【ライブレポート】10-FEET、全56本のツアー<コリンズ>完遂「優しさは想像力。忘れんなよ!」

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10-FEETが11月23日、沖縄・ミュージックタウン音市場にて全56本に及ぶ全国+韓国ツアー<10-FEET "コリンズ" TOUR 2023>の最終公演を開催、1月よりスタートした全国ツアーの全行程を完遂した。同ツアーのFINAL SERIESにしてセミファイナルとなる11月14日の東京・Zepp Haneda公演オフィシャルレポートは先ごろ公開したとおりだが、その詳細レポートをお届けしたい。

◆10-FEET 画像

約5年ぶりの最新アルバム『コリンズ』リリースに合わせて10-FEETが全国ツアーをスタートさせたのが2023年1月のこと。そのツアーを前にBARKSでは当時、アルバムインタビューを実施した。

アポロ計画の宇宙飛行士3名のうちの一人がマイケル・コリンズで、そこからタイトルを付けたのが『コリンズ』だった。そのときに10-FEETの3人が言っていたのは、「自分たちはロックシーンの中でコリンズみたいなもの」という意識を持っていたこと。他の宇宙飛行士2名は月面に降りて脚光を浴びたものの、コリンズは宇宙船を操縦していたため、月面に降りることなく、他の2名と比べたら注目度も低かったという。


それになぞらえて、Hi-STANDARDやELLEGARDENなど、時代を象徴するようなヒーローになった先輩や仲間のバンドが多い中、自分たちは「なにもないまま結成から25年、ここまで来てしまった」と。いやいや、<京都大作戦>を15年以上やってきているじゃないか、いい曲もいっぱい作っているじゃないかと思ったが、本人たちは「すごい功績はないけど頑張ってんねん」という意識を持っていた。

しかし今ではどうだ。1年ほど前にそう語っていた本人たちに、この状況を知らせてあげたい。こだわり抜いた作詞や作曲に『SLAM DUNK』ファンも鳥肌を立てた楽曲「第ゼロ感」が、映画『THE FIRST SLAM DUNK』の大成功と共に今では国内外で大ヒット。ついに2023年の『紅白歌合戦』に10-FEETは初出場を果たすことも決まった。

その出演が公式発表された翌日11月14日、10-FEETは東京・Zepp Hanedaで<10-FEET “コリンズ” TOUR 2023>のセミファイナルを開催した。チケットはもちろんソールドアウト。それでも手に入れようと会場をファンが取り囲むという光景は、もう時代を象徴する存在だろう。


すでに加熱気味の会場にSEが流れたのは19時7分。オーディエンスのハンドクラップが響く中、ステージに現われたKOUICHI、NAOKI、TAKUMA。赤い照明に染まるステージで、10-FEETの3人は互いにグータッチを交わし、そして客席側に身体を向けた。

直後、始まったのは「focus」。バスケに例えるなら、いきなり白熱のゴール合戦だろう。なにしろ、オーディエンスの飢え方が尋常ではない。イントロから10-FEETの曲と音に食らいつくようにクラウドサーフを繰り返し、TAKUMAの歌の合間にはしっかり掛け声を飛ばすなど、一体感もハンパじゃない。あまりの凄さに、最前列通路を固めるセキュリティスタッフの表情にも緊張感がみなぎる。

しかしここは危険な場所ではない。曲を次々に決めながら、得意のステップやターンもしながらフロントに立ち、オーディエンスと表情でもコミュニケーションするNAOKI。「オマエら、カッコええのう。どっちがカッコええか勝負やな!」と頼もしい兄貴っぷりで、オーディエンスの気持ちをさらに高いところまで引っ張り上げていくのは、TAKUMAだ。そして曲のキメやバンドサウンドの緩急を牛耳るKOUICHI。鉄壁のチームがここにいる。




世間一般では、『SLAM DUNK』で有名になったバンドとか、26年目にして初の紅白出場とかいろいろな言われ方をしているようだが、10-FEETにはいくつもの名曲がある。人生と並走する楽曲、大変な局面で自分を救い出してくれた曲、勇気が必要なここ一発のときに背中を推してくれた曲。会場に集まった約3000人のオーディエンスそれぞれに、それぞれの大切な曲がある。いつだって10-FEETはヒーローだ。

しかし今夜は、曲をジックリと噛みしめる瞬間はほぼない。なにせライブが始まった直後から、息つく暇もなく曲を叩きつけ、オーディエンスは汗だくになりながら大声で共に歌い、叫び、そして全身で喜びを現わすように飛び交うのみ。興奮と熱さは高まり続けるばかりだ。そしてこの勢いで突っ走るのかと思ったライブ前半が過ぎたころだった。ギターやベースをチューニング違いのものに変える中、TAKUMAが話した。

「ニュースでも出たんですけど、『紅白』出場が決まりました、ありがとうございます。『SLAM DUNK』のエンディング主題歌にしてもらえたりとか、そのへんのポイントもあったと思うかもしれませんけど。でも、ROTTENGRAFFTYとか仲間バンドの存在や、みんなが<京都大作戦>やこういうライブに来続けてくれたことが、すごく結びついたと思うんで。『紅白』にみんなが連れてきてくれたんやと思います。ほんまにありがとうございます。しっかりやってきます」──TAKUMA

こうして突入した「RIVER」では、オーディエンスが汗と嬉し涙を流し、TAKUMAは歌の合間に「ほんま、ほんまにいつもありがとう!」と感謝。そしてサビはこれまで以上にでっかい大合唱が自然に起こり、「うるさ…うるさい! 最高やな!」と笑顔のTAKUMA。温かさと優しさと嬉しさと愛情が、終わりなく折り重なっていく幸せに満ちたライブだ。



ところが、このまま終わるわけがない。笑いだって当然ある。MCともなれば、「ツアーが1月の中旬から11ヵ月。え!? 最初からもう一回り? オマエら、俺らの身になってみろよ」と怒りながら笑うNAOKI。そのNAOKIのトークを遮るように「ツアーは最後に沖縄行って終わりや。次にどこでやりたい? 東京ドームか? あそこはいつか、俺一人でやろうと思ってる」と語ったKOUICHIに会場は大爆笑。オーディエンスも次々に言いたいことを言うから、掛け合い漫才のような展開に。

さらに10-FEET結成時によくコピーしたというBracketの「2rak005」を大阪公演で急遽演ってみたところ、大事故級の演奏だったということでリベンジへ。そしてNAOKIをメインボーカルに披露されたカバーは大成功。そんな原点の一コマも垣間見せながらライブは突き進む。

ライブ後半に差し掛かったときだ。最新曲にしてTVドラマ『フェルマーの料理』主題歌の「Re方程式」を披露してオーディエンスを喜ばせ、立て続けに喰らわせるのは「第ゼロ感」。最近のヒット曲ということになるかもしれないが、いや、10-FEETファンにとって「第ゼロ感」は1年以上前からのキラーチューンだ。彩られる照明の中、大声で歌い叫びながら曲を激しく演出するオーディエンス。それを全て瞬時にエネルギーに変え、さらに力強く曲を響かせる10-FEETの3人である。

しかし、喜びが暴発したのか同期のスイッチングタイミングを間違えたのがKOUICHIだった。ミスったら1曲追加というのが10-FEETの伝統(?)ゆえ、騒々しいほどのオーディエンスからのリクエストに、「生きてる間に盛り上がって、踊らにゃ、損そん。いくぞ!」と予定にはなかった「2%」を喰らわせる。踊るどころか、クラウドサーフの嵐と化すフロアだ。生命力に満ち溢れたライブに、10-FEETはさらに活も入れるし、檄も飛ばす。


曲を次々にプレイしながら、曲それぞれの歌詞に重ねるように「オマエらと一緒にひっくり返すんだ」と叫んだり、「優しさは想像力! イメージしろ!!」とメッセージしたり、もう止まらない。それを浴びてオーディエンスも抑えが効かない。しかもライブの瞬間だけで終わる熱狂ではなく、いつまでも熱くさせてくれる心の震え。10-FEETをずっと昔から好きだったファンも、つい最近になって出会ったファンも、10-FEETの3人に誓うようにでかい歌声で気持ちをぶつけ続けた。

「優しさは想像力、忘れんなよ。カッコよくなろうぜ!」──TAKUMA

ラストを「back to the sunset」で締めくくった10-FEET。「今日はアンコールなし」とTAKUMAも言っていたものの、開演前から白熱したオーディエンスだけにアンコールを求める歓声と拍手はおさまらない。フロアにはお手製の「紅白おめでとう!」というプレートまで掲げるファンも。根負けしたか、10-FEETが再登場。


「うるさいなー、オマエら。これで帰れへんかったら、ほんま警察呼ぶしな」──TAKUMA

と笑いながら曲名を叫んだTAKUMAに、思わず振り向いたのがTAKUMAの前にいたセキュリティだ。「いや、そういう曲があるんですよ。…あっ、好きなんですか?」と、思わず10-FEET好きが発覚したセキュリティに捧げるように「DAVE ROAD」をぶっ放す。作曲時、10分も掛からずに形になったというストレートなハードコアナンバーだ。再び揉みくちゃ状態のオーディエンスと、そういうみんなとライブできる喜びを音とプレイで炸裂させ続ける10-FEET。また明日から元気になれる。そういうライブを10-FEETは体感させてくれた。また演奏直後、セキュリティにTAKUMAはピックをプレゼント。優しさは実行力でもあった。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎JON...

■<10-FEET “コリンズ” TOUR 2023 FINAL SERIES>11月14日(火)@Zepp Haneda セットリスト

01. focus
02. JUST A FALSE! JUST A HOLE!
03. 和
04. SHOES
05. 風
06. hammer ska
07. SLAM
08. aRIVAL
09. RIVER
10. ハローフィクサー
11. チャイニーズ・ヒーロー
12. アオ
13. シエラのように
14. 1sec.
15. ブラインドマン
16. 深海魚
17. アンテナラスト
18. Re方程式
19. 第ゼロ感
20. 2%
21. その向こうへ
22. VIBES BY VIBES
23. 蜃気楼
24. ヒトリセカイ
25. goes on
26. back to the sunset
encore
en1. DAVE ROAD

■<10-FEET ONE-MAN LIVE 2024 〜急なワンマンごめんな祭〜>


▼京都公演
4月24日(水) 京都市勧業館 みやこめっせ3F 第3展示場
open16:00 / start17:30

▼横浜公演
5月19日(日) 横浜アリーナ
open16:30 / start18:00

▼チケット
【超最速オフィシャル0次抽選先行受付】
受付期間:11/23(木/祝)19:00〜11/28(火)23:59
※10-FEET MOBILE会員限定
https://10-feet.kyoto/pages/gomennasai2024

■『第74回NHK紅白歌合戦』

放送・配信:2023年12月31日午後7時20分〜午後11時45分
※10-FEETの初出場が決定

■デジタルシングル「Re方程式」(リホウテイシキ)

2023年10月20日(金)AM0:00より配信
https://lnk.to/10feet_rehs
※iTunes、レコチョク、Apple Music、LINE MUSIC、Spotifyなどの音楽配信サイトにて
※TBS系金曜ドラマ『フェルマーの料理』主題歌




■金曜ドラマ『フェルマーの料理』
放送日時:10月20日(金)スタート
※毎週金曜 夜10:00~ ※初回15分拡大
▼スタッフ
製作著作:TBS
原作:小林有吾『フェルマーの料理』
※講談社『月刊少年マガジン』連載
脚本:渡辺雄介(『Dr.チョコレート』『ブラッディ・マンデイ』)
  :三浦希紗(『明日、私は誰かのカノジョ』『彼女はキレイだった』)
主題歌:10-FEET「Re方程式」(ユニバーサル ミュージック)
音楽:木村秀彬
プロデューサー:中西真央
演出:石井康晴/平野俊一/大内舞子
▼出演者
北田 岳:高橋文哉
朝倉 海:志尊 淳
赤松蘭菜:小芝風花
乾 孫六:板垣李光人
魚見亜由:白石 聖
布袋勝也:細田善彦
武蔵神楽:久保田紗友
・番組公式サイト:https://www.tbs.co.jp/fermat_tbs2023/
・番組公式X(Twitter):@Fermat_tbs
・番組公式Instagram:fermat_tbs
・番組公式TikTok:@fermat_tbs

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