【速レポ】モンパチフェス＜WWW!!24＞スターダスト☆レビュー、名曲連発「おそらく僕らが一番沖縄で演奏していると思います」

根本要(G, Vo)の即興メロディかつ超絶ハイトーンによる“今日のこのライブ～ / 我々が最年長～ / どうかみなさん～ / 介護といたわりの気持ちで～ / 優しい気持ちで～ / いわたりながら～ / 楽しんでください～”といった“歌の前口上”でスタートした、“スタレビ”ことスターダスト☆レビューのステージ。しかし最年長と言いつつも、さすがの演奏力とさすがのMC力とで、観客の盛り上げ方も最上級という、圧巻のステージを展開した。

◆ライブ写真

そもそもスタレビはリハーサルの段階から絶好調で、10分近くもライブさながらのジャズファンクなセッションを繰り広げ、「今日は持ち時間も短いから、まずはメンバー紹介！」と、まだ本番前にも関わらず根本は、寺田正美(Dr)、柿沼清史(B)、添田啓二 (Key)、岡崎昌幸(G, Key)を紹介し、「ギター、ボーカル、アンド、MC！」と自己紹介を行った。そしてそのまま本番へのなだれ込み、先の口上へとつながっていったのだった。


こうやって、賑やかに、楽しく、笑顔で始まったライブだったが、最初に歌い始めたのは、アカペラの「AMAZING GRACE」。5人のコーラスが生み出す響きは見事のひと言で、この時、ステージに陽が射してきたのはもちろん偶然の賜物ではあったものの、それが必然の演出にも感じるほど美しいハーモニーだった。

続いて重低音が鳴り響いて始まったのは、1984年に彼らの5枚目のシングルとしてリリースされ、大ヒット曲となった「夢伝説」。たっぷりディレイのかかった根本の歌が宜野湾のビーチに響き渡ると、その歌に引き寄せられるかのようにハブステージに集まった観客は、ステージ前で手を挙げて身体を揺らしたり、ビーチに腰かけてゆったり聴いたりと、それぞれがそれぞれのスタイルで、音楽に浸り、スタレビの歌の世界を満喫しているようだった。


「日本全国のいろんなアーティストの中で、おそらく僕らが一番、沖縄で演奏していると思います。40年間、この沖縄で100回近いライブをやってきたから、(バンドのことは)あんまり知らないけど、曲だけは知ってるという人もいるはず。だからチャレンジとして、知らなかろうが何だろうが、みんなで歌って、心をひとつにして盛り上げようじゃないか！」

根本はこう会場を笑わせながら、キーボードをバックに「今夜だけはきっと」を観客と一緒に合唱し、続いて「いろんな人が歌って(カバーして)くれていて、“あっ、聴いたことある！”って思うかもしれませんが、我々がオリジナルです！」と、アコースティックバージョンで「木蘭の涙」を披露。とにかく、MCの話術で観客をどんどん引き込んでいきつつも、いざ歌／演奏が始まると、その説得力に思わず唸ってしまうのが、スタレビのステージだ。聴き手の心に響く“本物の歌”というのは、ライブの場で発揮されるものであり、これだけ表現力が豊かに、深みと魅力のある歌を聴かせてくれるアーティストこそが、真のボーカリストと呼ぶに相応しい存在であることを改めて実感させられるパフォーマンスだった。


そしてラストは、スタレビの名曲をメドレー形式にした12分を超えるディスコナンバー「ブギウギワンダー☆レビューのテーマ」を披露。ディスコのリズムで多彩なメロディが紡がれたこの曲で、否応なしに楽しく、音楽の醍醐味を味あわせてくれた彼ら。すべての曲を演奏し終えると、メンバーはステージフロントに並んで観客に手を振り、フロントマンの根本はハブステージに集まった大勢の人々に投げキッスをした。すると観客からは指笛が吹き鳴らされ、沖縄らしい暖かい空気感に包まれながら、スタレビのライブは幕を閉じた。

文◎布施雄一郎
写真◎SARU(SARUYA AYUMI)