【ライヴレポート】J、2023年最後のソロ公演に真の強さ「みんなは俺の人生の生き証人」

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LUNA SEAのJが、東京にて全4公演のサーキットツアー<J LIVE 2023 FALL INCREDIBLE 4 NIGHTS-TOKYO LIVE CIRCUIT->を開催した。そのファイナルを飾った11月24日、東京・LIQUIDROOMの一夜をレポートする。

◆J 画像

同会場で前日11月23日に行なわれたDAY1のステージにて、驚いたことにJは「右足の第5中足骨を骨折している」と自ら発表。LUNA SEAはセルフカバーアルバム『MOTHER』『STYLE』を携えて、<DUAL ARENA TOUR 2023>と称した再現ツアーを開催中だ。1996年12月23日、横浜スタジアムで行われた<UN ENDING STYLE TOUR FINAL Chrismas STADIUM~真冬の野外~>でも骨折中だったことから、「”完全セルフカバー”にしてしまった」と笑い話にしたこともニュースで伝えられている。心配は拭えなかったが、開演を待ちわびたファンの歓声と手拍子に迎えられて颯爽と登場したJは、晴れやかな笑顔。エネルギーに満ち溢れた様子で、「RECKLESS」を力強く歌い奏でた。


masasucks(G)、ゴッチンの愛称で親しまれる溝口和紀(G)、有松益男(Dr)らお馴染みのメンバーとの呼吸もピッタリで、会場は1曲目から一体に。不敵な笑みを浮かべ、髪を振り乱しながら艶やかな低音で歌い始めた「Die for you」では、フロアとの掛け合いでボルテージを高めていった。

「会いたかったぜ! 俺の今年最後のソロライヴ、いろいろお騒がせいたしておりますが……皆の注目がこの右足に集中するライヴもなかなか経験できないので(笑)」──J

骨折というショッキングな出来事をユーモアでくるんで安堵させると、最強のアンセム「PYROMANIA」を早々に投下。ファンがライターで火を灯す場面はいつ見ても美しい。Jが「一緒に歌ってくれるか? カモン!」と呼び掛けて合唱となる場面は、コロナ禍を経てようやく取り戻した尊い光景だ。





続く「Route 666」のJは射すくめるような眼差しで、ずっしりと重みを携えた心地良いグルーヴ感をバンドと共に生み出していく。「Go with the Devil」にそのヘヴィさは引き継がれ、頭上に角を生やすジェスチャーを交えながら呪術的なダークネスで魅了。最後に4人が向き合い、とどめを刺すかのように鋭利なキメを鳴らした。

Jはフロアの盛り上がりに対し、「みんなの熱気が凄まじいね。今年最後にふさわしい」と讃え、「全てをエネルギーに変えて、前に進んで行こうと思います」とコメント。「俺たちはガンガン水面下で動いてます」とも明かし、生まれたばかりの新曲(※セットリストにも「NEW SONG」としか書かれていない)を披露した。疾走感のあるロックナンバーだが、歌のメロディーやコード進行にどこかニューウェーブの匂いが漂う美しい1曲で、“見つけ出して 光のほうへ”というフレーズが耳に残った。「来年はアルバムをつくろうと思ってます」といううれしい予告もあり、音源で聴くのも今から楽しみである。


序盤で既に会場は相当の熱気に包まれ、Jの歌も演奏もノリにノッていたが、ここからはそれを上回る激しさを打ち出していった。このツアーでは久々にライヴ披露する曲が目玉となっていて、10年以上プレイしていない楽曲たちを「今夜も掘り出してきましたよ」と期待を煽るJ。「“そんなに(長くライヴ演奏していない)!?”って思うぐらい、アッという間。覚えてるかな?」とファンに語り掛け、「Fly Away」とタイトルコールするとフロアからは歓声が沸き起こった。披露するのは2010年以来約13年ぶり。真っ直ぐに駆け抜けていくようなパワフルなプレイと清々しさを湛えた歌メロとが絡み合い、高揚感の渦にファンは拳を突き上げて身を投じていた。

「まだまだ行けるか?」とJはシャウトし、「Speed of Love」のイントロが鳴ると会場にはどよめきが広がった。こちらは2008年以来、約15年ぶりの披露となる。2音を繰り返し爪弾くだけで、なぜこのようにアグレッシヴな切迫感を醸し出せるのか? やがてプレイは熱量を増していき、激しさの中にも一抹の妖艶さを感じさせる、“今”のJならではの表現に惹き付けられていった。「まだまだ行けるか?」とJは再度叫び、「Love to Kill」を2015年以来、約8年ぶりにプレイ。左足をお立ち台に乗せ勇ましく熱唱し、ベースプレイには荒々しい野性味が溢れていた。オーディエンスは拳を突き上げ「Oi!Oi!」と声を上げ、ステージとフロアは熱を交換、混然一体となっていた。最新曲から懐かしい過去曲へと繋げた流れには全く違和感が無く、あるのは熱の塊だけだった。Jが語った通り、昔も今も「時間は関係なく、音を奏でていく」という真理があるのみ。「曲たちを愛してやってください!」というJの言葉が胸を打った。


「今日で今年最後のソロのライヴだと思うと寂しいね。その寂しさの分まで、暴れようか?」──J

終盤はこれでもかとアッパーなナンバーを連打。“愛が必要だ”というシャウトが印象深く響いた「break」では、サビで会場全体が明るく照らされ、ポジティヴな気持ちへと誘われていく。髪を振り乱しながら歌った「BUT YOU SAID I’M USELESS」から雪崩れ込んだ「fire star」では、高音で少しハスキーになったのが内なる熱を感じさせ、この上なくエモーショナルだった。「最後の曲です、目を覚ませ!」とイントロで叫んで「Wale Up!」へ突入。白いスロトロボライトが眩く点滅する中、一瞬真っ赤な光にステージが染められた後ギターリフが響き始める。強い意志に貫かれ、目覚めを促すJの歌声が、真っ直ぐに心の奥に届いてきた。


アンコールで再登場したJは、お立ち台に乗って両手を耳に当て、ファンの叫び声を聴いていた。その後、骨折中にも関わらずお立ち台からジャンプ、無事に着地する「トン!」という軽やかな音が響くとファンは拍手。「これだけで拍手をいただけるなんて(笑)」とJは笑っていた。

「自分たちのやってきた音楽を改めて見つめ直す、もっともっと強くする、確認する……そんなライヴだったと思います。4公演だけだったけど、すごく長い期間だったと感じます。いろんなことがあって……俺たちまだまだやらなきゃいけないことがあると思うんです。そんな未来にしていかなきゃいけないと思うんですけど、どうですか!?」──J

そう問い掛けると、フロアから大きな拍手が送られた。「骨折以外の重大発表があります(笑)。…ライヴが決定しております!」とJは、2024年春のツアー<J LIVE 2024 SPRING -Stand at the Summit->の開催決定を発表。「来年もすごい年になりそうだね!」と笑顔を見せた。スタッフ、メンバーひとりひとりに感謝を述べた後、Jは改めてこう語り出した。

「人生は予想できないことが起きます。こんな年末の押し迫った時に、まさかパキる(※骨折する)とは(笑)」──J

すると、客席から「いつ折ったの?」と質問が飛び、「なんでキミに教えなきゃいけないの(笑)?」と冗談っぽく切り返したJ。「ついこの間だよ!」と回答すると、「お大事にしてください」との声が返ってきて、「今ので全治が縮まったよ(笑)」とJは優しくコメントしていた。

「こんなに右足に注目が集まるライヴは人生で二度ほど経験がありますが……(笑)。みんなは俺の人生の生き証人。まだまだ行けるか!」と叫び、「Feel Your Blaze」を放った。ファンの歌声を求める場面では、Jは耳を澄まし、満たされた表情を浮かべていた。最後の掻き回しに乗せてJは、魂の叫びのような咆哮を轟かせた。


「(ソロとしては)今年最後のライヴになりました。今日来てくれたみんなに…」との言葉に続き、LUNA SEAの「TONIGHT」を届けた。一音一音が力強く瑞々しくて、あらゆる壁を乗り越えて行こうとするパワーと生命力に溢れていた。

「全部焼き尽くしてくれ!」とJは雄叫びを響かせて、ラストナンバー「BURN OUT」へ。“俺が求める物の全て”と歌いながら一瞬、Jは両手で胸元をそっと押さえた。「燃やせ」とか「焼き尽くせ」とか、言葉はセンセーショナルで凶暴だが、ライヴを観れば、Jが最も大切にしているものは何なのか?をありありと感じ取ることができるだろう。

「また来年の春は、みんなで盛り上がっていきましょう。それまで、いろんなところでお会いすると思いますが、よろしくお願いします(笑)。じゃあ最後にひとつだけ約束だぜ! 次会う時まで、何があっても、何があっても、くたばんなよ!!」──J

悲しいニュースに立て続けに襲われた2023年の秋だった。Jのソロライヴでは恒例となっている最後の挨拶が、特別な響きを帯びて胸に沁み入ってくる。会場にはダブルアンコールを求める歓声がいつまでも鳴り止まなかった。骨折すら笑いに変え、観る者を鼓舞する圧巻のライヴを繰り広げたJ。短いツアーではあったが、4本を完走することで、Jは“真の強さとは何か?”を体現していたように思う。続行中のLUNA SEAのツアーを大阪城ホールでのカウントダウンで終えた後、2024年にJが見せてくれるであろう、更に強くなった姿に出会えるのが今から楽しみである。

取材・文◎大前多恵
撮影◎田辺佳子

■<J LIVE 2023 FALL INCREDIBLE 4 NIGHTS -TOKYO LIVE CIRCUIT->11月23日-24日@東京・LIQUIDROOM セットリスト

【11月23日(木/祝)】
01. Resist bullet
02. Die for you
03. PYROMANIA
04. RECKLESS
05. Twisted dreams
06. NEW SONG
07. Fly Away
08. No time to lose
09. Snake Beat
10. break
11. BUT YOU SAID I'M USELESS
12. fire star
13. Feel Your Blaze
encore
en1. Wake Up!
en2. TONIGHT
en3. Endless sky

【11月24日(金)】
01. RECKLESS
02. Die for you
03. PYROMANIA
04. Route 666
05. GO with the Devil
06. NEW SONG
07. Fly Away
08. Speed of Love
09. Love to Kill
10. break
11. BUT YOU SAID I'M USELESS
12. fire star
13. Wake Up!
encore
en1. Feel Your Blaze
en2. TONIGHT
en3. BURN OUT

■<J LIVE 2024 SPRING -Stand at the Summit->

▼2024年
4月28日(日) 大阪・Umeda Banana Hall *FC限定
4月29日(月/祝) 大阪・梅田CLUB QUATTRO
5月03日(金/祝) 東京・恵比寿LIQUIDROOM *FC限定
5月04日(土/祝) 東京・恵比寿LIQUIDROOM
▼チケット
オフィシャルファンクラブ「F.C.Pyro.」にてチケット最速先行受付スタート
https://www.j-wumf.com/news/live/21112324001200.php

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