【ライヴレポート】michi.、アップデートされたソロワンマンで宣言「生涯、現役でいたい」

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michi.が12月2日に赤羽ReNY alphaで有観客&配信ライヴ<Dear beloved Servant>を開催した。バンドスタイルでのソロワンマンは8月に同会場で行われた<カウントゼロ>以来、二度目。直前のインタビューで「コロナ禍の規制がなくなったライヴで、みんなとの熱の交換がいかに偉大で尊いものか痛感した」と語っていたmichi.だが、この日はさらにアップデートされたステージとなる。アンコール終了後には今後の計画もmichi.自身の口から告知された同公演のレポートをお届けしたい。

◆michi. 画像

17時。黒のジャケット、ゴールドラメが入ったインナー、レザーパンツの衣装をまとったmichi.が登場。ライヴは「乱夢」 (MASCHERA)で幕を開けた。が、途中で機材トラブルにより打ち込み用のデータ音が出なくなり、バンドメンバーもmichi.も最後まで演り切ったものの、最初からやり直すことに。しかし、そこはさすがキャリアを積んだ百戦錬磨のボーカリストだ。笑みを浮かべ「どこからやる?」「いったん捌ける?」とフロアに問いかけ、SEが流れ、メンバーがスタンバイするオープニングからもう一度、ライヴは再開。



「乱夢」を情感たっぷりに歌い、ピンクの照明の中、妖艶なナンバー「Alice 」(MASCHERA)ではドラムのカウントに合わせて右手を高く掲げ、セクシーなパフォーマンスで魅了。ベースソロからギターソロへと移行する間奏ではバックスクリーンが赤に染まり、シルエットだけになる演出も曲を際立たせた。

続いて4月のKOJI追悼のALICE IN MENSWEARでのライヴでも披露された「ワルプルギスの夜」では生前KOJIが構築したツインギターシステムとの共演で場内の温度を上げていく。ハンドクラップの中、曲のドラマを演出するようなmichi.の歌とその一挙一動から目が離せなくなる官能的なロックナンバー。そして間髪入れずにアッパーチューン「ピラニア 」(S.Q.F)で加速させていく。




「12月2日、赤羽Renyへようこそ! 親愛なるサーバント(michi.ファンの呼称)たちに、とっておきの夜を運んでまいりました。まさか、自分へのサプライズがオープニングにあるとは思いませんでしたが、この寒い冬があったかくなるような、とても素敵なラインアップでキミたちを攻めたてていきたいので、最後までよろしくね」──michi.

冒頭のトラブルについてユーモアたっぷりに触れ、じっくり聴かせるナンバーたちへ。「ラストフォトグラフ」(MASCHERA)に続き、ソロ名義での初のアコースティックライヴ<Caramel Vox REBOOT>でも披露された「powder」(MASCHERA)が届けられた。幾筋ものスポットライトがステージに注ぎ、粉雪の降る季節を彩るバラードを情景を浮かび上がらせるように歌うmichi.。


そして目をつぶってマイクを両手で握りしめ、歌われたのはBUCK-TICKが2003年にリリースしたシングル「幻想の花」のカバーだった。エンディングでmichi.は囁くような声で今年10月に急逝した櫻井敦司への追悼の想いを口にした。聴き入っていたフロアから拍手が送られ、イントロダクションから異次元に引き込まれたのはALICE IN MENSWEARの「オートマタ -鋼鉄少女A-」。スチームパンクのイメージを具現化したサウンドワークと赤いライトを手に持ち、歌うmichi.。まるで映画のシーンを見ているかのようだ。

没入感のあるステージングを繰り広げた後は、スイッチを切り替えるかのごとくシフトチェンジ。「TRANSITION」(ALICE IN MENSWEAR)では、みんながジャンプし、アグレッシヴなアクトで煽り、さらにアクセルを踏むように「スピードスター」(S.Q.F)ではフロアにマイクを向け、軽やかにステージを移動し、ヘドバンしながら熱量を上げていく。



多彩な楽曲たちがバラバラにならないのはボーカリスト、そしてパフォーマーとしての表現力があってこそだろう。ステージとオーディエンスに演者、観客のボーダーラインが出現する時もあれば、消滅して一体になることもある。その距離感が非常に心地いいのがmichi.のライヴでもある。

タオルを振り回しながら歌い、フロアにもタオルが一斉に揺れるライヴでおなじみの「Pre-TEA PARTY」(ALICE IN MENSWEAR)からはパーティゾーンに突入。カラフルな照明と演出もあいまって赤羽ReNYが一瞬にしてクラブと化した。



michi.が場内の人たちと配信を見ている人たちに感謝の言葉を述べ、ここからは振り付けタイム。ALICE IN MENSWEARとmichi.名義のライヴではセクシーなコール&レスポンスが定番だったが、今回は趣向が違うようだ。S.Q.F活動休止前の最後のシングル「ROUND & ROUND」についてmichi.が「せっかくのいい曲があまり回数できなかったので、今日、ここで振りを覚えてひとつになって会場と配信を見ているみんなと一緒になって楽しめたらいいなと思います」と提案。しばし振り付けのレクチャーをした後で披露された「ROUND & ROUND」はみんながひとつになって盛り上がるダンスチューンに。見るたびにアップデートされていく構成も新鮮だった。

終盤ではバックスクリーンがクリスマス仕様となる中、この季節にピッタリの「Winter Express」(S.Q.F)が届けられ、本編ラストはシンガロングとなった「to fly high」(MASCHERA)で本編が締められた。


アンコールではジャケットを脱いでノースリーブにアームカバーのスタイルになったmichi.が登場し、ミラーボールの光が反射する中、イントロのサウンドやコーラスからしてクリスマス気分がマックスになる「クリスマスキャロル」(S.Q.F)が届けられた。CMソングになりそうなキラキラしたポップチューンも範疇内。michi.の伸びやかな声が響きわたった。

MCでは今回のライヴのタイトルを<Dear beloved Servant>と命名したことに言及。「今までファンを呼ぶ呼称というか、愛称がなかったのでいろいろ考えた結果、国王に従事するサーバントになってもらいたいと思うのですが、いかがですか?」と問いかけると歓迎の拍手。


「BARKSのインタビューでも言った通り、これからも俺はずっとみんなに寄り添っていられる偉い人でありたいなと思っているので、よろしくお願いします」と伝え、「アンコールでノースリーブでクリスマスソングを歌うなんて思ってなかったでしょ?」と嬉しそうな笑顔を見せた。「生涯、現役でいたい」と宣言し、「行けるか? サーバントたちよ!」と煽って、「Cloud Cuckoo Land」(S.Q.F)でタオルを振って弾け、「Lasting…」(MASCHERA)ではサーバントたちの歌う声が場内を満たした。

ライヴが終了し、michi.は「みんな、どうもありがとう。1年の中でも特別、思い出のあるシーズンで、思い入れもあるロマンティックなシーズンにみんなと一緒に同じ熱を分かち合うことができて本当に幸せでした」と挨拶。




最後に4月13日に赤羽ReNY alphaにてワンマンライヴを行うこと、2024年に生誕50年を記念して半世紀祭りと称して8月に東名阪ツアーを開催することを告知すると、待ってた!とばかりの拍手と歓声が沸き起こった。

取材・文◎山本弘子
撮影◎河井彩美

■michi.有観客&配信ワンマンLIVE<Dear beloved Servant>2023年12月2日(土)@東京・赤羽ReNY alpha セットリスト

-opening-
01. 乱夢 (MASCHERA)
02. Alice (MASCHERA)
03. ワルプルギスの夜 (ALICE IN MENSWEAR)
04. ピラニア (S.Q.F)
-MC-
05. ラストフォトグラフ (MASCHERA)
06. powder (MASCHERA)
07. 幻想の花 (BUCK-TICK)
08. オートマタ -鋼鉄少女A- (ALICE IN MENSWEAR)
09. TRANSITION (ALICE IN MENSWEAR)
10. スピードスター (S.Q.F)
11. Pre-TEA PARTY (ALICE IN MENSWEAR)
-call & response-
12. ROUND & ROUND (S.Q.F)
13. HYPERDELIC AGE (MASCHERA)
14. Winter Express (S.Q.F)
15. to fly high (MASCHERA)
-encore-
16. クリスマスキャロル (S.Q.F)
-MC-
17. Cloud Cuckoo Land (S.Q.F)
18. Lasting… (MASCHERA)
-ending-

■michi.有観客&配信ワンマンLIVE<Dear beloved Servant>配信情報

2023年12月2日(土) 東京・赤羽ReNY alpha
open16:30 / start17:00
配信:start16:50
※アーカイブ視聴期間:チケットによって異なります
※形式:有観客(SOLD OUT)&配信
▼出演
michi.
サポート:菅大助(G)、古谷圭介(B)、竹村忠臣(Dr)
【配信チケット】
https://unitedproducts.zaiko.io/item/359896
B-①ライブ配信チケット+3日間 (12/5(火)23:59まで)のアーカイブ視聴 ¥5,000(税込)+ZAIKO手数料
B-②ライブ配信チケット+30日間 (1/1(月)23:59まで)のアーカイブ視聴 ¥6,500(税込)+ZAIKO手数料
B-③ライブ配信チケット+DVD盤 ¥9,000(税込)+ZAIKO手数料
B-④ライブ配信チケット+DVD盤+CD ¥12,000(税込)+ZAIKO手数料
B-⑤ライブ配信チケット+Blu-ray盤 ¥10,500(税込)+ZAIKO手数料
B-⑥ライブ配信チケット+Blu-ray盤+CD ¥13,500(税込)+ZAIKO手数料
B-⑦ライブ配信チケット+アーカイブデータ+DVD盤+CD ¥16,000(税込)+ZAIKO手数料
B-⑧ライブ配信チケット+アーカイブデータ+Blu-ray盤+CD ¥17,500(税込)+ZAIKO手数料
(問)https://michi-solo.com/contact


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