【日本DJ協会 presents Spotlight DJ's】介護施設でDJイベントを開催する理由とは?[前編]

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2024年から始まったインタビュー企画【Spotlight DJs】の第6回・前編となる今回は、介護施設や福祉施設でDJイベントを開催し、音楽を通じた新しいコミュニティの形を生み出しているDJ GENにインタビューを敢行した。



DJとしてのキャリアを持ちながら、介護の資格と経験を活かし、高齢者施設や障害者施設でのイベントを展開しているDJ GENは、「介護老人保健施設ノイエス」や「生活介護事業所らぽーと」でのディスコイベントでは、音楽に合わせて利用者の方々の身体を揺らし、笑顔を見せる姿がメディアで取り上げられ話題となった。また、障害を持つ方々が気軽にクラブイベントを楽しめるよう配慮された「INCLUSIVE TOKYO」も注目を集めている。



ここでは、介護施設でDJイベントを開催するに至った経緯や、イベントを通じて伝えたいメッセージ、さらには今後の展望について伺ってみた。

──介護施設などでDJイベントを開催することになった経緯を教えてください。

20歳からDJを始め、20代はクラブDJとして活動していました。しかし、世の中には無数のイベントがあり、上手いDJもたくさんいます。30代になり「自分にしかできないことは何か?」と考えるようになり、介護の資格と経験を活かしたイベントを思いつきました。最初は自分の職場で試験的に始めたところ、利用者さんや職員の方々からの反響が大きく、そこから本格的に展開するようになりました。



──元RIP SLYMEのDJ SUさんもよくGENさんのイベントに参加しているようですが、そのきっかけはなんですか?

僕の出身は山梨で、地元のイベントでは様々なゲストを招いていました。その中にはDJ SUさん(RIP SLYME)もいて、20代の頃に主催したイベントでゲストとして来てもらったのが最初の出会いです。当時はまだRIP SLYMEのメンバーとして活動していましたが、その後もDJとして何度か共演する機会がありました。最近では、障害を持つ方々と一緒にトークイベントを開催するなど、福祉や高齢者介護にも興味を持ってくれていて、一緒に活動するようになりました。

──高齢者介護施設であるノイエスでの、ディスコイベントの準備段階で工夫した点はありますか?

利用者さんの思い入れのある曲を事前に職員の方々にリサーチしてもらいました。また、ルミトン(光る棒)を持ってもらい、自然と体を動かせるような演出を取り入れました。さらに、昔の甲府駅やデパートの写真をVJ映像として投影し、懐かしさを感じてもらう工夫もしました。



──イベントはどのくらいの時間開催したのですか?

計1時間ほどでした。最初にMCを入れて場を和ませ、その後SUさんが20分ほどプレイ。途中で深呼吸や軽い体操を挟んでから、僕がプレイする流れでした。

──イベント当日の選曲で特に意識したことは?

利用者さんの世代に合った楽曲や、馴染みのある曲を中心に選びました。「マツケンサンバ」や「川の流れのように」は特に盛り上がり、会場全体が一体感に包まれましたね。他にも「上を向いて歩こう」など、誰もが知っている楽曲を挟んでプレイしました。



──利用者やスタッフからの感想を教えてください。

利用者の方々からは「最高のクリスマスになった」「青春を思い出した」という声をいただきました。スタッフの方々からは「普段の仕事を忘れて楽しめた」という感想もあり、音楽の持つ力を改めて感じました。

次回は、DJ GENさんが手掛けた重度心身障害者施設「生活介護事業所らぽーと」でのクリスマスイベント、そして、障害を持つ方々が安心して参加できるクラブイベント「INCLUSIVE TOKYO」について詳しく伺います。

DJ GEN

2008年からDJ活動開始 PLAY STYLEはTRANCE、HOUSE、TECHNOを中心に、独自の選曲やパフォーマンスで今までに全国のCLUBにてGUEST出演や野外フェスへの出演など全国で活躍している。プロデュース面ではヘアーショー、ファッションショー、私鉄電車内でのディスコイベント、介護福祉士の資格を活かして高齢者を対象としたリハビリを兼ねたシルバーディスコ、多様性はあたりまえをテーマに開催する【INCLUSIVE】の主催など多岐にわたる。地域創生、福祉などを軸に アート、ファッション、美容、音楽、食など様々なコンテンツを取り入れそれぞれに合ったイベントプロデュースを行っている。



◆DJ GENオフィシャルistagram

◆一般社団法人日本DJ協会オフィシャルサイト
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