【インタビュー】aiko、『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』主題歌「相思相愛」は「初めましての人にいっぱい出会える魔法」

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aikoの新曲「相思相愛」は、劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』主題歌。《私はあなたにはなれない なれない》という冒頭のフレーズから引き込まれ、愛する人に対する深くて切ない思いが真っ直ぐに伝わってくる極上のラブソングだ。

◆「相思相愛」MV

BARKSではaikoに単独インタビューを実施。「相思相愛」の制作エピソードや歌詞に込めた思い、劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』の感想、さらにaikoとファンの“相思相愛”ぶりについても語ってもらった

   ◆   ◆   ◆

◼️私にとって好きな人は、尊敬できる人

──「相思相愛」は劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』主題歌。映画も公開されましたが、aikoさんご自身の感想を聞かせてもらえますか?

aiko:すごく面白かったし、めちゃくちゃ感動しました! 最初に観たのは試写だったんですけど、青山剛昌先生もいらっしゃって。背もたれを使わず、ずっと食い入るように見ちゃいましたね。帰り道でも「あれってさ……」って映画の内容についてずっと考察してました。

──何回も観たくなりますよね。

aiko:答え合わせをしたくなるんですよね。目まぐるしくストーリーが展開するし、観終わった後にまたすぐ観たいといつもなります。映画のなかでドキドキする出来事が何回も起きるから、それを知ったうえで「このとき、平次くんはこんな表情をしていたんだな」みたいな感じで観るのもすごく楽しいです。

──主題歌のオファーを受けたのは、2023年のツアー中だったそうですね。

aiko:はじめに聞いた時、めっちゃビックリしました。何回も「え、あたし? ホンマに?」って確認して(笑)。「本当に私でいいのかな」と思ったんですけど、すごく嬉しかったですね。主題歌のお話をいただけたことで、ツアーもとても前向きにがんばれました。



──『名探偵コナン』は以前からお好きだったとか。

aiko:気づいたらテレビでやってたというか、いつも近くにいる感じだったんですよ。最初(の放送時間)は月曜の夜7時だったじゃないですか。大阪にいる頃はその時間にやってるのが当たり前で、今もめちゃくちゃ人気があって。こんなにたくさんの人を魅了している青山先生は本当にすごいなって思います。今回の主題歌が決まった後、ライブ会場にコナンくんの恰好で来てくれるお客さんがいて。蝶ネクタイとメガネで。

──すごい!

aiko:すごいですよね。それくらい“コナン愛”が強いんだなって思って。映画のスタッフの皆さんも同じように愛が強くて、愛が愛で返ってきてる感じがしました。制作の皆さんもライブに来てくださって、そこではじめてご挨拶させていただいて。「(曲調や歌詞に関して)何かありますか?」と聞いたら、「aikoさんの曲でお願いします」と言ってくれたんです。「今回の映画の制作が決まったときに、“絶対、aikoさんにお願いしよう”ということになったんです」って。とってもうれしかったです。

──「相思相愛」は《あたしはあなたにはなれない》というフレーズではじまります。相手のことを尊重していないと出てこない言葉だなと。

aiko:そうだと思います。私にとって好きな人は、尊敬できる人なんです。「この人、好きだな」って思ったら、そのなかには尊敬が絶対にあるというか。ただ、どんなに好きな人でも、全部が重なり合って、すべて分かり合えることはなくて。パズルの隙間みたいに、わからない部分は必ずある。それは寂しいことなんだけど、「でも、それくらい好きってことなんだな」って。そういう気持ちを歌いたかったのかもしれないですね、「相思相愛」は。歌い出しのフレーズは、家の廊下を歩いてるときに浮かんできたんです。ちょうど「星の降る日に」(2023年11月22日発売 44thシングル)のデモを家で録ってたんですけど、私、Pro Tools(プロツールス)とかはぜんぜん使いこなせないから、ピアノの弾き語りをiPhoneで録音するんです。失敗したら最初からやり直しなので、1曲録るのに多い時は20~30回くらいかかっちゃう時もあるんです。「なんでこんなに時間かかるんやろ。もう疲れた」と思いながら台所に行って、水を取ってきてピアノの部屋に戻ってるときに「あたしはあなたには~」って出てきて、「あ、できた!」って。これを歌い出しにしたいと思って、そこからAメロ、Bメロの部分を作っていきました。



──自然と浮かんできたフレーズなんですね。

aiko:いつも「曲が出来ますように」って祈りながら生きてます(笑)。その後、まずは私のスタッフの方に聴いてもらって。その時点では曲がコナンくんの映画に合うかどうかもわからないし、もしかしたら私の思い込みかもしれないじゃないですか。作ってるときはテンションが上がってるから、まずは近い人に聴いてもらうのがすごく大事なんですよ。そしたら「歌詞もメロディラインもストレートですごくいいですね」と言ってもらえて。アレンジはトオミヨウさんにお願いしました。

──トオミさんは「メロンソーダ」「青空」など、aikoさんの楽曲のアレンジを数多く手がけていて。今回のやり取りはどうでした?

aiko:デモの段階ではもっとバラード調の曲だったんです。私の曲は普段だったらもっといろんなところに音程が動いたり、転調とかもしたりすることが多いんですけど、「相思相愛」はすごくストレートな曲で、そのぶん、いろんなアレンジができるだろうなと思って。トオミさんも「僕なりにチャレンジしてもいいですか」と言ってくれたんですけど、上がってきたアレンジを聴いたら、テンポが上がってたんです。そのことによって曲の見え方が少し変わって。ビックリしたし、うれしかったですね。

──しかも劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』のストーリーにも自然に重ねられる楽曲ですよね。

aiko:そうだったらいいなと思ってます。あまり映画のことを考えすぎると曲が書けなくなりそうで、脚本とかもいつもあえて読まないんです。ただ、和葉ちゃんと平次くんのお話だってことは聞いていて。蘭ちゃんと新一くんもそうですけど、お互いに想い合ってるのにすれ違うって……最高ですよね(笑)。二人ともいいなって思ってるんだけど、ちょっとタイミングが合わなかったり。そういうのってすごくときめくし、素敵だなって思います。

◆インタビュー(2)へ
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