【イベントレポート】Pay money To my Pain、映画『SUNRISE TO SUNSET』舞台挨拶で万感の思い「Kみたいな男になりたい」

ツイート

日本のラウドロックシーンの礎を築いたPay money To my Pain(以下、P.T.P)のドキュメンタリー映画『SUNRISE TO SUNSET』の劇場公開を記念した初日舞台挨拶が、11月17日に東京・新宿バルト9で行われた。舞台挨拶には、P.T.PのT$UYO$HI(B)、PABLO(G)、ZAX(Dr)と、茂木将監督が登壇し、制作にあたってのエピソードや不世出のボーカリストKとの思い出について語った。

◆イベント画像

映画『SUNRISE TO SUNSET』は、P.T.P活動休止から10年という節目に公開となった。Kの急逝後、2013年12月30日に活動を休止した同バンド。映画では、残されたメンバーやP.T.Pをリスペクトする人々の証言、これまで公開されることのなかった貴重な映像や、2020年に一夜限りの復活を果たした<BLARE FEST.>のライブパフォーマンスを全編ノーカットで見ることができる。

映画上映後に行われた舞台挨拶は、メンバーそれぞれがP.T.Pを今なお深く愛していること、P.T.Pの音楽、そして魅力に溢れていたKという男の存在を忘れないでほしいということが伝わる内容だった。

▲ZAX(Dr)

司会から、完成した映画を見た感想を問われたZAXは「泣いてばかりいるんですよね」と目を潤ませながら話し、「ほんまにKっていう男はすごいやつだった。とんでもない、素晴らしいボーカリスト」だったと過去の記憶をたぐりながら、思い出を噛み締めるように語った。

▲PABLO(G)

「Kに出会ってから、漫画や映画のような波乱万丈の人生だなと思っている」と振り返ったT$UYO$HIに同意していたPABLOは、「記憶の中に封印していたものを思い出し、後半は画面が見れなかった。それでも、がむしゃらにこのバンドをやってきて良かったと思えた」と感慨深げだった。

▲T$UYO$HI(B)

またT$UYO$HIは、海外での積極的な活動願望があったことも明かし、「始めたときからいつぶっ壊れるかわからないバンドだった。精一杯自分たちなりにやれたんだなと思った」と胸を張った。

映画には、4thアルバム『gene』でゲストボーカルを務めたJESSE (The BONEZ, RIZE)や、Taka(ONE OK ROCK)、Masato (coldrain)など、P.T.Pと関係の深いバンドマンも多数出演している。茂木監督は映画の制作にあたり、「“P.T.Pが残したものとは何か”というコンセプトで制作した。自分で脚色しないよう心がけながら全員にインタビューしました」と撮影時の心情を語った。

▲茂木将監督

最後のエンドロールに選んだ曲は「K君の“遺言”でした」と茂木監督から驚きの発言も。会場がどよめく中、「彼との約束が果たせたと思っています」と嬉しそうな表情も見せた。

このほか舞台挨拶では、たくさんのファンから「<BLARE FEST.>の映像を公開しないんですか」との声をもらったことが制作のきっかけだったことや、映画を一夜限りで公開する案も存在していたことなどについても語られた。


PABLOは、「ずっとP.T.Pは奇跡を更新し続けている。今なお、みんなの中で音楽が鳴り続けたらとても嬉しい。1秒足りともP.T.Pのことを忘れずにギターを弾いていきます」と力強く宣言。T$UYO$HIは「人生を懸けたいものがこのバンドでした。P.T.Pを大事にしてくれるのも嬉しいけど、みんなの隣にいる人を大事にしてもらえたら。何にもできなくなってからでは遅いので」と呼びかけた。

ZAXは最後まで涙をこらえながら、「人に優しくありたい。Kみたいな男になりたいなと思います。みなさんも優しい人間になってください」と笑顔で語りかけていた。

取材・文・撮影◎東 純史(BARKS)

『SUNRISE TO SUNSET』

製作:ワーナーミュージック・ジャパン
制作:ハッチ
プロデューサー:田中健太郎
アソシエイト・プロデューサー:末広哲士
LIVE映像監督:スズキダイシン
監督:茂木将
出演:Pay money To my Pain、JIN (High Speed Boy inc.)、Kihiro (Supe)、JESSE (The BONEZ , RIZE)、Kj (Dragon Ash , The Ravens)、Hiro (MY FIRST STORY)、Hiro (SHADOWS , ex FACT)、Kazuki (SHADOWS ,ex FACT)、Masato (coldrain)、葉月(lynch.)、MAH (SiM)、Koie (Crossfaith)、Teru (Crossfaith)、N∀OKI (ROTTENGRAFFTY)、NOBUYA (ROTTENGRAFFTY)、AG (NOISEMAKER)、Yosh (Survive Said The Prophet)、Taka (ONE OK ROCK)、Kentaro Tanaka (Warner Music Japan)
配給・宣伝:SPACE SHOWER FILMS
(C)2023 Warner Music Japan Inc.
2023年11月17日(金)より新宿バルト9ほかにてロードショー

この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス