【インタビュー】BabyKingdom、新アトラクション『FUNNY∞CIRCUS』はサーカスがテーマ「やっぱり人を元気にする一番の薬は笑顔」

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BabyKingdomが、3rdフルアルバム『FUNNY∞CIRCUS』を完成させた。

◆試聴トレーラー/MV

アルバムとしては約3年振りとなる本作のコンセプトは、ずばり“サーカス”。老若男女が楽しめるポップでキャッチーなものに仕上げつつも、万人の心を踊らせるために細やかな工夫や意匠を凝らしていて、まさに彼らが掲げている“MUSIC THEME PARK=音楽のテーマパーク”というバンドコンセプト通りの1枚になっている。大充実作を完成させた4人に、アルバムについて賑やかに語ってもらった。

   ◆   ◆   ◆

◾️『MUSIC THEME PARK』は幅の広さが武器でもある

──前アルバムから『FUNNY∞CIRCUS』までの約3年間には、所属事務所からの独立など様々なことがありましたけども、振り返ってみてどんな期間でしたか?

咲吾(Vo):この3年はシングルをメインに出してきたんですけど、事務所が変わったからバンドの中で何かが大きく変わったというのは特になくて。できることを最短スパンでやろうという気持ちでやり続けてきたので、モチベーションがずっと高いまま駆け抜けて来られたかなって思いますね。暗中模索の時期はもちろんあったんですけど、自分としてもバンドとしても成長できた期間になったんじゃないかなって。自分的には伸び伸びとやれたんじゃないかなと思います。

──そのなかでも暗中模索していたことというと?

咲吾:バンドとしてどういうふうに見せていくのかっていうところですかね。自分たちのネームバリューがない状態で事務所に入って、そこでたくさんの人に知ってもらえたので、他力で伸びた部分があったと思っていて。そこから抜けたバンドとして見られるから、自分たちの実力がちゃんと伴っていないと、なめられるというか。“ああ、こんなもんか”って思われるのはわかっていたから、楽曲とか自分自身のスキルとか、一番基礎の部分に重点を置いて、底上げをしっかりやろうって。だから、どうすればなめられないのかなっていうのをずっと考え続けながら駆け抜けてきたかもしれないです。

▲咲吾(Vo)

──BabyKingdomのエンターテイメントに振り切ってる形はすごく素敵だと思うし、カッコいいなと思うんですけど、楽しさに全振りしているスタンスで活動していると、それこそなめられたりすることもあったりします?

咲吾:僕としては、ポップなだけのバンドっていう印象がすごく嫌なんですよ。やっぱり喜怒哀楽の全部を表現できるのがライブだと思っているので、たとえば対バンのときも、“楽しいだけで駆け抜けて行った30分やったな”と思われるんじゃなく、“こんな一面もあったんや”とか、“こんな気持ちにもさせてくれるんや”っていうものにしたいんです。コンセプトに掲げている『MUSIC THEME PARK』というのは、そういった幅の広さが武器でもあると思っているんですけど。

──確かにそうですね。

咲吾:そこも昔は若さだけで保ってた部分もあったと思うんですよ。でも、もう8年目というのもあって、楽しい感情も悲しい感情も作れたり、明日からの活力とか、自分の気持ちや人生を見返すキッカケとか、そういうものを感じさせられるバンドとしての箔みたいなものが、いますごく付いたと思っていて。

もにょ(B):僕は“なめられる”っていうワードがそんなに好きじゃなくて。でも、たぶん向こうからしたら失礼な気持ちで言ったわけじゃないと思うんですけど、ライブの後に「めちゃめちゃうまいバンドなんやね」とか、「めっちゃ音楽性高いんや」みたいなことを言われることが結構あるんですよ。要は、ポップなバンドやから、ちゃんと演奏できないんじゃないかとか、音楽性もそんなに高くないんじゃないかとか、そういう印象をバンドのイメージで持たれることって多いんだなぁと思うことが多くて。だから、ライブ後に「めちゃめちゃうまいですね」って言われたときに「ありがとうございます!」って言いながら、“勝っちゃった?”って思うことがあって(笑)。

──うんうん(笑)。

もにょ:いっても8年前はそんなにうまくなかったと思うんですけどね。でも、コロナ禍でライブができなかったり、咲吾の声が出なくなったりした時期もあったりして。みんながそこで実力をつけて、バンドとしても実力が上がって。バンドとしてのうまさとか強さみたいなのは、このアルバムを作る上でもすごく出たのかなというのは、リーダーとしてすごく感じますね。

──志記さんは、前作からの3年間を振り返ってみるといかがでしょうか。

志記(G):僕はメインコンポーザーでやらせてもらっているんですけど、ほんまにデスクに向かい続ける日々だったんですよ。いってもこの8年間ずっと続けていることではあるんですけど、この3年が一番向き合ったなって自信を持って言えるぐらい、向き合いに向き合っていましたね。たぶん受験勉強以上に向き合ってた(笑)。

──ははははは(笑)。

志記:“ミュージシャンって寝ながら曲を作る”とかよく言いますけど、ほんまにそんな感じやったんですよ。音楽って4分間ぐらいありますけど、たった1小節に1日かかることもざらにあるし、それだけやっても納得いかなかったりして。でも、寝たら夢の中でも音がずっと鳴っていて、起きてからそれをメモって形にしてみたら、実は納得のいかなかったものが土台になって、うまく作れたこととかもあったんです。だから、自分もここまで来れたんやなってちょっと思いましたね。あと、個人的な話としては、引っ越しをしまして。大家さんが隣に住んでいるタイプのマンションなんですけど、大家さんがまさかの理解がありすぎる人で。音が鳴っていなかったら「最近練習しとんのか?」って、ちょっと怒られるぐらいの感じなんですよ(笑)。

──すごい! ある意味監視されてる(笑)。

志記:受験勉強のときは親に監視されてましたけど、いまは大家さんに監視されてますね(笑)。

もにょ:でも、東京で、あの状態でアンプで鳴らして怒られない家もレア過ぎるよな?

志記:確かに。やっぱりアンプを鳴らさないとわからない部分ってあるんですけど、それを自宅でできてしまうっていう環境が良すぎて。

もにょ:でも、お前の部屋の上がよく引っ越してるのはそれが理由やろうな。大家さんは許しても、上の住人は許してない。

志記:それはあると思う(笑)。

▲志記(G)

──(笑)。虎丸さんはいかがでしょうか。前作から今作までの期間を振り返ってみると。

虎丸(Dr):すごくあっという間の3年間でしたね。ほんまにまばたきぐらいの時間(笑)。ずっと走り続けてきたなっていう感覚はあるんですけど、僕がこの3年間で一番疑問に思っているのが、“ドラムってなぁに?”っていうことで。なんか、ドラムって叩くだけじゃ音が鳴らないっぽいんですよ、どうやら。

──ドラムは叩いて鳴らす楽器だと思ってました。

虎丸:(笑)。もちろん叩く楽器なんですけど、叩き方とか、そういうところに焦点を当てていた3年間だったなって。そこはいまも続けているんですけど、なんていうか、“なでる”のと“つつく”のって全然違うじゃないですか。それがモーションによって全然変わるらしくて。そのモーションの数を増やすのに必死です、いまは。

──ひとつ踏み込んだところに入れた感覚があります?

虎丸:そうですね。僕の中では完全に盲点だったので。ちょっとだけわかってきた気もするんですけど、まだ全然理解はできていないのかなと思います。


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