【インタビュー】-真天地開闢集団-ジグザグ、横浜アリーナ初ワンマン放送前に語る<天ト地>という挑戦「本当に良かった。幸せでしかなかった」

-真天地開闢集団-ジグザグが2024年12月24日、横浜アリーナにてツアー<-真天地開闢集団-ジグザグ ホールツアー2024「全国開闢禊 -天ト地-」>ファイナルを開催し、満杯の客席を歓喜の渦に包みこんだ。このアリーナ初ワンマンの模様をはじめ、メンバーインタビューを交えてのライブセレクションや歴代ミュージックビデオが、2025年2月から3ヶ月連続で届けられる。3人の足跡と現在地点が浮き彫りとなるスペシャル番組が、『-真天地開闢集団-ジグザグ 3ヶ月連続WOWOW特集』だ。
◆-真天地開闢集団-ジグザグ 画像
2022年11月、自身初の日本武道館単独禊(ライヴ)を大成功に収めて以降も進撃の手を緩めることなく、全国各地のフェス出演で認知度をますます高めた-真天地開闢集団-ジグザグは、2023年の初ホールツアー<全国開闢禊 -最高->にて約2万人を動員するなど、人気/実力共に右肩上がりのカーヴを描き続けてきた。そして、2024年11月リリースの最新音源集(EP)『Gran ∞ Grace』は、ジグザグが本来持つ多種多様な音楽性をさらに押し広げたもの。ツアー<-真天地開闢集団-ジグザグ ホールツアー2024「全国開闢禊 -天ト地-」>は、いずれもライヴ映えする音源集収録5曲が、その中核を成していたと言っていい。
BARKSでは『-真天地開闢集団-ジグザグ 3ヶ月連続WOWOW特集』放送を前に、改めて『Gran ∞ Grace』を振り返り、横浜アリーナ・ツアーファイナルの見どころに迫るインタビューを実施した。3人は確実に着実に歩みを進めながらも、その視線の先にさらに大きなものを見据えている。とどまるところを知らないジグザグの現在、過去、未来を知ることのできる『-真天地開闢集団-ジグザグ 3ヶ月連続WOWOW特集』がますます楽しみな1万字超えのロングインタビューとなった。
◆ ◆ ◆
■ふざけたライブハウスバンドではなく
■プロフェッショナルな感じを
──まずは昨年2024年11月にリリースされた音源集(EP)『Gran ∞ Grace』のことを今あらためてお聞きします。EPを作るにあたってテーマなどは、ありましたか?
命:曲がバーッと集まったので、「この辺とこの辺の曲を入れた音源集を出そう」みたいな話から始まって、5曲を最終的に決めたのは方向性がなんとなく見えてからだったかな。でも、コンセプトとかは特になくて、今の自分たちがいいと思うものを選んで形にしたという感じです。
──『Gran ∞ Grace』はテイストの異なる5曲が収録されていて、なおかつ全曲リードになり得るクオリティーを備えていると思いました。
命:そう感じでいただけたなら良かったです。そういうことを意識したというよりは、そうなってしまうというか。いや、“自分はすごい”ということを言っているのではなくて。一般的にシングルのカップリングとかアルバムには捨て曲じゃないけど、印象の薄い曲が入っていることもあるじゃないですか。そういう風にしたくないとかじゃまったくないんです。ただ、昔よくベストヒットみたいなコンピレーションアルバムをよく聴いていたから、その影響で、無意識に全部シングルっぽいアルバムにしてしまうのかもしれない。

▲命 -mikoto- (Vo, G)
──サブスクが主流になって1曲単位で聴かれることも多いでしょうし、特にコロナ禍以降、リスナーがアーティストに求める楽曲クオリティの水準が高くなっていることを感じていて。『Gran ∞ Grace』はその要望に応える一作といえます。では、リリースから2ヶ月以上が経った今、5曲の中でも特に気に入っている曲を挙げるとしたら?
命:うーん、難しいですね。
影丸:僕はもう決まっています(笑)。「バリネギ -sexy green onion-」です。ロックンロールテイストを押し出した曲を、令和の時代に、自分のバンドで出せるというのがすごく嬉しいんですよ。最初はもっとチープな感じになる予定だったんですけど、すごくカッコ良くなっちゃった(笑)。そういう経緯も含めてすごく好きです。
──曲のカッコ良さと“ネギを振れ!”というシュールな歌詞が相まって、独自の魅力を放つ1曲に仕上がっています。
命:「バリネギ -sexy green onion-」は、ただただふざけた曲になってしまうとつまらないので、“絶対に、ええ声で歌ったろう”ということにはすごくこだわりました。ふざけているけどカッコいい曲にしたかったというか、意味を持たせたかったんです。“ふざけたライブハウスバンド”ではなくて、“プロフェッショナルな感じ”を出したいなというのがありました。
──-真天地開闢集団-ジグザグならではの、シャレなのかマジメなのかわからない雰囲気が最高です。それに、この曲は軽快でいながら力強いドラムも絶妙です。
影丸:あまりシャープにし過ぎても違うというのがあって。ガシャガシャしていたいなと思ってレコーディングしたんですよ。
命:打ち込みでは、この曲みたいな空気感は絶対に出せませんよね。『Gran ∞ Grace』収録曲で、一番打ち込みじゃダメな曲が「バリネギ -sexy green onion-」。この生ドラムの感じをパッケージできて良かったです。
──龍矢さんはいかがですか?
龍矢:『Gran ∞ Grace』収録曲は全部気に入っているんですけど、強いていえば「E.v.e」ですね。僕は命さんのポップステイストの曲の歌声がすごく好きなんです。もちろんハイトーンのシャウトとかデスボイス、がなり声とかも全部カッコいいけど、「E.v.e」みたいなきれいな声も命さんの持ち味の一つだなと思っているし、サビのファルセットもすごくきれいで、聴くたびにいいなと思います。
命:ありがとう。「E.v.e」はみんなにデモを聴かせた時、「クリスマスソングみたいにしたい」という声があったんです。ザ・ウィンターソングみたいな曲が-真天地開闢集団-ジグザグはにはないので、そういう曲がほしいと。なのでタイトルも「E.v.e」にしました。
──「E.v.e」というタイトルは横浜アリーナ公演が12月24日に決まったことにちなんだものですか?
命:いや関係ない、たまたまです。寄せたように感じるかもしれないけど、そうではないんです。横浜アリーナがクリスマスイブになったのは、この曲を作った後でしたから。
──そうなんですか? ジグザグは持っていますね。
命:そう、持っているんです(笑)。
──「E.v.e」のボーカルが素晴らしいという話が出ましたが、ベースのグルーヴの心地よさも見逃せません。
龍矢:「E.v.e」は温かみのある曲ですけど、ベースサウンドを少し歪ませているんです。もともと僕が歪み好きというのもありつつ、たとえばL'Arc-en-Cielさんとかをイメージして音作りしました。そのうえでベースフレーズを考えたんですけど、最初はいろいろやり過ぎたので、だいぶ減らして今の感じになりました。音色的にもフレーズ的にも、いいところに落とし込めたと思います。
──命さんは、1曲選ぶのは「難しい」とおっしゃってましたが?
命:収録5曲は僕が決めたので。だから本当に選べないんですけど、「バリネギ -sexy green onion-」ではない(笑)。
──ははは。影丸さんは「バリネギ -sexy green onion-」を一番気に入ってるとおっしゃってましたし、バンドとしてのバランスの良さをあらためて感じます。
命:たしかに「バリネギ -sexy green onion-」は必要な曲なんですよ。でも、僕の中では少し異質というか。で、残りの4曲の中から1曲挙げるとすると…なんだろうな。本当に強いて言えばですけど、「天(ama)」かな。もともとのコンセプトは、ラウド系っぽいバンドサウンドというか、ガチムチ系の人がやっているようなラウドロックなデモがスタートだった。ただ、そのままやってしまうと自分たちには合わないので、和の要素とか、美しさや儚さみたいなものを入れました。
──ラウド系から入ってオリエンタルな雰囲気や宗教感が漂う世界に持っていくあたり、本当にセンスがいいですね。それに、サビはすごくシンプルなメロディーでいながら強く響くということにも圧倒されます。
命:サビの歌詞なんかね、“天や何故に、風や何故に”しか言ってないですから(笑)。説明っぽくしたくなかったんですよ、サビを気持ちのみみたいにしたくて、“天や何故に 何故に”…以上!みたいな(笑)。本当に嘆いている時とか、悲しんでいる時はあまり喋らないじゃないですか。「こんなことがあって、あんなことがあって」みたいにぺらぺら話す人は、多分そこまできていないか、すでに消化できているんですよ。本当に気持ちが入っている時って言葉は出ないと思うから。
──わかります。
命:ある曲の歌詞に“会いたい”ばかり歌っているサビがあって。変に“ああでこうで、こんなことがあって会いたい”みたいに説明的な歌詞よりも、サビで、ただ“会いたい”と歌うほうが、逆に響いたりするんですよね。そういうところで、僕の中には言葉が少なければ少ないほどエモいというのがあるんです。
──昨今は凝ったメロディーや言葉が詰まった歌詞が多い中、“これだけでいい。これだけで伝わる”と思えたのはさすがです。「Schmerz」「JAPPARAPAN ~Japanese Party~」も良質ですので、5曲全部をじっくり聴いてほしいですし、その魅力が輝いたのがライヴの場であり、<ホールツアー2024「全国開闢禊 -天ト地-」>だったと思います。
命:そうですね。本当に全部大好きな曲なので。
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