【インタビュー】Bimi、1st EP『心色相環』は感情のベーシック「振り返ったときに笑える自分でいたい」

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ヒップホップ、ロック、R&B、さらには演歌や歌謡曲など幅広い音楽をミクスチャーさせた楽曲で注目を集めるBimiが、メジャー1st EP『心色相環』をリリースした。

◆撮り下ろし写真

“心”と“色相環”を掛け合わせたタイトルを冠した同作には、“喜怒哀楽”それぞれのテーマから生まれた楽曲、メジャーデビュー曲「babel」、インディーズ時代の楽曲をリミックス&リレコーディングした「輪 -味変-」の6曲を収録。Bimiがこれまで発信してきた思考や感覚、メッセージが、多彩なサウンドで表現されている。今作について彼は“価値観のプロフィール”と語った。その価値観にフォーカスし、Bimiの変わらない信念と現在のリアルを探った。

   ◆   ◆   ◆

◼️生きて、戦って、自分と向き合った時にふと“感情には色があるんだな”と思った

──いきなり音楽と関係ない話で恐縮なんですが、BimiさんはInstagramのストーリーズを介して、ファンの方とコメントのやり取りをなさっていますよね。

Bimi:質問機能を使った返信ですか? おかげさまであれは周りからかなりウケがいいですね。

──新しい気付きを得ることもあり、興味深く拝見しています。どういう考えのもと返信なさっているんですか?

Bimi:暇なときに質問フォームを投稿して、目についたもの、面白いなと思ったものに返信してますね。連投してくる人のコメントは拾わないし、攻撃的なコメントが来たら “なら俺も攻撃するからな” ってスタンスで(笑)。だから俺はじゃれ合ってるつもりなんですよ。絵文字とか使わないから言葉がきつく見えるのか「怒ってるの?」 みたいに聞かれることが多いんですけど、全然怒ってないんです。思ってることそのまま書いてるだけで。

──Bimiさんなりのファンサービスでもあると。

Bimi:(ファンは)そういうのがないと勝手にどんどん不安になっちゃうんだろうなとも思うんですよね。SNSはInstagramしかやってないし、交流するようなイベントもやらないので、さすがにこれくらいはやっておかないとなって感じです。

──Bimiさんのそのメンタリティは、音楽にも反映されているのではないでしょうか。メジャー1st EP『心色相環』も各曲でBimiさんの本質的な部分が落とし込まれていますし、それを表現する方法も以前より増えていると感じました。

Bimi:表現方法が増えてるいちばんの理由は、メジャーに行って自分以外のお金を使えるようになったことですね。ヤバいミックスをしてくれるエンジニアがついてくれて、いいレコーディングスタジオを使えるようになって、音にかけられる環境がガラッと変わりました。インディーズ時代は個人でやってたから家で録った曲もあるし、ツテ以外の手段がなくて。だからキングレコードさんが持っているものを可能な限り使わせていただきましたね。



──メジャーにフィールドを移したことが功を奏しているようで何よりです。“心色相環”という言葉は “色相環” を引用して “すべては循環の原理により保たれ形成されている” という思想や“心や感情の循環”という意味を込めたそうですが、いつ頃からこのような考え方を重んじるようになりましたか?

Bimi:厨二病を発症した中学時代からずっと思ってたことですね。創作は厨二病の延長だと思うんですよ。俺はなんで生きてんだ? 何のためにこの世に生を受けたんだ? みたいな自問自答から始まって、これだと思える完璧な答えにはいまだにたどり着かなくて。そうやって生きて、戦って、自分と向き合った時にふと“感情には色があるんだな”と思ったんですよね。“おぼろげながら浮かんできた”ってやつです。

──その色を大きく分けると“喜怒哀楽”の4つになるということですね。

Bimi:だから『心色相環』にも “喜怒哀楽” の順番で「博徒街道」「怒鈍器」「インベーダーインバイト」「ミツ蜂」を並べて。それで最後に、25年生きた自分の喜怒哀楽、人生で感じたこと、経験したこと、逃げたこと、全部向き合って得たものを全部ひっくるめた「babel」を置きました。「輪 -味変-」はファンに向けたボーナストラックみたいなものですね。

──それぞれの曲で、ひとつの感情にも様々な色があるというのが表現されているのも特徴的で。

Bimi:まあ “白って200色あんねん” ってことですよ。


──(笑)。“喜” がテーマの「博徒街道」には仄暗さもあり、“哀” がテーマの「インベーダーインバイト」にはポップな甘さもあるというように、どの楽曲も一辺倒ではないんですよね。

Bimi:「babel」でも歌っているように、全部表裏一体だと思うんですよね。喜びの中にも悲しみがあって、怒りがあって。ほんのちょっとの誤差で変わっちゃうものが感情だと思うんです。一瞬にいろんなものが詰まっていて、感情にも濃度がある。その違いを描きたい気持ちはありました。やっぱりメジャー1st EPなので、Bimiってなんなんだ?というのがわかる、価値観のプロフィールを作りたかったんですよね。

──心の色を表現するうえで欠かせないのは、音色のバリエーションだと思います。DJ dipさんの手掛けるトラックの幅広さが、今回は特に際立っています。

Bimi:DJ dipは音楽の変態だから、どんなトラックも作れちゃうんですよ。くすぶってた者同士、波長があって今に至りますね。dipの多彩さをこれだけ調理できるのは自分だけだなって気持ちもあるし、俺らはコンビではあるけどペアでもグループでもないから、dipが誰かに提供するのも、俺が他のトラックメーカーと作ってみるのもいいよねと話してはいるんです。そういうフラットな関係だから続いてるんだと思いますね。dipと出会ってなかったらどんな戦い方をしてたんだろう、という興味もありますけど、今は今でいい転がり方をしてると思います。

◆インタビュー(2)へ
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