【速レポ】＜REDLINE＞EGG BRAIN、出会いから現在までを貫く轟音「マジで感謝してる、ありがとう！」

サウンド・チェックのときから大勢のオーディエンスをすでに集め、歓声も沸き上がっていたバンドが、15時30分、BODY STAGEに登場した。ハンドクラップしながらステージに出てきたメンバーと、同じようにハンドクラップで大歓迎のオーディエンス。

◆ライブ写真

「Hey,What's up! 幕張、＜REDLINE＞やろうぜ！」

薬師“JOEY”ジョーイ(Vo,G）の言葉を合図にEGG BRAINのステージは始まった。彼らが用意していたのは、REDLINEを主催するJMSから2010年に発表したアルバム『THE NEXT 20-MILES CLOUDS』からの「SEVENTEEN」。リリース以降、ライブで欠かせない曲へと成長し、EGG BRAINにとって武器のひとつとも呼べるナンバーだ。曲に突入した途端、フロアの前方はライブハウス状態。人が飛び交い、ジャンプし、EGG BRAINの曲や音に食らいついていく。


ファンなら知っているだろうが、EGG BRAINは活動開始から8年目となる2015年に、無期限の活動休止を発表した。メンバー3人の目指すベクトルにズレが生じた、というのが理由だ。だが3年後の2018年、彼らは復活して今を迎えている。一度、活動を止めたからこそ生まれたのは、方向性の合致とメンバー3人の強い意志だろう。

タイトさと重みを兼ね備えたリズムを刻むのは内田“Uchie”雅人（Dr）。薬師のメイン・メロディに抜群のハーモニーを付けながら、動きの激しいベース・ラインでフックを付けていくのは田畑“KUN”邦彦（Ba,Vo)。安定したギター・プレイを聴かせながら、しっかりと突き抜けていく歌を響かせるのは薬師ジョーイ。歌声には独特のソフトさもあって、キャッチーさ、ポップさも自然に生まれていく。浴びてるだけでワクワクが止まらず、気分はブチ上がる。そんな中毒性もあるメロディック・パンクだ。それになにより3人の呼吸がピッタリなのが嬉しい。


「KTRとは18年前に次の曲で出会いました」と言いながら突入したのは「BELIEVE」。KTRとは＜REDLINE＞の主催者であり、JMSボスの鈴木氏のことだ。EGG BRAINの未来も拓いていった曲を、今、この＜REDLINE＞のファイナルで轟かせる、KTRへの感謝を思いっきり込めて。そこから続くのは、進化を続けるEGG BRAINの今をフィードバックさせた新曲「Warning」。メロディックながら、マイナーの泣き、重心を低めにしたグルーヴも混ざる。EGG BRAINの新たな側面だろう。

ライブ後半、「MUZIC」でさらにブチ上がった直後、薬師は改めて言う。

「あのとき彼に出会ってなかったら、EGG BRAINというバンドはこんなにもたくさんの人に聴かれていなかったと思います。こんなに多くの人に届かなかった。マジで感謝してる、ありがとう！」──薬師

KTRにリスペクトを込めた「World」、限界破裂の勢いで疾走する「METEOR」など、曲調こそ違うが、感謝も愛情も炸裂するEGG BRAINサウンドが、＜REDLINE＞のファイナル・デイに熱く響いていった。


文◎長谷川幸信
写真◎RUI HASHIMOTO [SOUND SHOOTER]