【インタビュー 第三弾】SiMのSHOW-HATEが語る、SCHECTERシグネチャーモデル「一緒に理想を追求して最高の音に仕上がった」

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■俺がこだわる音の温かみは
■7弦ギターでも出すことができる


──インタビュー冒頭の、SiM初期に使っていたというギブソンのSGはブードゥーシリーズでしたよね?

SHOW-HATE:そうです。ちなみに、7弦のシグネチャーモデルAC-SM-SH-7のカラーリングは、ギブソンのブードゥーシリーズにインスパイアされたもので。無理を言って同じような感じにしてもらったんです(笑)。ブラックのシースルーなんだけど、木目が赤く浮かび上がっているというフィニッシュ。SCHECTERにサンドブラスト(表面にわずかな凹凸を作り、凹んでいる木目部分にレッド、ボディ表面をブラックで塗装)のマシンがあって、手間が掛かるけどやってもらってます。

──6弦も7弦も、ブラックに赤のアクセントカラーは個性的で、SHOW-HATEさんのアイコンが生まれたって感じがしましたよ。

SHOW-HATE:そうですね。「カッコいいから欲しい」って、それまでギターを弾いてなかったSiM好きな人も買ってくれました。テレキャスシェイプって、もともと渋いイメージもあったと思うんですけど、こういうカラーリングのギターを出しちゃってすいませんって感じですよね(笑)。でも、どうしても作りたかったので。

──オリジナルモデルの醍醐味ですね。

SHOW-HATE:ネック裏の色も好きなんですよ。使い続けてきたことで、いい感じに退色したり、少し塗装が剥げてきているんです。そこもお気に入りポイントですね。ボディ裏は、鋲ベルトしていた時期もあったので、すでに傷だらけです。


──ギターはそうやって育てていくのも魅力ですよね。

SHOW-HATE:本当にそうです。長く使えば使うほど音も変わってきて、鳴りが良くなりますよね。

──フェスのステージに機材が並んだだけでオーディンスが湧く、という話を海外ツアーするバンドから聞いたことありますよ。彼らのシグネチャーモデルが、バンドのアイコンにもなっているという話です。

SHOW-HATE:いいですね、それ。海外フェスのステージに自分のギターがセッティングされただけで、ワーッ!となるのを目指したい。頑張ります(笑)。

──そして、カラーリングの話にもあった7弦ギターのシグネチャーモデルAC-SM-SH-7がいよいよ市販されます。そもそも7弦のシグネチャーモデルは、ずいぶん前から製作の話も進んでいたんですか?

SHOW-HATE:そうですね、2023年の夏前くらいに、どういうふうに市販化していくかを具体的に話しましたね。このシグネチャーモデル自体はもっと前から使ってますけど。

──SHOW-HATEさんからはどういう希望を出したんですか?

SHOW-HATE:さっきも言ったボディのフィニッシュです。まずプロトタイプを作ってもらったんですけど、木の柔らかい部分を削り取って木目を出すという加工の仕方だったんです。それでは俺の抱いていたイメージとは違ったんで、やっぱりサンドブラストで加工してもらったんです。


▲SCHECTER AC-SM-SH-7 ※本人使用ギター

──ライトアッシュの木目がきれいに浮かび上がってます。ピックアップはセイモアダンカンのSH-4-7(リア)とSH-5-7(フロント)というところは、6弦のシグネチャーモデルAC-SM-SHと同様。24フレット仕様もAC-SM-SHと同じですが、指板にはエボニーを採用しています。

SHOW-HATE:まず、リアピックアップは、俺が好きなセイモアダンカンSH-4にしてくれと。指板は黒くしてくれってリクエストしました。それ以外は、俺から細かく指定していないですね。鈴木さんが俺の好みやサウンド指向を分かってくれているので、お任せしました。

──6弦のAC-SM-SHとは音の質感や方向性を変えたところもありますか?

SHOW-HATE:音の好みとして俺は、温かいほうが好きなんで、7弦ギターでもそれが出てるんじゃないですかね。あと7弦って低音域のもたつきとかが気になってくるじゃないですか。当時使っていたディーゼルのハーバート(アンプ)で鳴らしてみたら、気にしていたローが全然違和感なくて、そのままイケちゃって問題なかったですね。その後、アンプはKemperに変えたんですけど、チャンネルごとにEQできるので、7弦用のチャンネルを作って、EQでローをちょっと抑えて少しタイトな音にしています。ベースのローとちょうどかみ合うぐらいに調整している感じ。7弦ギターでも俺のこだわる温かみを出すことができていて満足いってます。

──カラーリングやピックアップ以外に、SHOW-HATEさんならではのカスタムポイントはありますか?

SHOW-HATE:これは6弦も7弦もそうなんですけど、俺のギターにはトーンコントロールを付けてないんです。トグルスイッチでスイッチング奏法をするんで、2ボリューム仕様にしてあります。その配置も、通常は手元に近いほうがリアのボリュームで、遠いほうがフロントのボリュームなんですけど、俺のは逆。手元がフロントで、遠いほうをリアにしていて。ライブとかで暴れながら荒く弾いたりしたときに、手元のツマミほうは手が触れて、ボリュームが変わっちゃったりするんですよね。なので、リアのボリュームの位置は手元から遠いほうが俺にはありがたい。

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