【インタビュー】kalmia、ミニアルバム『twilight』で新たな地平へ「何かを抱えてる人のもとに届いてほしい」

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透き通ったまま、どこまでも遠い空の彼方にまで広がっていく歌、そして音。だけどそれはつねにセンチメンタルな響きを伴っていて、自分が生きてきた道だとか、大切に思っていた誰かのことについ気持ちを寄せてしまう。kalmia(読み:カルミア)のギターロックは、力強さの一方で、そんな繊細さも一緒に鳴らしている。

2023年2作目のミニアルバム『twilight』を11月22日にリリースした彼らは千葉一稀(Vo, G)、アヤケント(B)、つかさ(G)、西村凌(Dr)から成る4人組。バンドシーンではすでに知られた存在だが、ここに来てのこのバンドは急激な進化を遂げているところで、新たな地平に突き進もうとしているようだ。

◆kalmia動画 / 画像

今回のインタビューからは、ここまでを共に歩んできたメンバーたちらしい一体感とともに、その裏での冷静さと客観性、そして何よりもこのバンドに人生を懸けている全員の思いを感じ取ってもらえると思う。

   ◆   ◆   ◆

■花の曲は……半分ぐらいありますね(笑)
■作品を追うごとにクオリティは上がってる


──この『twilight』という作品はサウンドのクオリティが非常に高いと思います。そしてとてもていねいに、気持ちを込めて作っていると感じました。ご自身たち的にはいかがですか?

アヤケント(B):そうですね。前作から曲の雰囲気と、それに作り方も変えたんですよ。アレンジャー(飯濱壮士/朔というバンドでも活動)が入ったり、あとライブでシーケンスとかを使っていく想定の下に(音源を)作っていますから。それまでは完全に4人だけで完結してたところに、新しい脳みそや力が加わった感じですね。今回はそれが固まって、やり方も慣れてきたというか。

千葉一稀(Vo, G):うん。クオリティが高いという自信はありますね。

つかさ(G):今作でそれがまた上がった感じが、個人的にはしています。

西村凌(Dr):作品を追うごとにクオリティは上がってると思います。作り方も、昔に比べてステップアップしていってますし。



──そこは活動歴もある分、上積みができている印象を受けます。ではBARKS初登場なので、まずは結成のいきさつから伺いたいです。

千葉:kalmiaというバンドは、最初は2017年に、当時僕が通ってた音楽の専門学校のメンバーで組んだんですよ。それから2018年にほかのメンバーが抜けて、2019年の1月27日に今のメンバーが揃った、というところですね。バンド名は変えずにやっています。

──東京の専門学校ですよね。カルミアは花の名前ですが、その花のことはどうやって知ったんですか?

千葉:その頃、花について調べてたんですよ。花言葉にすごく惹かれる時期があって、それでカルミアという花の花言葉には「大きな希望」という意味があるんですけど、その花自体には毒があったりして。そこがすごくいいなと思って、このバンド名をつけました。

──花をモチーフにした曲も多いですよね。

千葉:そうですね。花の曲は……半分ぐらいありますね(笑)。花は意味が付けやすいというか、連想しやすい、みたいなイメージで。

──ちなみに2018年に当時のメンバーが脱退した理由は何だったんですか?

千葉:よくあるやつなんですけど、たぶんやりたいジャンルが違ったということですね。

──方向性の違いということですか。

千葉:そうですね。ただ、元々ギター弾いてたメンバーがつかさを連れてきてくれて。で、その当時のつかさは、アヤと同じバンドをやっていて。

アヤ:で、僕は西村と一緒に別のバンドのサポートをやったことがあったんです。

西村:それまでに顔見知りではあったんです。で、前のバンドの時に、当時のkalmiaと対バンしたことも1回だけありました。

──そこで千葉さんと一緒にやろうと思ったのは、どんな気持ちからだったんですか?

つかさ:「曲がいいな」というのが最初の印象ですね。

アヤ:僕はkalmiaみたいなストレートなギターロックをやったことがなかったんですよ。もっとハードな音楽だったり、10代の時はヴィジュアル系とか、アンダーグラウンドなシーンにいたんですけど。つかさから「こんなバンドの話が来てるんだけど、一緒にやりたいんだよ」と誘われて。それで曲を聴いた時に、シンプルに「ああ、やったことない音楽だけど、やりたい!」と。

西村:さっきの対バンをさせてもらった時に、その日の記憶の中にkalmiaがあって……そのあとに(加入の)お話をもらったんですよ。それまでは圧倒的なボーカルの、カリスマ性のある奴とバンドやったことがなかったので、これはやれるチャンスかな? 挑戦してみよう!という気持ちで入りました。

千葉:めっちゃいいこと言ってくれるね(笑)

西村:(笑)インタビューぽいこと言ってる? いや、これはほんとなんです。

──(笑)では次に、アヤさんがちょっと話してくれましたが、4人の音楽的なルーツについて話してもらいたいです。

千葉:僕が音楽を始めるきっかけはRADWIMPSでした。ほんと、RADWIMPSしか聴いてこなかったぐらいで……バンドをやり始めるようになってから、歌もののロックバンドをもっと聴くようになりましたけど。完全にルーツで、ずっと聴いてきたのはRADWIMPSです。

▲千葉一稀(Vo, G)

──RADのどのあたりの作品に、特に浸りました?

千葉:とくに好きなのは『無人島』(『RADWIMPS3~無人島に持っていき忘れた一枚~』/2006年)ですね。それと『おかずのごはん』(『RADWIMPS4~おかずのごはん~』/2006年)とか……学生の時だったんで、そこらへんがドンピシャでした。

つかさ:僕はX JAPANとMr.Childrenです。どちらも母親が大好きで、僕もちっちゃい頃から聴いてました。ミスチルで初めて聴いたのは「HANABI」でしたね。大好きです。

アヤ:僕はさっきもちょっとお話ししましたけどヴィジュアル系とか、あとはシューゲイザーとかUKロックです。湿度の高い、ジメッとした、暗い音楽です(笑)。J-POPはあまり聴いてこなかったですね。

西村:僕はスピッツです。ドラムを始めたきっかけもスピッツの﨑山龍男さんなんです。うちの車の中でスピッツがずっと流れてました。「何てカッコいいんだろう」と。それから中学校ぐらいでONE OK ROCKとかRADWIMPSを知っていった感じです。

◆インタビュー【2】へ
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