ストレイテナーのホリエアツシとフジファブリックの加藤慎一、国産木材の弦楽器を弾く「新しいものが芽生えた」

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▲加藤慎一 / フジファブリック

世界的に枯渇しつつある楽器用木材。一方で人手不足や単価の安さからどんどん森林面積が増えている日本。だったら国産木材で楽器を作ってみよう、というのがATENOTEというプロジェクトだ。発信元が金沢なので地元のヒバ材を様々な楽器メーカーに提供・製作してもらう、という形で。

◆ホリエアツシ+加藤慎一 画像

その詳細は先ごろ公開したACIDMANの大木伸夫インタビューでお届けしたとおり。今回はフジファブリックのベーシスト加藤慎一だ。


多くのプロは1〜2本の好みのタイプのベースと、そのバックアップをもって活動している。ところが加藤はメインのフェンダー製ジャズベースとプレシジョンベースに加え、ミュージックマン、ギブソン、リッケンバッカー、エピフォンからビザール系まで、実に多彩なメーカーのベースを所有しているのだ。今回、試奏していただいた彼の地元でもある金沢のSingularというメーカーのベース。彼のラインナップの中に置くとどんな位置にあるのだろう?

「いや、そこにはない新しい気持ちになりました」と加藤慎一。また「こうやって地元で切られた木が思いもよらず楽器になった。新しいものが芽生えた。それを考えると切ってくださった方にも感謝です」とも。肝心の音色についてもボディーの軽さとは裏腹に音の伸び、木が鳴っている感じが印象的だったようだ。


▲ホリエアツシ / ストレイテナー

続いては、ストレイテナーのボーカル/ギターのホリエアツシ。今でこそストレイテナーには大山純というギタリストが加わっているが、スタート当初はドラムのナカヤマシンペイとの2人体制。それだけにギタリストとしての比重も非常に大きく、実際にギターのことを語らせると様々な話題が出てくる。今回は加藤と同じくSingularのエレキギターを、ライヴのセッティングで試奏してもらった。

「すごく繊細な音でした。爪弾くような感じにも向いているかもしれない」とのこと。このへんはエレキゆえ、メーカーの個性への感想でもあるだろう。またヒバ材の質感については木目の美しさなど嗜好品の域だとも。


今年2024年は様々な楽器メーカーからヒバ材を使ったギターやベースが発表されそうな気配。日本発の木材が楽器に使われることが当たり前になってゆく、その元年になるかもしれない。地震の被害を受けた林業関係の施設なども徐々に復興の兆しを見せているようだ。

取材・文◎今津 甲

■能登ヒバ楽器プロジェクト『ATENOTE』とは

人と里山が奏でる悠久のサウンド──「アテノオト」

ATENOTE(アテノオト)は能登ヒバ(別名:档/アテ)を使用して楽器をつくり、“人”と“自然”をつなぐ地域材活性化プロジェクトです。能登ヒバを産出する里山は、人と自然が長い年月をかけて親しく寄り添い、築き上げた財産です。しかし近年の国内産木材需要の低下や後継者不足によって、里山の豊かな循環に大きな乱れが生まれ始めています。この先の未来も自然とひとつとなって歩み続けるために、ATENOTEは様々な楽器メーカーと協力し、清らかな里山の音を世界に響かせます。

ATENOTEは石川県の県木「能登ヒバ(アテ)」を活用して楽器メーカー様と共に様々な楽器を製作しています。自らがブランドとして楽器を販売することではなく、メーカー様へ材料として能登ヒバを活用することを提案し、その価値を共有することが目的です。能登ヒバの性質を検証し、新たな利用価値を創造します。

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