9人がSUPER★DRAGONを生きる道として見定めた──メジャーデビューで龍の如し飛躍を誓う

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9月に行われたSUPER★DRAGON8周年ライブの最後、12月22日のスペシャルイベント<999>開催を告知した際に、喜びに沸く客席に向かって、メインボーカルの古川毅はこう告げた。

「そこで皆さんにお伝えしたいことがあるので、ここにいる一人ひとり必ず来てほしいです。歴史が塗り替わる瞬間をみんなと体感したい」

◆イベント写真

その言葉が1ミリの誇張もない、完全な真実であったことを、<999>を目撃したすべてのオーディエンスは実感しただろう。2015年9月の結成から9年目に入った9人組ミクスチャーユニット・SUPER★DRAGON。9づくしの自らにちなんで<999>と名付けられ、チケット代も999円と破格のスペシャルイベントで発表されたのは、なんと来年3月のメジャーデビューというサプライズだった。結成8年を超えてのメジャーデビューと聞くと、決して早くないように感じるかもしれないが、それも彼らの成り立ちを知れば納得できるかもしれない。

超特急やM!LKなどを輩出してきた、スターダストプロモーションの若手アーティスト集団・EBiDAN。8年前、その研究生から選抜された9人でSUPER★DRAGONが結成されたとき、メンバーの平均年齢はわずか13歳で、最年長でも16歳の高校2年生、最年少に至っては11歳の小学5年生だった。まだ世の中のことも自分のことも理解しきれていない年齢で始まった活動は、以降、1人の脱退者もメンバー交代もなく、オリジナルメンバーのまま8年が経過。大人に与えられた曲を歌い踊っていた彼らは、今や自分で楽曲をプロデュースし、作詞・曲に携わるまでになった。それがどれほど奇跡的なことであるかは、推して知るべし。全員が高校を卒業し、平均年齢も20歳を超えて、それぞれに青春を捧げたSUPER★DRAGONを9人が生きる道として見定めた今こそ、メジャーデビューへと進むべき最適のタイミングだったのだと筆者は思う。


11月29日より公式ホームページやSNSで“99”から始まる謎のカウントダウンを始め、迎えた12月22日。SUPER★DRAGON史上、最大のニュースを知らせるステージは、リリースの時系列に沿ったセットリストで、彼ら自身の歴史をたどっていくものとなった。「Clap Your Hands!」と幕開けを飾った「Pendulum Beat!」は2016年に発表された1stシングルで、若さあふれる躍動的な振り付けに心躍るナンバー。ファイヤードラゴンと称する年長組4人と、サンダードラゴンと名乗る年少組5人に分かれて対峙するようなフォーメーションも懐かしく、普段は理知的で冷静なイメージの強い池田彪馬も「みんな笑って!」と絶叫し、現役大学生から中学生に戻ったかのようにハツラツとしたパフォーマンスでBLUEのテンションをあげていく。

そうかと思うと、続いて3rdシングルの「Monster!」(2018年)ではキスを飛ばし、妖艶な表情で驚かせていくが、そもそも若さに似合わぬ表情やスキルは結成当初からのSUPER★DRAGONの持ち味であった。古川毅と池田彪馬のボーカルが伸びやかに天を貫けば、ジャン海渡と松村和哉はスピード感とメッセージ性の高いラップで牽引し、その両方を巧みにこなす田中洸希は曲中でレベルの高いヒューマンビートボックスをかます。ダンサー組も、アクロバットで身軽に宙を舞う最年長の志村玲於を筆頭に、穏やかな佇まいの中にナイフのような鋭さを見せる飯島颯、『タモリ倶楽部』等で鉄道タレントとしても活躍する伊藤壮吾、シャープなダンスで魅了する最年少の料理男子・柴崎楽と実に多彩。



序盤の2曲を終えて「小・中学生のときに踊ってた曲だから、振りつけとかも死ぬほど簡単なのよ。そんなSUPER★DRAGONの歴史と成長を感じられる1日にしたいと思います」と伝えた松村の言葉通り、その後ライブが進んでリリースの時が下り、楽曲のレベルが上がるにつれ、彼らの多彩な個性とパフォーマンス力は加速度的に発揮されていくことになった。


2ndアルバム曲の「WARNING」では曲中で順にソロダンスを披露するスペシャルなアレンジも交えながら、ヒップホップチューンで沸々と怒りを表現し、ハイトーンボーカルで圧倒。逆に3rdアルバム曲「Don't Let Me Down」は、エモーションを抑えることで“止まることはない”と己を提示するラップがアツい。コンセプト決めやプロデューサーの人選からメンバーが携わり、コロナ禍の中で発表された「Burning in the nights」では自身の志を、歌詞の通りに“闇夜に今 刻む”ような確信に満ちたパフォーマンスで叩きつけ、BLUEに息を呑ませる。

MCでは8年余の歴史の中で印象に残ったライブをそれぞれが挙げ、ファイヤードラゴンとサンダードラゴンに分かれて行ったリリースツアー(2016年)では両者で「ケンカしたし、仲直りもしたし」(古川)という言葉も。「初ワンマンの原宿クエストに来た人!」という問いにあがった手には「マジでありがとう!」と感謝して、飯島は「いろんなきっかけで僕らを知った方が集まって、こうしてライブを観に来てくれているのは素敵なこと」と素直な気持ちを口にした。


そんなファンへの想いを表すかのように、ファンをBLUE、自らの情熱をREDに例え、掛け合わさってPurpleになると歌う4thアルバム曲「Purple Moon」では、ジャンのラップを皮切りに小粋で軽やかなサウンドに乗って、客席フロアを彼らのグループカラーである青の光でいっぱいにする。対照的に、今年リリースされた最新アルバム曲「Revolution」に進むと、オーケストラとダンスミュージックを掛け合わせて壮大な世界を展開。迫力満点に張り詰めたパフォーマンスで革命の旗をあげた。

さらに「最後に悔いなくタオルとペンライトを振って、空をブチ抜いていこうぜ!」(古川毅)と、6月に発表された最新曲「Reach the sky」では全員でタオルを振って笑顔で駆け上がり、“連れてくからその手”に続く“離さないで!”をBLUEが合唱するのも胸アツ。珍しく歌詞を間違えた池田が“間違えちゃった”と歌う場面もあったが、そうして歌に乗せて自己申告できるのも、この空間が純度100%の喜びに支配されているからこそだ。事実、曲が終わるとメンバーは口々に「楽しい!」「ヤバい!」と漏らし、ジャンは「今、風呂に入ったら最高に気持ちいいんじゃないか?」と提案する。


だが、その言葉に「じゃあ、もう帰ったほうがいい?」と続けた古川を、ジャンは「今日はまだ帰れません! 帰れませんというか、みんなをまだ帰しません!」と一刀両断。「俺たちSUPER★DRAGONから大切なお知らせがございます。こちら!」と後方のビジョンを指すと、“カウントダウンの謎が今…”という文字に続き、“ポニーキャニオンからメジャーデビュー決定!! ”という文字が大映しになって、フロアに大歓声の渦を巻き起こす。メンバーも「やったー!」と円陣を組んで喜び、カウントダウンが0になる3月6日にシングル「New Rise」でメジャーデビューすることを報告。


そのままステージ上で公開インタビューが始まり、「New Rise」が1週間ほど前に出来上がったばかりであること、通常版とソロ版の全10形態でリリースされること、今日という日をできるだけ多くの人と共有すべくチケット代を999円にしたことなどが伝えられた。田中は自らのグループ名にちなみ「これ大事なのよ。来年ね、辰年なんです。しかも、甲辰年っていう、普通の辰年より良い辰年! もう、龍の如く駆け上がっていこうかと!」と気合十分。確かに、甲乙丙丁……と続く十干の1番目である甲と、水神である辰=龍の組み合わせはめでたくもあるし、中国占術では生い繁る樹を意味する年でもある。


池田も「僕たち9人は東京ドーム公演を最大の目標に掲げてるので」と、初めてBLUEに公言。「日本に留まらず、世界中で活躍できる龍になれるように頑張っていきたい。まずは日本武道館を目指して、皆さんと着実に前に進めていけたら」と語って拍手を浴びる。さらに飯島は「9人が活動を続けてこられたのは、BLUEの皆さんがいるから。メジャーデビューをしますが、今まで通りBLUEの皆さんの声を聞いて、距離を近くいたいなと思います」と目を潤ませた。最後に古川が「俺らが主人公のSUPER★DRAGONという物語、また新たなフェーズに突入するということで、とにかく2024年は皆さんへの感謝と、そして月並みですけど飛躍の一年にしたいと思っています。俺たちらしく、俺たちのやり方で、しっかり愛情をもって音楽と向き合っていくので、これからもよろしくお願いします」と宣言。それも音楽へのこだわりを自身のアイデンティティとする彼ららしい、メジャーシーンへの旅立ちの言葉だ。

クリスマス目前ということで、青いサンタ帽と半被で記念撮影をしたあと、改めて1人ずつ想いを語ったが、そこには決して順風満帆とは言えなかった年月を乗り越えてきた彼らのリアルが滲んでいた。「この9年、自分たちは“ものすごく大きな1歩”を踏み出すことがなくて」と告白した池田は、「こうして嬉しい知らせを皆さんと分かち合えることが何より幸せです。ずっと僕たちの心は皆さんの近くにあり続けるので、もっと多くの人たちと僕たちの音楽や感情を共有したい。今後も前だけを向いて、皆さんと一緒に手を取って進んでいきたい」と訴え。ジャンも「SUPER★DRAGONという僕たちの最高の作品たちを、より表に出したいという気持ちが強くなってきた。皆さんに大きな背中を見せていきたいですし、メジャー発表は最高のクリスマスプレゼントになったと思います」と胸を張った。


柴崎は「皆さんの期待を超えて、この最高のメンバーならどこまでも行ける」と微笑み、志村は「メジャーに行くことで、形が変わってしまうんじゃないかと不安になる人もいるかもしれないけど、それはハッキリ言って無いです。僕らは変わらないために今、変わるので」とBLUEの不安を払拭する。加えて「僕たちは僕たちらしく進化していきたい」と田中が告げれば、飯島は「メジャーが大きな分岐点になるという覚悟はありますし、ココがゴールではなく、イチから皆さんと一緒に上にのぼっていきたい」と決意。


また、20歳を迎えて「そろそろ人生の半分以上がSUPER★DRAGONになる」という伊藤は、「あっという間だったとも長かったなぁとも思う。今まで皆さんが手に持っている青い光、その応援を力に走り続けてきました。これから先もっと力強く走り続けるために、その青い光で僕たちが走る先を照らしていただけたら」と願いを込めた。志村と同じく「安心してほしいのは、我々は遠くに行きたいわけじゃないんです。皆さんと一緒に大きくなりたいので、それだけ覚えておいていただけたら。一緒に大きくなりましょう」とBLUEを安心させたのは松村。最後に「出会ってくれてありがとうございます」とBLUEに向かって感謝した古川は、これまでの8年余を振り返って、こう赤裸々に語った。


「総じて今まで幸せなんですけど、その中でも悔しいこと、苦しいこと、辛いこと、むかつくこと、いっぱいあったんです。でも、それをいつだって音楽やステージというものに自分たちは昇華してきました。そんな僕らSUPER★DRAGONの一番の強みって何だろう?って改めて考えてみたとき、メジャー1発目でジャンと和哉が制作に携わらせてもらえるほどクリエイティブなところでしょ? イケメンでしょ?(笑)いろいろ挙げたらキリないけど、一番の強みってSUPER★DRAGONのエンターテイメントを一緒に育ててくれたBLUEの存在そのものだなって。3月6日、メジャーデビューのタイミングでみんなが一緒にいてくれるのがすごく心強いし、感謝でいっぱいです。これからも隣にいてほしいなと本気で思ってます。僕らはいつだって今が最高だって言い切れる自信があるけど、これから先もっと最高になっていくんで、一緒に歩んでください」

そして「最後の最後に1曲歌って帰ろうと思います。みんなで一緒に歌おうぜ!」とタイトルコールされたのは、2017年に発表された1stアルバムのリード曲であり、1人では叶えられない夢を共にする仲間との絆を綴った「BROTHERHOOD」。ビジョンに堂々と映し出されSUPER★DRAGON のロゴを背に、サビでは炎をイメージしたファイヤードラゴンのサインを右手で、雷をイメージしたサンダードラゴンのサインを左手で掲げ、9人の“絆”を歌い上げていく。


だが、そんなメンバー間の絆は、8年の間にSUPER★DRAGONとBLUEとの絆を結ぶ楽曲へと進化してきた。ビートボックスを掛け合うジャンと田中を囲むようにメンバーが踊り、大サビではBLUEが大合唱。9人で肩を組み、古川が歌い“笑い合って泣いて ぶつかって称え合う”というリリックは、まさしく彼らが歩んできた道のりそのものと言っていい。同級生たちが青春を楽しみ、謳歌する横で、ひたすらにSUPER★DRAGONとしての道を模索し、追求してきた9人。その中で時に理不尽な苦難に見舞われながらも、いつだって彼らはこうして支え合ってきた。その道を、いつだってBLUEは青い光で照らしてきたのだ。

「ホントに何度でも言うけど、BLUEと一緒に俺たち、もっと大きな龍になるんで! もっとみんなの誇れる俺らであれるように、これからもカッコよくあり続けるんで、隣にいてくれると嬉しいです。これからも一緒に夢の続き、見ましょう」


ステージを去る間際にそう誓った古川は、その後ブログで「俺はスパドラじゃなかったら、とっくに違う道を選んでると思うんだ。生きがいなんだ」と綴っていた。右も左もわからなかった少年たちを夢中にさせ、生きる目的にまでなったSUPER★DRAGON。そんな昇竜が、これからさらに多くの人々の心を捕らえないはずはないのだ。

取材・文◎清水素子
写真◎笹森健一

SUPER★DRAGON Major Debut Single「New Rise」

▲「New Rise」 通常盤ジャケット

2024年3月6日(水)発売
https://lnk.to/superdragon_newrise_cd

■初回生産数量限定盤 全9種
CD2曲入り+ アクリルスタンド+16Pスペシャルフォトブックレット仕様
価格:各3,300円(税込)
収録曲:
「New Rise」
他 全2曲収録

【志村 玲於Ver.】PCCA-70570
封入特典:志村玲於トレカ1枚封入(全9種)

【古川 毅Ver.】PCCA-70571
封入特典:古川毅トレカ1枚封入(全9種)

【ジャン 海渡Ver.】PCCA-70572
封入特典:ジャン海渡トレカ1枚封入(全9種)

【飯島 颯Ver.】PCCA-70573
封入特典:飯島颯トレカ1枚封入(全9種)

【伊藤 壮吾Ver.】PCCA-70574
封入特典:伊藤壮吾トレカ1枚封入(全9種)

【田中 洸希Ver.】PCCA-70575
封入特典:田中洸希トレカ1枚封入(全9種)

【池田 彪馬Ver.】PCCA-70576
封入特典:池田彪馬トレカ1枚封入(全9種)

【松村 和哉Ver.】PCCA-70577
封入特典:松村和哉トレカ1枚封入(全9種)

【柴崎 楽Ver.】PCCA-70578
封入特典:柴崎楽トレカ1枚封入(全9種)


■通常盤 PCCA-6280
CD ONLY 3曲入り
価格:各1,430円(税込)
収録曲:
New Rise
他 全3曲収録
封入特典:トレカ2枚封入(集合3種、メンバーソロ27種 合計全30種)

▼ショップ別先着予約特典
SUPER★DRAGON Major Debut Single「New Rise」を下記対象店舗でご予約・ご購入いただくと、先着でショップ別先着予約特典をプレゼントいたします。
・Amazon.co.jp:ランダムメガジャケ
・タワーレコードおよびTOWER mini全店、タワーレコードオンライン:トレカ(タワレコスタッフver / メンバーソロ9種 全員1種)
・全国HMV/HMV&BOOKS online:トレカ(カジュアル衣裳ver / メンバーソロ9種 全員1種)
・セブンネットショッピング:ソロ缶バッジ ランダム全9種
・楽天ブックス:ソロ4カットフォトカード ランダム全9種
・応援店:New Riseオリジナルポスター

※特典は数に限りがございますので、発売前でも特典は終了する可能性がございます。
※一部お取扱いのない店舗等もございますので、詳しくは対象店舗およびネットショッピングサイトへお問い合わせ下さい。

詳細:https://super-dragon.jp/news/news7122/

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