【速レポ】<響都超特急2023>MUCC、「ヴィジュアル系の本気の煽りを見せてやる」

ポスト
no_ad_aritcle

活動してきたフィールドはやや違うのかもしれないが、ROTTENGRAFFTYとほぼ同期と言えるのがMUCC。これまでに何度か対バンもしている。MUCCが青い照明で染まったステージに登場すると、歓声も巻き起こり、ROTTENGRAFFTYを愛するオーディエンスも大歓迎だ。

◆ライブ写真

「<響都超特急>、MUCC、始めさせていただきます」と逹瑯(Vo)が落ちついたトーンで挨拶を決め、直後、始まったのは「ENDER ENDER」。エレクトロ要素も散りばめるが、曲の軸をつかさどるのはメタルコアである。さっきまで落ちついた声だった逹瑯も豹変。吠えるように言葉を畳み掛ける。ミヤ(G)もYUKKE(B)もヘヴィネスを極めたリフやリズムを遠慮なく吐き出し続ける。それを全身で浴びながらオーディエンスは快楽で震え、それがうねりとなってフロアに全体に広がっていく。メンバーはそんなフロアに目をやって、嬉しそうな表情も浮かべた。




2022年秋から1年以上に渡って<Timeless>というツアーを展開してきたMUCC。初期からの作品を現在に蘇らせるライブで、作品ごとに分けて、4シリーズのツアーとなった。ライブの選曲も、各アルバムに的を絞った内容になっていたが、このステージにはそうした縛りはない。つまり選曲は自由だ。

久しぶりに披露した「ENDER ENDER」に続いたのは、アルバム『シャングリラ』からの「G.G」、さらに<Timeless>ツアー中に発表した新曲「サイレン」。時間軸なども関係なく様々な曲をプレイしながら、MUCCの持つ幅広い音楽性や音楽要素をたっぷりと響かせていく。



その「サイレン」は、倒錯感さえあるアヴァンギャルドなリフやメロディで酔わせたが、次にMUCCが用意していたのは、アルバム『新世界』(2022年発表)収録曲「パーフェクトサークル」だった。紫と青い照明が妖しい光をステージに注ぐ中、酩酊感あるドラッギーなフレーズや歌を決めていくMUCC。音はラウドでヘヴィだが、今どきのそれというよりは、初期ブラック・サバスからの遺伝子を受け継ぐようなドゥーミーさもある。指先まで神経を行き届かせながら、歌詞の世界観に引き込むようにライヴパフォームする逹瑯の姿も、実に妖しい。呪術師のようでもある。言葉や音を全身で浴びながら、脳内まで心地よくキマるオーディエンスの姿が会場には広がった。

「初めましての人もすごくたくさんいると思うけど、ヴィジュアル系って聴く? 聴かない? こういうロックフェスで、うちらみたいなバンドを呼んでくれる場所って、すごく少なくて、めちゃくちゃありがたいと思っています。後輩のヤツらにも道を作れたらなと思ってます。ROTTENGRAFFTY、ありがとう!」──逹瑯


誇りを持って自らをヴィジュアル系と呼ぶMUCC。とはいえ、ヴィジュアル系というイメージからいい意味で逸脱した曲ばかり前半では続いていたが、後半からは一変。高揚感と勢いあるナンバーを畳み掛ける。曲に合わせてオーディエンスはハンドクラップや合唱を巻き起こし、ついにはクラウドサーフまで。さらに「蘭鋳」では、中盤で演奏を中断し、オーディエンス全員をその場に座らせたMUCC。

「みんなでひとつになりたいんだ。もう25年以上、ヴィジュアル系やっているんで、ヴィジュアル系の本気の煽りを見せてやるから。ARE YOU FUCKIN' READY?」──逹瑯




その言葉に続けて「全員、死刑!」と叫ぶ逹瑯。さらにカウントに合わせて、全員で一斉にジャンプ。全員がガンガンにジャンプしてエキサイトする中、手にしたタコ焼きらしきものを、メンバー一人ずつに食べさせる不審人物がステージに乱入。昔からダチでもあるROTTENGRAFFTYの侑威地である。まちがいなく死刑ものだ。そんなフェスらしいハプニングも添加物となり、ラストまで興奮が渦巻き続けるステージになった。



文◎長谷川幸信
写真◎Yukihide"JON..."Takimoto

セットリストbr>

M1. ENDER ENDER
M2. G.G
M3. サイレン
M4. パーフェクトサークル
M5. ニルヴァーナ
M6. 謡声(ウタゴエ)
M7. 蘭鋳

ライブ・イベント情報

<響都超特急2023 ~KYOTO ULTRA EXPRESS~>
12月16日(土)、17日(日) 京都パルスプラザ
乗車時刻(開場時間) 各日 10:00
発車時刻(開演時間)各日 11:00

【出演アーティスト】
■12/16(土)
[金閣]
UVERworld / G-FREAK FACTORY / 10-FEET /ハルカミライ / MY FIRST STORY / MUCC / ヤバイTシャツ屋さん / ROTTENGRAFFTY
[銀閣]
アルカラ / INKYMAP / ジャパニーズマゲニーズ / NEMOPHILA / NOISEMAKER / HERO COMPLEX / Paledusk

■12/17(日)
[金閣]
coldrain / The BONEZ / THE ORAL CIGARETTES / SiM / Dragon Ash / Fear, and Loathing in Las Vegas / HEY-SMITH / ROTTENGRAFFTY
[銀閣]
ANARCHY / OAU / THE冠 / 四星球 / TENDOUJI / TOTALFAT / FOMARE

MC(両日):やべきょうすけ
【イベント特設サイト】
https://kue.rotten-g.com/23/

【券種】
・1日券 ¥8,610・2日券 ¥16,610 (税込) ※SOLD OUT
※全自由・整理番号無し
※会場にて、リストバンドと引き換えになります。
・金色シート:1日券 ¥16,100 (税込) ※SOLD OUT
※全席指定
※購入特典:金色シート専用PASS/お土産
※事前配送のみ
(席番入りラミパス / リストバンド / おみや引換券)
※2日券ご購入のお客様は両日同じ席でのご用意となります。
※お席は金閣のみご用意しております。
※おみやは当日会場にてお渡しとなります。
この記事をポスト

この記事の関連情報