【速レポ】<REDLINE>Paledusk、紡ぎ繋げる魂の共鳴「俺、出禁でいいから。全部やってくぜ!」

時刻は17時台後半。<REDLINE ALL THE FINAL>2日目も後半に差し掛かり、観客にとってはそろそろ疲れが出始める時間帯だと思うが、だからこそ刺激的な音楽でぶち上がりたいという人たちが、Paleduskのライブを目掛けて、SOUL STAGEに集まった。ライブスタート前にKAITO(Vo)が「MCやる時間ないくらい、無限に曲繋ぐんで」と言っていた通り、35分間、ほぼノンストップのライブによってフロアは狂騒の渦に。また、同日に出演しているバンドから3名のボーカリストが飛び入りで参加するという嬉しい展開もあった。
◆ライブ写真
ライブのオープニングでは、SEのエミネム「Lose Yourself」をバックに登場したメンバーが、生音を順に重ねていった。その後「Q2」のイントロが始まると、フロアから一際大きな歓声が。地を鳴らす重低音に、空へ上る美メロ。天国と地獄を反復横跳びするハイブリッドサウンドに、誰もが興奮を抑えきれずにいる。

KAITOが絶叫混じりのロングトーンをカマすと、感化されたオーディエンスから大音量のシンガロングが返ってきた。それに対し、「最高か!」とKAITO。さらに、「Q2」の後半ではCrossfaithのKoieが登場。サウンドチェックの時に「こんばんは、Crossfaithです」と言っていたのは、Crossfaithと仲がいいからこその冗談だと思っていたが、どうやら伏線だったらしい。向かい合って戦うように歌うKAITOとKoieのツインボーカル、最高だった。
1曲目からいきなりハイライトが訪れたが、「<REDLINE>、ずっと出たかった!」という想いを託しての「AREA PD」、さらに「9 SMILES」でも大いに盛り上がった。BOB(Dr)の太鼓の皮を突き破りそうなほどの打撃、DAIDAI(G)とTSUBASA(G)の凄まじい速弾き、情熱的なバッキングが、オーディエンスを高揚させる。観客に「かませ! やれ! 壊せるもんならぶっ壊せ!」と伝えるKAITOは、まずは自分が限界を超えようという勢いでスクリームしていた。「SUPER PALE HORSE」では、1時間前にここでライブをしていたCVLTEのaviel kaeiが登場。仲間が加わったことによって、バンドのギアがもう一段階上がっているのが痛快だ。これこそがロックイベントにおけるゲストアクトの醍醐味。続く「BLACK ICE」ではフロア前方でダイバーが続出した。

「SLAY!!」までの7曲はノンストップ。観客が拳やメロイックサインを掲げて、最高だとバンドに伝える中、一旦音が止んだ。ここでKAITOによるMC。このイベントを15年続けた主催の鈴木氏への敬意を言葉にし、観客とともに拍手を送った。続けて、「俺は<REDLINE>に初めて出られて嬉しいけど、ここでこのイベント終わっちゃうんだなと思うと……」と率直な想いを語るともに、「でも、鈴木さんが何もせずボーッとしてると思わないんで。次のイベント、メインステージに出られるように頑張ります」と意気込んだKAITOは、今日、かねてから憧れていたFACTとの対バンが叶ったことにも言及。その上で、オーディエンスへ「いつも言ってるけど、バンドやってください」と伝えた。バンドってこんなにもロマンがあるんだ、だからみんなもやろうぜ、というニュアンスだろう。

そして「俺、<REDLINE>出禁でいいから。全部やってくぜ! 次がねえんだったら、ここで散ってけ!」とラストスパートをかける。「RUMBLE」ではcoldrainのMasatoが降臨。《自由の音 響く 理由なく強く/また俺は歌って 君も歌って/夢は繰り返す》というフレーズを2人で歌い上げるシーンはとても美しかった。PaleduskとMasatoの魂の共鳴が示していたように、ロックとは継承の文化だ。<REDLINE>が終わっても、ライブシーンやオーディエンスの心の中に残るものは必ずある。人の夢は、そう簡単に潰えないはずだ。
「お前らの時代、俺たちの時代! 最後1曲、昔から紡いできたもの!」と、ラストは「PALEHELL」。KAITOの全力の歌唱、激しいバンドサウンド、そして観客のシンガロングが空間いっぱいに響いた。全曲演奏後には、全てを出しきったKAITOがかすれた声で「ありがとう!」と伝える。熱演を讃えるように、ステージへ送られる拍手。フロアにいる人たちだけではない。RIOT STAGEでスタンバイしているSHADOWSやセッティング中のスタッフも拍手している。そんなささやかな瞬間に改めて思った。本当にいいイベントだなと。<REDLINE>15年の歴史のエンディングまで、残りわずかとなった。
文◎蜂須賀ちなみ
写真◎小杉歩
セットリスト
1. Lose Yourself
2. Q2
3. AREA PD
4. 9 SMILES
5. SUPER PALE HORSE
6. BLACK ICE
7. SLAY!!
8. RUMBLE
9. PALEHELL
■JMS主催<REDLINE ALL THE FINAL>
12月8日(日) 千葉・幕張メッセ 国際展示場 9-11ホール
open9:00 / start10:30 / 終演予定22:00
▼12月7日(土)出演アーティスト
ACIDMAN、Age Factory、ALI、ASP、Awich、bacho、FAT PROP、FOMARE、go!go!vanillas、HERO COMPLEX、KOTORI、MONGOL800、MY FIRST STORY、PEDRO、RIZE、SATOH、SIX LOUNGE、THE FOREVER YOUNG、TETORA、tricot、w.o.d.、WurtS、04 Limited Sazabys、クリープハイプ、サンボマスター、ハルカミライ、東京スカパラダイスオーケストラ、優里
▼12月8日(日)出演アーティスト
AFJB、BLUE ENCOUNT、coldrain、Crossfaith、Crystal Lake、CVLTE、Dragon Ash、dustbox、EGG BRAIN、ENTH、FACT、Fear,and Loathing in LasVegas、FOR A REASON、HEY-SMITH、MAN WITH A MISSION、MONOEYES、MY FIRST STORY、NOISEMAKER、Northern19、Paledusk、ROTTENGRAFFTY、SHADOWS、SHANK、SiM、The BONEZ、SPARK!!SOUND!!SHOW!!、TOTALFAT、WORSTRASH、マキシマム ザ ホルモン
■REDLINE ALL THE FINAL PROJECT “REDLINE DREAM BAND”
※デジタルシングル
▼Vocal
Adam Graham (FACT)
AG (NOISEMAKER)
GEN (04 Limited Sazabys)
Hiro (SHADOWS / FACT)
細美武士 (MONOEYES)
庵原将平 (SHANK)
Jean-ken Jhonny (MAN WITH A MISSION)
Jesse (The BONEZ / RIZE)
JOEY (EGG BRAIN)
Jose (TOTALFAT)
Kaito (Paledusk)
笠原健太郎 (Northern19)
Kenta Koie (Crossfaith)
Kj (Dragon Ash / The Ravens)
MAH (SiM)
Masato (coldrain)
N∀OKI (ROTTENGRAFFTY)
NOBUYA (ROTTENGRAFFTY)
Suga (dustbox)
▼Guitar
Kazuki (SHADOWS / FACT)
YD (Crystal Lake)
Daidai (Paledusk)
▼Bass
チヨ (SPARK!!SOUND!!SHOW!!)
▼Drums
Tatsuya (Crossfaith)
▼Special Thanks
169 イチロー, タクマ, タナカユーキ (SPARK!!SOUND!!SHOW!!)

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