【ライブレポート】Rayflower、1年ぶりワンマンで新曲「FORCES」初披露「この時代に果たしてどう響くか」

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Rayflowerの東名阪ツアー<FORCES>が3月20日(水/祝)、東京・新宿BLAZEにて幕を開けた。都 啓一(Key&Sound Produce)、Sakura(Dr)、IKUO(B)、YUKI(G)、田澤孝介(Vo)という実力者揃いのスターチームが集結し、ワンマンライヴを開催したのは約1年ぶりである。

◆Rayflower 画像

「東京、久しぶりだな! 楽しんで行こうぜ!」──田澤孝介

イントロに乗せて田澤はそう叫び、ジャンプを繰り返し、ファンも同様に飛び跳ね、手を挙げて盛り上がるフロアは壮観な眺め。3月17日、左大腿の肉離れにより「これから1ヵ月杖と友達です」とX(旧Twitter)に投稿していた都は着座でのパフォーマンスだったが、演奏には支障がないとのアナウンス通り、プレイは力強く、とにかく楽しそうである。


明滅する色鮮やかなライトがステージを照らす中、“♪ラララ”の掛け合いによって、1曲目にして早くも醸成されていく一体感。賑やかさだけでなく、曲の世界観へと誘う吸引力とカリスマ性にも溢れたステージングで、ラスト、逆光の中に浮かび上がった5人のシルエットには鳥肌が立った。

「約1年振りですか? 待たせるにもほどがあるがな」と呟いて笑う田澤に、客席からは「ほんまや」の声が飛び、温かな歓迎ムードがフロアを包み込んでいく。アクセル踏みっ放しの勢いで突き進んだ序盤を経て、妖艶さが匂い立つ横ノリ楽曲を投ち、会場の空気は一変。煽情的なロックあり、ファンクありジャズあり軽やかなポップあり、5人のソングライターが個の才を発揮しながら織り成してきたハイクオリティーな楽曲群を、驚異のテクニックと熱量で次々と繰り出していく。

「“久しぶりやなぁ”と、過去のことに浸るだけなのもよくないと思いまして。今日はですね、新曲を持ってきました」──田澤孝介


そう明かした瞬間、ファンからは大拍手と歓声が沸き起こる。メンバーは笑顔でその様子をうれしそうに見つめ、頷いていた。IKUO作曲であることを田澤が明かすと、IKUOはファンにペコリとお辞儀。まるで降りしきる高速の流れ星を音符に変換したかのような、煌めくサウンドを奏でていく都。イントロのギターリフを、ライトハンドを織り交ぜて奏でるYUKI。田澤の歌声は大きな弧を空に描くように伸びやかで、自作の歌詞に宿す想いを力強く届けていく。高難度のベースフレーズを弾きながら鋭くラップするIKUO。Sakuraの刻むビートは変化を遂げていき、しなるようなグルーヴで曲を貫いていく。

YUKIとIKUOが自らクラップしてファンを導く同曲のパートでは、Sakuraもスティックを鳴らして煽った。アグレッシヴなバンドアレンジの中にダンスミュージックのエッセンスを感じさせる、躍動的で高揚感に溢れたキラーチューン。ぎっしりと詰まった多彩な音たちを全身で浴びるのがたまらなく心地良い。光を自ら掴みにいくかのように、田澤は天高く手を掲げて歌い終えた。混沌の時代を生きる一人一人の内なる力を信じ、ライヴ空間をイメージさせもする、エネルギーに満ちたナンバーだった。


中盤、機材トラブルのため急遽MCタイムに突入。座ったままの都は、ついにここで「左脚がミートグッバイしました」と理由を説明、肉離れをユーモラスに表現した。心配していたという田澤だが、杖を手にした都の姿が貫禄たっぷりに見えたようで、「会長なんよ、会社の(笑)」と評するとドッと笑いが起きた。

実用の杖の他、都はイリュージョン用の宙に浮くステッキをネット購入したそうで、「5本買って5人でやろうか?」と提案。次のライヴの地である名古屋、大阪で「イリュージョンを披露するかも」等々、賑やかなクロストークをステージで繰り広げているうちに機材が復活。メンバーもファンも大笑いして、リラックスしたムードの中で演奏を再開した。「FORCES」の歌詞にもどこか通じる、ハプニングをプラスに転じていく意識の“実践編”を目の当たりにしたようなひとときだった。

ヘッドバンギングの嵐を巻き起こす「Runaway Brain」や、華麗なソロプレイを繰り広げていく「サバイヴノススメ」などの定番曲も、この日は一層パワフルに、生命力に溢れているように感じられた。


アンコールでツアーTシャツに着替えて再登場したメンバーたち。フロアから「会長!」の声が飛び、都は「はいよ!」と手を挙げて笑いを誘った。都によると、レントゲンだけではなくMRI検査も受けたそうで、「先生もいろいろ知ってるからさ。“良かった、肉離れで”って(笑)」と喜び合ったとのこと。大病からサバイヴした過去を踏まえての発言である。「“良かった、命に別状無くて”みたいなレベルですもんね」としみじみ語った田澤の言葉に、深く共感したファンが多かったのではないだろうか。

「今日初めて観にきてくれた人にも、Rayflowerってこいうバンドです、こういうライヴをする奴らです、というのをお見せできたと自負しております。そういうステージに立ち会っていただけて本当にうれしく思います、ありがとうございました」──田澤孝介

ツアータイトルであり新曲名でもある“FORCES”について、「戦火が絶えないこの時代に果たしてどう響くか」、慎重に言葉を選びながら語っていたのも印象的。“力の源、光源”という意味で用いているそうで、ライヴという場所に赴いたお互いが「一方通行じゃなくて、両方行き来できる、力の集合体やったらいいな」という願いが込められているという。その想いをデザイナーに伝えたところ、「希望という花言葉が含まれている花を集めてくれた」とのこと。Tシャツに描かれた花束モチーフ(「FORCES」のジャケット写真にも掲載)の誕生秘話に聴き入っていたファンは、熱い拍手を送った。


初披露されたニューシングル「FORCES」の威力は想像以上に強く、ライヴ全体を通して受ける印象そのものを刷新し、Rayflowerというバンドの表現領域をグッと押し広げていた。ライヴが無かった期間は単なる空白ではなく、Rayflowerというバンドはパワーアップし続けており、ファンとの結び付きもより強固になっていると実感するツアー初日だった。

取材・文◎大前多恵

■東名阪ツアー<Rayflower TOUR 2024 “FORCES”>セットリスト

01. Prisoner of evolution
02. Real Game
03. 憂いのFUNNY MAN
-MC-
04. 彩戯心
05. SILVER BULLET
06. 絆
-MC-
07. FORCES ※新曲
08. Change Your Sight
09. 罪に罰、黒と白
10. Garbera
11. Welcome to The Gracious World
12. CARDIO BURN
-MC-
13. Words of Wise Man
-MC-
14. サバイヴノススメ
15. It’s a beautiful Day
16. Runaway Brain
17. ユースフルハイ
18. Soul survivor
encore
en1. Bloom Moment

▼Tour Schedule
3月20日(水/祝) 東京・新宿BLAZE
3月28日(木) 愛知・名古屋 Electric Lady Land
3月29日(金) 大阪・UMEDA CLUB QUATTRO

■デジタルシングル「FORCES」

2024年3月21日(木) 配信開始
配信リンク:https://linkco.re/nHHZupxq
※配信サイト(サブスクリプション)は順次追加されていく予定です



■<Rayflower TOUR 2024>夏のツアースケジュール決定

7月14日(日) 埼玉・HEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-3
7月25日(木) 愛知・名古屋Electric Lady Land
7月26日(金) 大阪・バナナホール
7月28日(日) 兵庫・神戸VARIT.
8月10日(土) 岐阜・岐阜CLUB ROOTS
8月11日(日) 岡山・岡山IMAGE
8月18日(日) 宮城・仙台MACANA
8月22日(木) 東京・LIQUIDROOM

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