【インタビュー】FAKY、「これから“DEPARTURE”だねって一緒に思えるように」

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ビジュアル・楽曲・映像・ダンス・歌・多様性すべてを備えたガールズユニオン・FAKY。2024年1月13日、神奈川・KT Zepp Yokohamaで開催する<FAKY ONEMAN LIVE 2024 -DEPARTURE->に向け、邁進中だ。

◆全曲トレーラー

そんなFAKYは、11月15日にライブと同タイトルを掲げたニューEP『Departure』をリリース。本作にはm-floの☆Taku Takahashi、Da-iCEの工藤大輝、花村想太らをクリエイターとして迎えて制作された全6曲を収録。FAKY史上最も大きな舞台となるKT Zepp Yokohama公演に向けての、大事な作品となっている。本作に寄せて、今回BARKSではスタイリッシュでクールに見える彼女たちの内側に宿るインタビューを実施。5人の熱いパーソナリティーに着目してほしい。

   ◆   ◆   ◆

◾️本当に心が動いたらやるし、行く。それだけなんですよね。

──先日、渋谷の公園で行なっていたストリートライブを見せていただきました。

全員:ありがとうございます!

──3月開催のLIQUIDROOMワンマンに向けてストリートライブをしていたときもそうでしたけど、なぜFAKYはフルコーデの衣装まで着るという完璧なスタイルでストリートライブをやってるんですか?

Hina:もともとストリートライブを始めたのは、LIQUIDROOMに向けて“Road To 800”というテーマを掲げて800枚のチケットを手売りしようという試みがきっかけだったんですけど。コロナ禍になってから、私たちはファンのみなさんと一緒になにかをやる機会が減っていってしまって……。ワンマンに向けて一緒に何かできる機会を作りたいという思いと、FAKYの音楽を一番伝えられる“ライブ”というものをいろんな方に見てほしいという思いから続けています。ストリートライブは、まったくFAKYのことを知らない通りすがりの方や、ライブは行ったことないけど何かのついでなら観てみようかなという方に、私たちのことを知ってもらう手段としてすごく効果的なんです。

──そうなんですか?

Hina:はい。実際“Road To 800”フリーライブのときにも「いま初めて観たけどライブに行きたくなった」とチケットを買って下さるかたもいらっしゃいました。1人でも多くの方にFAKYの音楽を届けるには、ストリートがベストだなと思っています。

──ストリートをやるようになって、なにか変わったことはありますか?

Lil’ Fang:いままでもチケット1枚1枚の重みは分かっていたつもりなんです。各々が働いたお金や、やりくりした時間をこの一瞬のライブのために使ってくれてるって。だけど、面と向かって中学生の子から「お小遣い貯めてチケット買いに来ました」とか、社会人の方に「この日に絶対有給使ってライブ行くから」とか直接聞くと、1枚のチケットの重みを実感できたんですよね。よりライブの一瞬一瞬が大切なものに変わって、価値のあるものにしなくちゃいけないなという風に思うようになりました。


──とびきりゴージャスなセレブが集結した「Calvin Kleinグローバルイベントin TOKYO」のパーティーにファッショニスタとしてゲスト参加する反面、街中のパークで普通にストリートがやれてしまうところ。そこはFAKYの凄いところですよね。

Lil’ Fang:そんなこといったら、その時間に集まってくれるファンの方々のほうが凄いですよ。だってその時間、友達と遊びに行ったり好きなことができるのに、わざわざ私たちのためにスケジュールを合わせて会いに来てくれてるんだから。「設備が整っていないストリートではやれません」とか、そういう気持ちは誰も持っていません。来てくれる人が1人でもいるなら、衣装も着て、完璧な状態のFAKYを観せたい。そこはみんな同じだと思う。でもやっぱりストリートって難しいんですよ。みんなもやってて感じない?

Akina、Taki、Hina、Mikako:感じる〜。

Lil’ Fang:照明もないし、ステージと客席の間の距離もないし、とっても難しい。だから、メンバーでめっちゃ話し合うんですよ。

──ストリートってフリーライブじゃないですか。それでも?

Lil’ Fang:無料だからどうとか、みんな思ってないですね。


──例えばFAKYのブランディングという意味では、ハイブランドをカッコよく身にまとったカリスマ性を押し出して、気軽にストリートはやらない。そんな打ち出し方もできると思うんです。

Taki: FAKYはオープンなんです。人を選ばないし、場所とか環境とか気にしない5人なので、本当に心が動いたらやるし、行く。それだけなんですよね。

──おぉー、カッコいい!

Taki:心が動いたら、やれる5人だから。

Lil’ Fang:メンバーみんなが、主語をFAKYで考えています。そのせいか、お客さんもFAKY自体を推してくれている方が多くて。

──いわゆる、ハコ押しなんですね。

Lil’ Fang:そこは、さっきTakiがいってた「人を選ばない」という私たちの在り方が反映されてるのかなと思ってます。

──いい関係ですね。それではここからはニューEP『Departure』について聞いていきたいと思います。今作に参加したクリエーター陣をチョイスしたポイントから教えてください。

Akina:ボーダーレスで活動していきたいので、それを私たちから引き出してくれる幅広いジャンルの天才クリエーターの方々にお願いして作りました。



──一緒にやってみてどうでしたか?

Akina:今作は日本語が多かったんで、私とTakiは日本語での歌い方やニュアンスのつけかたがすごく勉強になりましたし。あとは、一人ひとりのスタイル。こうやって声を出した方がこの曲では個性が出るとか細かくディレクションしてもらえたので、1曲1曲聴いていくと、曲もだけど歌い方も全然違ったテイストに聴こえると思います。

──「Departure」をDa-iCEの工藤大輝さんにお願いした理由は?

Hina: 今年Da-iCEさんのアリーナツアーにFAKYはオープニングアクトとして何カ所か出させて頂いたんですが、その打ち上げの席で大輝さんが「ダーリン(Prod.GeG)いいよね」と言ってくれて。

──FAKYのなかでもあのエモチルなラブソングに響いてくれた、と。

Hina:ええ。「FAKYはカッコいい曲や強い曲が多いけれど、もっと繊細なところや弱さを見せてもいい頃なんじゃない? そういう曲、書いてみたい」ってぽろっといってくださった一言を私とLilが逃さず「絶対書いてください!」といって書いてもらったものなんです。

▲Hina

──工藤さん自ら書きたいとおっしゃってくれたんですか?

Lil’ Fang:えっと……いわせてしまった(笑)?

Hina:「私たちもあの曲は好きなんですけど、ああいう曲、FAKYにはないんですよね……」とか言って(笑)。そして完全にお任せして上がってきたのがあの曲でした。

──しっかりFAKYらしさを活かしている曲になりましたね。

Lil’ Fang: FAKYの初期の頃はクリエーターさんから上がってきたオーダーに自分たちの能力でどこまで返せるか、というがむしゃらなやり方をしてきましたが、今は自分たちで曲を作ったりするようになったことで、クリエーターさんたちと自分たちの音楽論を持ってコミュニケーションできるようになったのも大きいかもしれません。

▲Lil’ Fang

──クリエーターとのセッションのなかで、“FAKYらしい”歌を返せるようになったと。

Lil’ Fang:はい。Takiはすごい褒められてたもんね?

Taki:すっごい準備してレコーディングにのぞみましたから。

Lil’ Fang:Takiは、歌詞の一語ごとに自分の解釈を書いてきたんですよ。

Taki:歌詞は日本語で渡されるから、まずそれを平仮名にして、さらにそれをローマ字にして考えます。そのローマ字もネイティブな日本語を聞いて、表記を考えて書いたりして。

Lil’ Fang:「これはどういう意味なの?」とか「この言葉の意味は分かるけど、こういう言い方で歌ったら変かな?」とか質問してるのを聞いて驚きましたよ。

Taki:私は2022年リリースの『F』で初めてアルバム作りに挑戦したから、今回は自分が成長しているところもみせたかったんですね。日本語がさらに理解できるようになったからこそメンバーのこともすごく頼れるようになったし、歌詞の意味も「これ、こういう歌い方ありだよね?」って。


Taki:今回は歌詞もそうですけど、まずどんな作品を作りたいのかというみんなの考えを理解した上でレコーディングしていったんですね。

Lil’ Fang:何を隠そう、この『Departure』というタイトルの発案者は、このTakiちゃんなんですよ!

Taki:みんなの話していることを聞いてたら、パッと思いついたんです。来年のワンマンのミーティング中に、タイトルをどうするか話し合っている中で出てきたワードが“出発”。Departureというのは出発という意味なんですが、私たちの新たなスタートという解釈もできる。それならニューEPも同じタイトルにしたほうが私たちの気持ちがこもっいていいなと思って。

Lil’ Fang:それで『Departure』に決まって。じゃあこのEPを代表するような曲ってどれだろうねと考えて、大輝さんの曲を表題曲として「Departure」というテーマでお願いしました。大輝さんが制作に入ったあとでワンマンのタイトルとEPのタイトルをお伝えしたので、たぶんそこから感じ取ってくれてこの曲が上がってきたんだと思うんですけど、歌詞が届いたとき「大輝さん、私たちのこと感じ取ってくれてて嬉しい!」って思って。歌詞見たときにみんな鳥肌たったもんね? 

Akina、Taki、Hina、Mikako:うん!

──こういうチルでアーバンなエレクトロサウンドを表題曲とし1曲目に置いたのは、EP盤だからこその作りだなと思いました。曲調に合わせて、ブレスたっぷりに奥行きを感じさせて歌うFAKYのボーカルも、成長を感じた部分でした。

全員:ありがとうございます。

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