【ライヴレポート】KIRITO、恒例バースデー公演で宣言「分かれた世界線をぶっ壊して、また一つに」

KIRITOが2月24日、TOKYO DOME CITY HALLにて＜KIRITO「THE CORRECTED TIMELINE」＞を開催した。誕生日当日に行われたバースデー公演は、過去に名義の違いはあれど今回で14年連続の恒例行事となる。特別な一日を祝うため、今年も多くのオーディエンスが集結した同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆KIRITO 画像

これまでもステージを共にしてきたJOHN(G)、Chiyu(B / SLAPSLY)、Hiroki(Dr / C-GATE)に、今回が初参加となるYu-taro(G / NOCTURNAL BLOODLUST)が加わり、新体制で臨んだ同公演は、特段“バースデー”と銘打つことがないのはKIRITOの常であるが、今年はその冠からして、去る1月にファイナルを迎えた前ツアー＜CROSS OVER THE TIME AXIS＞や、今春に控える次期ツアー＜ZERO POINT FIELD＞、さらに昨今のKIRITO自身の様々な動きを含め、一連の流れの中にあることの意味合いが大きかったように思う。



“散らばった糸が結ばれる” “全てが筋書きだったと知る”と歌う「A NEW BIBLE」、“散らばった時間軸は 思惑どおり書き換わった”と歌う「CROSS OVER THE WORLD LINE」と、幕開けを飾った歌詞のリンクもある2曲は、まさに当夜の冠に沿ったもの。「今のKIRITOソロの一番尖った形でいく」と彼が宣言していた通り、とてつもない攻撃力のヘヴィサウンドを武器に、その後も様々な場面を経ながら全23曲を繰り広げていった。

その圧倒的なハードナンバーが並ぶ中、本編中盤でバラード「雫」「hope」から「Storyteller」「EXIT」と聴かせたブロックは、前後とのコントラストを際立たせ、そこに込められたKIRITO自身の人生や決意のメッセージが、より胸を打つものとなったのが印象深い。


なお、前ツアーは最新アルバム『CROSS』(2024年11月発売)のリリースに伴うものだったことから、その収録曲が中心に据えられていたが、当夜では過去二作『ALPHA』(2023年11月発売)、『NEOSPIRAL』(2022年11月発売)の収録曲と、“キリト“名義での既存曲を現在の“KIRITO”サウンドに再構築した楽曲たちを含め、見事に織り交ぜて構成されたメニューだったことも記しておきたい。

「多くは語りませんが、やりたいことは一つです。生きているうちはいろいろな時間の境があって、後悔したり、あの時ああすればよかった、こうすればよかったと、いろいろな世界線が分かれていって、いろいろな未来が創られていくわけですけど、そういう分かれた世界線、時間軸をぶっ壊して、また一つにしようと思っていますから。今後の行動を見てください。KIRITOは今まで誰もやったことのないようなことを、やってみせますから。その姿を一緒に楽しみながら、進んでいきましょう」──KIRITO



そんな言葉の後に「DEAR PLUS ALPHA」を披露し、さらに「今日はありがとう！ これからもよろしく！ ずっと一緒にいようね！」と、シンプルながらも絶大な愛情表現から「瓦礫の花」へ。ファンへの深い愛情が綴られた2曲をもって、この夜を締めくくったのだった。

KIRITOの今後の動きとしては、2022年よりライフワークとして継続的に実施しているアコースティックシリーズの第9弾＜KIRITO Acoustic live 25’「Phantom IX - End screen -」＞が3月22日および23日に日本橋三井ホールで開催されるほか、4月21日にCLUB CITTA’でsukekiyoとの初ツーマン＜sukekiyo 「真琴、両眼血走る」-開放の儀-＞、さらに4月26日から6月21日に全12公演にわたる＜KIRITO Tour 2025「ZERO POINT FIELD」＞の開催が決定している。また、5月17日および18日には、PIERROTとしてKアリーナ横浜での2days公演＜LASTCIRCUS –FINALE– / –HELLO–＞が実施される予定だ。



当夜の冠＜THE CORRECTED TIMELINE＞は、直訳すると“修正された時間軸”。過去の出来事や選択が修正されることで、歪んでしまった時間の流れが正しい軌道に戻されること、人生や歴史の流れが変わることで、正しい未来や理想的な結末が訪れること、複数の時間軸や現実が絡み合う中で、正しいとされる時間軸が選ばれること…そんな意味合いだろう。つまり、これは当夜の冠であると同時に、今後を示唆するものに違いない。KIRITOがどんな未来を見せてくれるのか、楽しみに待ちたい。