【コラム】SixTONES、多彩なアルバム『THE VIBES』のハイライトとなる3つのMVの魅力

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SixTONESの4thフルアルバム『THE VIBES』が1月10日にリリースされる。全形態合計で20曲を収録した同作は、“どんなシチュエーションにも寄り添う、SixTONESらしさ溢れるGOOD VIBES全開なニューアルバム”というキャッチフレーズに違わない、バラエティに富んだ内容に仕上がっている。そのアルバムのハイライトを担っているのが、YouTubeにてミュージックビデオが先行公開された3曲だ。

まずは12月1日に公開された「アンセム」。アメリカンスクール風のシチュエーションからバスケットコートでのライヴシーンへとなだれ込む、SixTONESの持つ豪快さが表れた映像作品である。同曲はヒットソング「こっから」の流れを汲んだ作風であるものの、決定的な違いとして挙げられるのが、中盤の場面転換だ。エネルギッシュなシンガロングパートに切り替わると、MVでもメンバー6人が集合し、自身の足でバスケットコート、すなわち勝負の場へと足を進める演出が施されている。


その後、ジェシーのシャウトから重厚なバンドサウンドになだれ込むと、本領発揮と言わんばかりに6人それぞれが思い思いにダイナミックなパフォーマンスで魅了する。それに触発されてオーディエンスも拳を高く掲げてシンガロングする様子も、SixTONESのパワーを象徴する重要な要素だ。MV本編とは別にアップされた、ライヴパフォーマンスのみで構成された映像を観てもらうと、さらにそれを実感できるだろう。エモーショナルでありながらもスタイリッシュな立ち回りは、王者さながらの風格だ。


「アンセム」から一転し、12月31日にアップされた「Only Holy」は、大切な人の幸せを願い、寒い冬にそっとぬくもりを灯すミドルテンポのウィンター・ラブソング。優しさと切なさがない交ぜになったメロディとサウンドの中で、6人それぞれのボーカルが光る。窓の外に雪景色が広がる室内を主な舞台にしたMVは、歌唱時の表情が丁寧に捉えられている。肩肘張らず、かつ真摯に歌う彼らを、じっくり堪能できる絵作りだ。


そして同曲の本質である“祈り”は、彼らの声の温度により引き出されている。言葉とメロディをまっすぐ見つめるような歌声には、それぞれの誠実さが滲む。異なる個性を持つ一人ひとりの声の旨味はもちろん、ユニゾンやハーモニーも美しい。“声にはその人の心が嘘偽りなく表れる”と誰かが言っていた。SixTONESのボーカルワークの心地よさは6人の声質の相性がいいという面もあるだろうが、それ以上に6人全員が同じ集中力と熱量で音楽に向き合っていることが要因となっているのではないだろうか。だからこそ彼らは各々のキャラクターを滞りなく放出したうえで一枚岩になれるのであろうし、リスナーの我々は安心感を覚えるのだ。

そしてリリース日の前日に公開されたのが、通常盤のみに収録されている「君がいない」の映像作品である。12月12日にYouTubeにてアルバムのノンストップダイジェスト動画が公開されたが、この楽曲のみ詳細が明かされないままだったため、今作においての何かしらのキーポイントになっていることは想像できた。これまでもSixTONESチームは、SNSを用いてギミックの効いたプロモーションを展開するだけでなく、クオリティの高い表現を追求する姿勢を提示している。SixTONESのアニメーションMVには、近年の流行を取り入れるというだけでなく、“新たな表現方法で勝負する”という気合いと自信を突きつけるという意味も充分にあるだろう。


今回のアニメーションは過去SixTONESの「うやむや」、「フィギュア」のアニメーションも制作した“えむめろ”氏、シンプルでアンニュイな世界観が印象的なイラストは新進気鋭のイラストレーター“ピカタ”氏が手掛けている。歌詞にある“コーヒー”をモチーフに展開する。なかでも特徴的なのはカット割りだ。主人公の堂々巡りの思考と絶望感、つまり歌詞にある“ローラーコースターみたく真っ逆様”な状態をそのまま演出に落とし込んでいるため、凝視していると脳に衝撃をくらうような感覚が襲い掛かる。さらに6人のマイクリレー、リフレインが効果的なトラックなど、音も“回転”しているのだ。混乱という感情を多角的に表現することで、視聴者にもその世界を追体験させるという、刺激的なギミックに富んでいる。

こうして3本の映像作品のみを観ていても、SixTONESは音楽を様々な手法で表現するアーティストであるというだけでなく、音楽を媒介としてリスナーを巻き込むことに長けていることがわかるだろう。『THE VIBES』というアルバムも、目を丸くするような意外性もあれば、胸を熱くする場面、心地よいビートに興じられる場面など、様々な体験ができる。さらに、ヒットソングだけでなく、メンバーが2人1組になった楽曲やアルバムヴァージョンなどが収録された、多彩な4thフルアルバム。全20曲を通して、6人の表現者としての心意気を感じてほしい。

文◎沖さやこ

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アルバム『THE VIBES』

2024.1.10 Release
【CD共通12曲】
M1 ‒ こっから
M2 ‒ Alright
M3 ‒ アンセム
M4 ‒ ABARERO
M5 ‒ Something from Nothing
M6 ‒ Only Holy
M7 ‒ DON-DON-DON
M8 ‒ Bang Bang Banginʼ
M9 ‒ SPECIAL
M10 ‒ Seize The Day
M11 ‒ TOP SECRET
M12 ‒ CREAK

<初回盤A>


SECJ-79~80(CD+BD)
SECJ-81~82(CD+DVD)
¥3,960- 税込
※BOX仕様

CD
M13 ‒ DRAMA
M14 ‒ House of Cards

BD / DVD
アンセム ‒Music Video-
アンセム -Live Performance Only ver.-
アンセム ‒Music Video Making-
アンセム ‒Music Video Solo Movie-
ABARERO ‒Dance Performance Only ver.-
こっから ‒Dance Performance Only ver.-
CREAK ‒Dance Performance Only ver.-

<初回盤B>


SECJ-83~84(CD+BD)
SECJ-85~86(CD+DVD)
¥3,960- 税込
※BOX仕様

CD
M13 ‒ Blue Days (Jesse×Yugo Kochi)
M14 ‒ 希望の唄 (Taiga Kyomoto×Shintaro Morimoto)
M15 ‒ スーパーボーイ (Hokuto Matsumura×Juri Tanaka)

BD / DVD
01. Blue Days (Jesse×Yugo Kochi) -Music Video-
02. 希望の唄 (Taiga Kyomoto×Shintaro Morimoto) -Music Video-
03. スーパーボーイ (Hokuto Matsumura×Juri Tanaka) -Music Video-

<通常盤>


SECJ-87(CD)
¥3,300- 税込
※初回仕様:スリーブケース仕様+20Pフォトブック



CD
M13 ‒ 君がいない
M14 ‒ ONE SONG
M15 ‒ Drive -THE VIBES ver.-

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