【イベントレポート】<ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル 2024 in 東京>DAY1。ピアノと歌で幻想の世界へ

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1月7日・8日に東京ドームにて、<ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル 2024 in 東京>が開催された。

◆イベント写真

全世界累計登録アカウント数が3000万を突破し(※日本・北米・欧州・中国・韓国の5リージョンの累計アカウント数。フリートライアル版のアカウントを含む)、いまもなお世界中のゲームファンから熱い支持を集めているオンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)。

<FFXIV ファンフェスティバル>(以下、ファンフェス)は、2014年から開催されている同作最大のファンイベントだ。前回のファンフェスはコロナ禍の影響を受け、「デジタルファンフェスティバル」と題し、完全オンラインの無観客公演として開催。リアルイベントとして日本国内で開催されるのは、2019年以来、実に約5年振りとなった。『新生エオルゼア』の発売から10周年という記念すべきタイミングで行なわれた今回の<ファンフェス>は、2023年7月にラスベガス、10月にロンドン、そのフィナーレを2024年1月に東京で開催するという行程で、東京の会場は、ファンフェスはさることながら、ビデオゲームの単独イベントとしては史上初となる、東京ドームでの開催となった。

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初日のステージプログラムは、今夏リリースされる最新拡張パッケージ『黄金のレガシー』の新情報が解禁された「基調講演」をはじめ、映像配信サービス「Lemino」で配信中の番組『ファイナルファンタジーXIV クリスタル通信』から、ゆいP(おかずクラブ)と野田クリスタル(マヂカルラブリー)が出演したクイズ大会などを実施。ステージの模様は、音楽ライブ以外は無料で配信されており、Xのトレンドには関連ワードが大量にランクインする、まさにお祭り騒ぎになっていた。また会場では、今後『FFXIV』に実装されるバトルを一足早く体験できるブースや、フォトスポット、リアル謎解きゲーム、デジタルアスレチックといった様々なアクティビティや展示物が用意されていて、来場した光の戦士(※光の戦士は『FFXIV』プレイヤーの愛称)が、丸一日『FFXIV』の世界に没入できる空間になっていた。


イベント初日を締め括ったのは、『FFXIV』の人気楽曲を、ピアニスト・Keikoの演奏と、アメリカ在住のシンガー・Amanda Achenの歌で届けるスペシャルコンサート。昨年11月に発売され、Keikoがピアノアレンジを手がけたアレンジアルバム第5弾『Forge Ahead:FINAL FANTASY XIV ~Arrangement Album~』の収録曲を中心したセットリストが組まれ、東京ドームが2人の美麗な共演に深く酔いしれた。


司会進行を務めた『FFXIV』サウンドディレクター・祖堅正慶と、『FFXIV』グローバルコミュニティプロデューサー・室内俊夫の呼び込みで、ロングトレーンドレスを纏ったKeikoがステージに登場。柔らかなタッチでグランドピアノを奏で始めた。1曲目は「冥き水底 〜テンペスト:深部〜」。流麗な鍵盤の音色が生み出す幻想的な空気が、東京ドームを包み込んでいく。続く「目覚めの御使い 〜ティターニア討滅戦〜」ではAmandaがステージに姿を現し、Keikoの軽やかな伴奏に合わせ、ときにリズミカルに、ときに滑らかに、透明感のある美しい歌声を響かせると、「命の天秤 〜輝ける神域 アグライア〜」へ。Keikoがパワフルに鍵盤を叩けば、Amandaは強烈なファルセットを放つ。

演奏中は、センターステージの上部に設置されていたスクリーンに『FFXIV』のゲーム映像、バックスクリーンにステージで演奏しているリアルタイムの映像がそれぞれ映されていたのだが、大掛かりなライティングや演出を行なうことなく、東京ドームという日本屈指の巨大会場を、ピアノ1台、もしくはピアノと歌のみで魅了していく光景は、とにかく圧倒的だった。


MCで、Keikoは「ピアノ1本でどんな響きになるのかなと思っていたんですけど、気持ちいいですね」と笑顔でコメント。Amandaも「自分の想像を超えた経験をしている。これまでたくさんのピアニストと共演してきたけど、Keikoさんとはいつもしっくりくる」と嬉しそうに話す。そんな2人のことを、祖堅は最大限の敬意を払って「バケモノ」と称賛していたが、改めて2人の凄みを感じさせられる場面が何度もあった。また、彼女達の演奏をベストの状態で届けるべく、祖堅とサウンドチームは前日のリハーサルで音響を徹底的に調整したとのこと。ライブ当日もスタッフが会場内を走り回り、常に微調整をしながらステージが行なわれていたことも記しておきたい。



ここで一度Amandaが舞台袖に戻り、Keikoのソロピアノによるメランコリックで儚げな「黒闇と黒鉄 〜ガレマルド:夜〜」を披露。そのまま「迷宮 〜ラヴィリンソス:昼〜」に移ったのだが、突然演奏を止めるKeiko。すると、祖堅がオタマトーンを持ってステージに姿を現した。Keikoが明るく弾むようにピアノを奏でる中、ステージを歩き回りながらオタマトーンを演奏する祖堅は、途中でKeikoの横に座ってピアノを連弾し、息のあったパフォーマンスを繰り広げる。演奏を終えた直後、客席から拍手が送られる中、祖堅は走ってステージから逃げようとしたのだが、進行役の室内に止められてしまい、そのままMCへ。祖堅のオタマトーンは、『FFXIV』のコンサートでは恒例になっているのだが、それを東京ドームのど真ん中で行なったことについて感想を求められると、「よくないよなぁ」と祖堅。そして「誰だ! 俺のWikipediaに“オタマトーン奏者”って書いたの!」と叫び、光の戦士を盛り上げていた。



そんな笑顔に溢れた演目から、光の戦士が手にしていた色とりどりのペンライトの灯りが華を添えた「古の御空 〜エルピスメドレー〜」、祖堅の要望でジャズのテイストを盛り込んだパワフルかつ洒脱で雄麗な「ハピネスキャロット 〜楽園都市 スマイルトン〜」を続けて披露すると、再びAmandaがステージに登場。「月満ちる夜 〜喜びの神域 エウプロシュネ〜」では、歌とピアノがときに掛け合うように、ときに寄り添うように届けられる情熱的な演奏となった。そして、ラストナンバーの「Flow」へ。まばゆいまでの光がステージに差し込んでいく中、客席を見渡しながら両手を広げて美しいハイトーンボイスを響かせるAmandaと、優しく、温かく、そして力強く奏でられるKeikoのピアノが織りなした感動的な余韻に包まれるエンディングとなった。


全曲終了後、改めて光の戦士達に感謝の思いを伝えるKeiko、Amanda、祖堅の3人。「ありがとうございます!」と日本語で感謝を告げ、感極まるAmandaと、「みなさんと冒険を振り返りながら音楽を共有できて、嬉しくて、楽しくて、最高のファンフェスです」と話すKeiko。そして、「この2人はすごいんですよ。東京ドームをピアノと歌でどうにかしちゃうって信じられないよね?」と興奮気味に話す祖堅は、「ラッキーなことに自分の周りにはすごい人たちが本当にたくさんいるし、そして何よりも、ゲームを楽しんでくれている光の戦士がいるから、こうやってコンサートができていることを本当に実感しています。またこうやってコンサートができるように頑張っていきたいです」と感謝と意気込みを力強く語り、初日を締め括った。


なお、このスペシャルライブの模様は、2月6日23時59分頃まで、ライブ配信サービス『StreamPass』にてアーカイブ配信されている。

文◎山口哲生
写真◎西槇太一、白石達也、上石千聖

(c) SQUARE ENIX

ストリーミング情報

『ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル 2024 in 東京』
https://fanfest.finalfantasyxiv.com/2023-24/jp/about/#streaming

『ファイナルファンタジーXIV(ファイナルファンタジー14)』

ジャンル:MMORPG(オンラインゲーム)
プラットフォーム:PlayStation 5|PlayStation 4|Windows|Mac
権利表記:(c) SQUARE ENIX

『Forge Ahead: FINAL FANTASY XIV ~Arrangement Album ~』

発売日:2023年11月29日(水)
品番:SQEX-20095
価格:¥4,400(税抜¥4,000)
仕様:Blu-ray Disc Music (1Disc)、MP3 Files included
収録楽曲:全19曲
発売元:株式会社スクウェア・エニックス
権利表記:(c) SQUARE ENIX

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