【速レポ】＜響都超特急2023＞Dragon Ash、「ロックバンド好きなみんながいてくれれば、それでいい」

体調不良のため療養に専念していたKj (Vo,G)が、自身のインスタグラムストーリーズにて「ロックバンドやらせてください」というメッセージと共に「職場復帰」を宣言したのがつい数日前のこと。復帰早々、出演するフェスのひとつがこの＜響都超特急2023〜KYOTO ULTRA EXPRESS〜＞となった。

◆ライブ写真

強者ライブバンド揃いの＜響都超特急2023＞は、Dragon Ashにとって愛すべき仲間たちがいる大好きな場所でもある。特別な想いしかないだろう。


ステージが幕を開けたのは14時15分。BOTS(Dj)の流すフレーズが徐々に大きくなっていく中、待ち受けていたオーディエンスからの歓迎のハンドクラップが鳴り響いた。

ステージに現れたKjは、赤いベースボールキャップを目深にかぶりながら、オーディエンス一人ずつに語り掛けるようにラップ。“その声を僕に聴かせて”と歌った直後、メンバーがコーラスを歌い始めたときだ。客席が大きなコーラスを響かせて会場を包み込んでいく。これにはKjも柔和な表情を浮かべ、最後には笑顔でピースサインを作って、オーディエンスに掲げた。






T$UYO$HIのベースフレーズを合図に「House of Velocity」へ。オーディエンスをファンキーに躍らせていくDragon Ash。さらに続くのはhideのカバー「ROCKET DIVE」だ。ポジティヴな願いとパワーが宿る同曲を鳴らし、ライブすることを思いっきり楽しいんでいるようでもある。そして、いつでも生まれ変われることを歌った「New Era」へ。胸に手を当てながらエモーショナルに歌を響かせるKj。曲のエンディングで沸き上がった大歓声に、ベースボールキャップを脱いで深々と頭を下げる場面もこのステージの印象的なワンシーンとなった。

「百合の咲く場所で」ではイントロから昂ぶるオーディエンスが、いくつも肩車を作ってDragon Ashを大歓迎。エキサイトするフロアが波打つ鼓動のように揺れる。


「カッコいい仲間たちが、こんなカッコいいイベントやってくれるんだよ。そりゃ、音楽やめられないでしょう。ロットンに応えてくれ、松原(※ROTTENGRAFFTY所属事務所社長。2019年逝去)に応えてくれ！」

飛び交うダイバーが最高のカオスを作り出していく。さらにキラーチューンの「Fantasista」では、The BONEZのJESSEも飛び入り。ストリート感ある激しくも嬉しいコラボレーションの実現に、オーディエンスはさらにどデカいコーラスと歓声を上げ、気持ちを燃え上がらせるばかりだ。



「ロックバンドと、ロックバンドを支えてくれるスタッフと、ロックバンド好きなみんながいてくれれば、それでいいんだよ」

そう言いながら、このライブでDragon Ashが最後に用意していたのは「マンダーラ」。ROTTENGRAFFTYの曲である。サビを歌いながらステージにNOBUYAとN∀OKIも登場。3人が真っすぐに鳴らすメッセージは、いつまでも大きく響き続けた。



ド頭から最後まで、ストーリー性すら感じられたライブの最後に、Kjから届けられたメッセージがあまりにも彼らしいユーモアに溢れたものだった。

「ひとつだけ言わせて。ゆういっちゃん(侑威地)のやってるブース、食べると食中毒になるから。みんな、櫻井食堂に行って（笑）」


文◎長谷川幸信
写真◎石井麻木／かわどう