【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2024>10-FEET、「ジャンルの壁や境界がない」
ライブを初めて観たときにお互いに衝撃を喰らい、そこから始まった付き合いもすでに20年以上。盟友であり親友であり、彼ら流の言い方をするなら“兄弟”。どっちが兄貴分で、どっちが弟分なのか分からない。時と場合と状況によって役割もいろいろ変わるのかもしれない。ともかくG-FREAK FACTORYは、この<山人音楽祭 2024>で自分たちの前を兄弟分の10-FEETに任せた。
そして始まった10-FEETのライブ。中盤の「アンテナラスト」のことだった。TAKUMA(Vo, G)がコードストロークしながら静かに歌い始めたのはいいが、なぜか、途中でKOUICHI(Dr, Cho)にリズムの入り方を確認する。その様子にNAOKI(B, Vo)は「もう、俺らは何年やってんねん」と忠告をする事態に。そんなやり取りを10-FEETの3人がする最中、歌いながら袖から現われたのはG-FREAK FACTORYの茂木だった。
この「アンテナラスト」という曲は、優しさや包み込んでくれる愛情を持っている。幸せそうな顔が会場を埋めつくし、ステージ上の10-FEETと茂木も嬉しそうな顔。<山人音楽祭>ならではの光景と感情がそこにはあった。
ライブを終えたばかりで、これからG-FREAK FACTORYのステージに出る予定にもなっている10-FEETに、<山人音楽祭>について話してもらった。
◆ ◆ ◆
──フェスの名前が<GUNMA ROCK FESTIVAL>だったときから10-FEETはずっと出演しています。自分たちのライブを終えたばかりの今、<山人音楽祭 2024>はいかがでした?
KOUICHI:家族連れとか子どもも多いですね。もともと保育士を目指していた自分としては、子どものことが気になりますね。
NAOKI:やっぱり<山人音楽祭>はお客さんの一体感が凄くて。端から端までしっかり見えていたんですけど、みんな、いい感じでひとつになっている。とくに今日はそう感じましたね。G-FREAK FACTORYと仲良くさせてもらっていることを、みんな知ってくれているから。そういうのもあったのか、よりいい感じの一体感がありました。
TAKUMA:客層や年齢層も広いんですけど、とくにライブハウス勢が多かったんかなと思って。そう感じるぐらいお客さんは激しかったですね。G-FREAK FACTORYのことが好きやけど、他のアーティストも好きよっていう。ちゃんとみんなが、まずG-FREAK FACTORYが好きという軸足を持って、“いつもはROTTENGRAFFTYが好きやけど今日はG-FREAK FACTORYヒイキで”みたいな、そういう心意気を感じました。
──心意気と仲間意識が、オーディエンスからもしっかり感じられたんですか?
TAKUMA:そうですね。だから激しくてもアットホーム感もありましたね。
──<山人音楽祭>は、開催する年ごとに雰囲気の違いもあるんですか?
TAKUMA:“こんな感じ”って説明するのは難しいんですけど、<山人音楽祭>には独特の雰囲気があって。初期の頃って、今ほどお客さんが入っていない時期もあったけど、その頃も含めてブレないというか。<山人音楽祭>の確固たる想いみたいなのがいつもあるんです。
──ROTTENGRAFFTYのN∀OKIさんも、「フリースタイルMCバトルやアートがあるなど、ここには様々なカルチャーがあり、さすが、G-FREAK FACTORY」と言っていました。
TAKUMA:G-FREAK FACTORYが好きなことをひとつ残らずやっているというか。MCバトルもそうやし。ジャンルの壁や境界がない感じですよ、<山人音楽祭>は。
──ええ、本当だったら高木ブーさんが今回も出演予定だったんですよね。でもアキレス腱を切って、入院という事態になってしまって。その代わりにTOSHI-LOWさんが出て、それについてイジる10-FEETもいるという。
TAKUMA:はい、「ブーさんのほうが良かった」ってライブ中に言わせてもらいましたよ。そういうのがTOSHI-LOWは好きなんで(笑)。ライブ終わってすぐにTOSHI-LOWから褒められましたよ、「あのMCは良かった」って(笑)。
──バンド主催フェスだからこその温かみって、やっぱりありますよね。
TAKUMA:飲食エリアに行っても、同期も先輩もたくさんいるんで。僕らは先輩としゃべるのがけっこう好きやから、それも含めて居心地良かったり、同窓会みたいに久しぶりに会える人たちもいます。だから<山人音楽祭>に呼ばれるのは嬉しいですね。
KOUICHI:ずっと呼んでもらいたいです、G-FREAK FACTORYさえ良ければ。
──“でも10-FEETさんは紅白歌手だからギャラ高いんだろうな”……これはG-FREAK FACTORYの茂木さんの心の声を代弁してみました(笑)。
TAKUMA:いや、同じ社内のバンドなんで。そのへんはどうにでもなるって話でしょ(笑)。
取材・文◎長谷川幸信
写真◎野村雄治
ライブ写真◎HayachiN
<山人音楽祭2024>
開場・開演:開場 9:30 / 開演 11:00 (終演 20:00予定)
会場:日本トーターグリーンドーム前橋(群馬県前橋市岩神町1丁目2-1)
出演者
【9月21日(土)】
アイカワヒトミ / 打首獄門同好会 / Age Factory / ENTH / おとぼけビ〜バ〜 / ザ・クロマニヨンズ / 佐藤タイジ / サンボマスター / G-FREAK FACTORY / SIX LOUNGE / 上州弾語組合 / Dragon Ash / HAWAIIAN6 / FOMARE / プッシュプルポット / The BONEZ / MAN WITH A MISSION / MOROHA / ゆってぃ&バリ3TV (※五十音順)
【9月22日(日祝)】
KUZIRA / G-FREAK FACTORY / SHADOWS / SHANK / 上州弾語組合 / 四星球 / SCAFULL KING / 高木ブー / DJダイノジ / TETORA / 10-FEET / NakamuraEmi / HUSKING BEE / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / THE FOREVER YOUNG / ザ・ボヤキングス / ライブゾーン(TOSHI-LOW&茂木洋晃) / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS / ROTTENGRAFFTY (※五十音順)
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