客は拍手喝采。この1曲で誰もが文字通りSpecial Sessionになると確信したに違いない。
基本、島袋とHoRookiesがハウスバンドを務めながら、ゲストを迎え、Special Sessionは進んでいくのだが、2曲目で早くもクライマックスが訪れる。
「早速、お呼びしたいと思います。宮沢和史!」という島袋の言葉に客席エリアから大きな歓声が起こる。島袋が奏でるエレキギターのフレーズに宮沢が三線の音色を重ねる。
演奏するのは、もちろん「島唄」だ。宮沢の歌声にHoRookiesの4人が重ねるハーモニーも素晴らしい。そして、島袋が音色を泣かせながら、ギターソロを奏でると、舜太朗がドラムのフィルをばんばん差しこみ、演奏は白熱。最後、どんどんテンポアップしていった演奏に客席エリアから再び大きな歓声が上がった。
「ここでもう1人紹介したいと思います。我らが上江洌清作(以下キヨサク)! こんな機会を作ってくれてありがとう。僕らBEGINが第1世代としたら、モンパチやORANGE RANGEは第2世代。そして、HoRookiesは第3世代。第2世代のキヨサクと第1世代の比嘉の息子、舜太朗に1曲やってもらいたいと思います!」
そんなふうに島袋に促され、2人がそれぞれウクレレを弾きながらデュエットしたのは、モンパチの「小さな恋のうた」。デュエットというスタイルを取りながら、サビを舜太朗に歌わせ、そのハイトーンの美しい歌声にハーモニーを重ねるキヨサクの心遣いが心憎い。最初、手拍子しながら、体を揺らしていた観客達は2人の歌声の虜になり、いつしか身じろぎもせずに聴き入っていた。
それにしてもこの不朽の名曲は、この3日間で何回、沖縄の大空に放たれただろうか。そして、4曲目はHoRookiesがオリジナルの「結の唄」を披露した。
「1曲だけHoRookiesが務めさせていただきます。音楽を始めてからこのステージに立ちたいと思ってました。夢みたいな日です。沖縄からモンパチみたいに全国を目指してがんばっています。このフェスのタイムテーブルにHoRookiesの名前が載ることを夢見て、爪痕を残したいと思います!」
舜太朗が意気込みを語ってから演奏したその「結の唄」は、舜太朗が三線を弾きながら歌うバラード。島を離れ、都会で暮らす子と、この子を思う親の折り重なる気持ちを綴った歌詞、沖縄民謡の影響が滲むメロディともに確実に父・栄昇のDNAが感じられる。
「モンパチの背中を追いかけて、僕達もがんばります!」──やり遂げたという満足を表情に浮かべながら言った舜太朗をはじめ、HoRookiesの面々に観客が贈ったのは温かい拍手だった。
そのHoRookiesのキーボード奏者、垣花義毅が教会風のオルガンを奏でる中、「沖縄の歌姫達!」と島袋が呼び込んだのは、沖縄音楽の4人組女性ボーカルユニット、ネーネーズ。そのネーネーズはボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの「No Woman, No Cry」とオリジナルのバラード「黄金の花」の2曲を披露。
前者はバンドの演奏がファンキーなのにネーネーズの4人の節回しは沖縄民謡風というところがユニークの一言。そして、それ以上に素晴らしかったのが、“黄金の花はいつか散る 素朴で純情な人達よ 本当の花を咲かせてね”と歌いながら、可憐な中に力強さもアピールする後者の歌声だ。ちょうど海に沈もうとしている夕日がステージのネーネーズを黄金色に染めるという自然の演出も含め、「島唄」にも勝るとも劣らないクライマックスの光景を観客全員の脳裏に焼き付けたことだろう。
そんなネーネーズの絶唱に島袋もキヨサクも「泣きそう」と声を揃えたが、もちろん筆者も同感だ。
「これで終わっていいんじゃないと思ったけど、絶対に沖縄の底力を持ち帰ってほしい」とキヨサクが言い、さらに2曲を披露。
レゲエにアレンジしたモンパチの「あなたに」はこの日、ハブSTAGEのオープニングアクトを務めた島バナナーズのメンバー達がステージを賑わせながら、キヨサク、HoRookiesの川満祐輝(G, Vo)、舜太朗、ネーネーズと歌い継ぎ、最後はHoRookiesの津波俊之介(B)の躍動感あふれるベースプレイに導かれ、グルーヴィに展開したバンドの演奏に合わせ、全員がカチャーシーを踊りながら歌声を重ねる。
そして、そこにかりゆし58、ORANGE RANGE、D-51のメンバー達が加わって、最後に再び全員で歌声を重ねたのがBEGINの「島人ぬ宝」。そこにいる全員の心にピースフルな感情を芽生えさせた大団円を目の当たりにしながら、前日の“WWW!! Special Session The BK Sound Presents -Good Vibes Only-”同様、筆者は今一度、この“WWW!! Special Session”が今後、<What a Wonderful World!!>の目玉と言える見どころになっていくことを確信したのだった。
文◎山口智男
写真◎macoty
セットリスト
2. 島唄
3. 小さな恋のうた
4. 結の唄
5. No Woman, No Cry
6. 黄金の花
7. あなたに
8. 島人ぬ宝
<MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!!23>
11月3日 DAY1
MONGOL800/04 Limited Sazabys/赤犬/かりゆし 58/きゃりーぱみゅぱみゅ/サンボマスター/湘南乃風/DIAMANTES/真志喜中学校軽音楽部/LOUD SPEAKER(普天間高校軽音楽部)
道ジュネー:新城青年会
11月4日 DAY2
MONGOL800/Creepy Nuts/D-51/TETORA/ハルカミライ/FOMARE/RIP SLYME/ROTTENGRAFFTY/WWW!! special session The BK Sound presents -Good Vibes Only
道ジュネー:江洲青年会
11月5日 DAY3
MONGOL800/ORANGE RANGE/KICK THE CAN CREW/島バナナーズ/DOBERMAN/HUSKING BEE/HEY-SMITH/WANIMA/WWW!! special session 島袋優(BEGIN)presents -Okinawa moon
道ジュネー:栄口青年会
2023年11月3日(金・祝)、4日(土)、5日(日)
*雨天決行/荒天中止
@沖縄県 宜野湾マリーナ・トロピカルビーチ特設会場(901-2224 宜野湾市真志喜 4-2-1)
開場11:00 開演13:00
各1日券【前売】一般 9,900 円(税込)|中高生 4,000 円(税込)
2日通し券【前売】一般 18,000円(税込)※11/3・4、4・5 券の2種
3日通し券【前売】一般 27,000円(税込)
※小学生以下はチケットをお持ちの保護者1名様につき、1名まで入場無料
※中高生チケットは1日券のみ、一般発売からの販売
[問]PM AGENCY
TEL:098-898-1331(平日 11:00-15:00)https://www.pmnet.co.jp
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