【インタビュー】TENSONG、ミニアルバム『普通なんていらないよ』に実体験とメッセージ「ありのままでいてほしい」

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2023年は精力的なリリースに加え、全国47都道府県対バンツアー<〜JUST FOR FUN 2023〜>と初のワンマンライブ<アーティストミマン>を開催したTENSONGが1月30日、1stミニアルバム『普通なんていらないよ』をタワーレコード限定リリースする。自身初のCDリリースは1000枚限定というプレミアムなものだ。

◆TENSONG 動画 / 画像

収録される6曲はすべてが新曲。壮大なバラード、疾走感のあるキャッチーなナンバー、ハイテンションなお祭りソング、シャッフルビートが効いたスタイリッシュなポップソング、センチメンタルなミドルナンバー、決意が綴られたエネルギッシュなロックナンバーと、それぞれ異なる魅力を放ちながらも、すべてに共通しているのは“ありのままでいてほしい”というメッセージだ。2月からスタートする初のワンマンツアー<1stワンマンツアー『普通なんていらないよ』2024>でもポテンシャルを存分に発揮するであろう同作について、メンバー3人に話を聞いた。


   ◆   ◆   ◆

■世の中の普通はあるようで実はない
■あなたらしく生きてください


──1stミニアルバム『普通なんていらないよ』リリースとツアー<1stワンマンツアー『普通なんていらないよ』2024>開催決定に際して、“TENSONG第2章スタート”と謳っていますが、やはり2023年の47都道府県ツアー<JUST FOR FUN 2023>と、同年8月に開催された初のワンマンライブ<アーティストミマン>は大きな区切りになりましたか?

たか坊:初のワンマンライブを終えてからが自分たちの本当のスタートだ、とはずっと前から決めていて。だから初ワンマンのタイトルも<アーティストミマン>にしたんですよね。47都道府県ツアーは、ワンマンライブのための武者修行でもあったんです。

──となると、第2章のTENSONGは“アーティスト未満”ではなく“アーティスト”でしょうか?

たか坊:いや、結局<アーティストミマン>を終えても、自分たちは何も変わってないんです。何者でもなかった。でも自信はついたんですよね。等身大、ありのままの自分を見せても、みんな温かく迎え入れてくれる。だから“アーティストミマンであったとしても、等身大で続けていきたい”という自分たちなりのスタイルが、47都道府県ツアーとワンマンライブを通して見つけられたんです。


▲たか坊(Vo)

拓まん:2023年は学びの年で、47都道府県ツアーを回るなかでライブに対する考え方が変わったのがすごく大きかったんです。だからひと区切りという意味でも、第1章だったかなと。

アルフィ:2022年秋のサーキットイベントで初めてライブをやって、2回目のライブが47都道府県ツアーの初日だったんです。経験値がないところから一気に武者修行のようにライブをして、いろんな課題が生まれたんですよね。47都道府県ツアーは、その課題とじっくり向き合っていく時期だったと思います。

たか坊:アルフィの言ったとおり、47都道府県を回るなかで自分たちに足りないものを目の当たりにすることが多かったし、同時に“こういうことがしたい”“ああしたい”という気持ちも芽生えていったんですよね。次にツアーを回るとなると既存曲だけでは勝負できないから、ツアーを回る前にたくさん新曲を作りたかったんです。だから今回のミニアルバムにはライブを想像しながら作った曲もありますね。

──デジタルシングル「A HAPPY RAINY DAY」から5ヵ月弱でリリースされるミニアルバム『普通なんていらないよ』が全曲新曲なのには驚きましたが、そんな背景があったんですね。

たか坊:タイトル通り“普通なんていらないよ”精神で制作しましたね。「A HAPPY RAINY DAY」をリリースした後から本格的に曲作りをスタートして、特に12月はスケジュールも詰め詰めでレコーディングやミックスをしました。6曲とも出来立てです。結果どの曲もニュアンスやテイストが違って、しっかり勝負できる曲になったと自負しています。


▲拓まん(G)

──表題曲「普通なんていらないよ」は、拓まんさんによる作詞作曲です。今までの拓まんさんの人生が詰まった曲という印象を受けましたが、なぜこのような曲を作ろうと思われたのですか?

拓まん:プロデューサーからの後押しですね。2021年にオンラインライブ(2021年11月開催/<TENSONG LIVE「存在」| ONLINE LIVE “はじまりのおわり” 2021>)を実施したんですけど、その時にプロデューサーから、「数人なら会場に友達を呼べるよ」と言ってもらったんです。でも僕は、中学高校と学校に馴染めなかったから、誘える友達がいなくて。「いないんで、大丈夫です」とさらっと答えたんです。そうしたらプロデューサーが「どういうこと?」と聞いてきたんですね。「その経験を曲にしたらどう?」とも言ってもらったんです。そこから少しずつ作ってきた曲を今回完成させました。

──かなり時間をかけて、こつこつと作り続けたということでしょうか?

拓まん:そうですね。当時すぐにワンコーラスを作ったんですけど、あの頃のことを思い返すのには時間が必要だったし、作り続けるなかで自分の心境も変わってきて。それこそ当初、“死にたいなら生きろ”という歌詞は“死にたいなら死ねよ”にしていたんです。“死にたい”と思う人は、“生きろ”と言われるほうが苦しいという感覚が、当時の僕にはあって。でもこの2年間で、自分たちと近い世代の人が自ら命を絶つニュースがたくさんあって。この歌詞は違うんじゃないかなと思ったんです。

──10代の頃につらい経験をして、人生を終わらせてしまいたいという気持ちがわかるからこそ、近い世代の人たちが命を落とすことに対して、いろいろと思うところがあったと。

拓まん:学校に馴染めなかった経験を持つ身としても、音楽を発信する立場としても、いろいろと考えた時に、“やっぱり生きてほしい”と思ったんです。でも、どれだけ僕が“生きてほしい”と言っても、その人は死を選ぶかもしれないし、どうなるかわからない。そういう意味でも“こうすればこうなる”という正解はないし、人間に“普通”なんかないと思ったんです。だから、ありのままのあなたでいてほしいし、ありのままのあなたを肯定したい。だけど、自ら命を絶つことは肯定できない。あと僕みたいに、友達がいなかった人間が、大学で知り合った友達と音楽をやっているのも、ある意味普通ではないと思うんです。そういう思いがいろいろと合わさってできた曲ですね。


▲アルフィ(DJ)

──たか坊さんとアルフィさんは、拓まんさんの人生が表れた曲とどう向き合いましたか?

たか坊:拓まんの人生観はTENSONGを結成する前から聞いていたんです。それに、拓まんが原型を作り始めた2年前から、ずっとこの曲に触れていたし、僕と一緒に作った歌詞やメロディもあるので、TENSONGの曲だという感覚が大きいんです。でも、曲が生まれるきっかけは拓まんの人生なので、完成した瞬間に拓まんのことを褒め称えましたね。とにかく曲が良すぎる。アルバムを作るなら絶対にこの曲をメインにしたかったんです。

アルフィ:一番最初に拓まんが上げてきたデモを聴いた時に、“うわ、拓まんだ”とすごく思ったんです。歌詞が拓まんそのものだった。さらにずっとブラッシュアップを続けたことで、TENSONGにとってすごくいい曲になったと感じています。

拓まん:だから、きっかけは僕の経験なんですけど、3人全員がTENSONGの曲だと感じられているんですよね、「普通なんていらないよ」は。この曲に限らず、いつも3人で“ここの歌詞はどうしよう”とか意見を言い合って完成させているので、3人全員がどの曲に対しても“僕ら3人の曲なんだ。TENSONGの曲なんだ”と思えているんです。

──TENSONG自身も結成の経緯、活動の歩み方、メンバー編成、すべてにおいて“普通なんていらないよ”を地でいっているので、そういう観点から言っても、TENSONGの曲だと感じます。

拓まん:自分たちにとっての普通をやっていると、周りから「普通じゃない」って言われるんですよね。でもそれってすごくいいことですよね。

たか坊:究極の理想だよね。普通の定義は一人ひとり違うから難しいけど、見方を変えると世の中の普通はあるようで実はない、ということだと思うんです。だから“あなたが思う普通のとおりに生きていいんだよ。ありのままでいいんだよ”という意味での「普通なんていらないよ」だと思っていて。今回リリースする6曲は、全部ジャンルもばらばらで、回りくどくいろいろな言い方をしてますけど、結局言いたいのは“あなたらしく生きてください”ってことなんです。

アルフィ:僕らももともと、TENSONGにしかできないことをやりたいという気持ちがあって。自分たちが普通なのか普通じゃないのかはよくわからないんですけど、ライブでも“普通なんていらないよ”を強調したいんですよね。

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